トップページ | 2007年4月 »

2007年3月

2007年3月29日 (木)

Brit Awards 2007

 TVで「ブリット・アワード2007」を見た。これはイギリスのグラミー賞といわれるもので、1年を振り返って、最優秀アルバム賞やシングル賞、ライヴ・パフォーマンス賞等を決めるものである。

 今年は2月14日に、ロンドンのアールズ・コートで生中継で行われたそうである。
結論からいうと、アークティック・モンキーズが最優秀アルバム賞と最優秀グループ賞を受賞し、アメリカのバンドであるキラーズが最優秀インターナショナル賞と最優秀インターナショナル・アルバム賞を受賞した。

 グラミー賞と比較すると、全体的に騒がしく、その分熱気と興奮に包まれているような印象を受けた。授賞式のコメントなどは当たり障りのないものが多かったが、ロビー・ウイリアムスがアルコール中毒でリハビリを受けているとは知らなかった。
 たぶん全国ネットの放映なので、イギリスのファンもビックリしたのではないだろうか。

 面白かったのは、やはりライヴ演奏である。最初のシザー・シスターズは、その演出が天晴れだったし、レッド・ホット・チリ・ペッパーズはもう貫禄十分だった。

ときめきダンシン(期間限定特別価格) Music ときめきダンシン(期間限定特別価格)

アーティスト:シザー・シスターズ
販売元:ユニバーサルインターナショナル
発売日:2006/10/16
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 最後は功労賞ということで、オアシスがトリをつとめて、数曲演奏した。久しぶりにオアシスの演奏を味わったが、彼らももうデビューして10年以上たつわけだ。早いものである。

ストップ・ザ・クロックス Music ストップ・ザ・クロックス

アーティスト:オアシス
販売元:ソニーミュージックエンタテインメント
発売日:2006/11/15
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 というわけで、見た人しかよく分からないお話だったけど、とにかくイギリスの音楽シーンは若くて、エネルギッシュであるということ、それと革新さと伝統が融合しているという雰囲気だった。
 さすが痩せても枯れても大英帝国である。

| コメント (0)

2007年3月28日 (水)

悪友

 「悪友」といっても作詞家のことではない。あれは阿久悠である。「悪友」を英語でいうと、Bad companyというらしい。というわけで、あのポール・ロジャースのいたバッドカンパニーのことである。

 最近、バッド・カンパニーの紙ジャケ・シリーズが発売されたので、2ndと3rdアルバムを購入した。1stは元々持っていたからだ。これはあとで紹介するように、名盤である。

 2ndの「ストレイト・シューター」は昔からジャケットが気に入っていて、いつかは購入しようと思っていた。でもCDサイズになるとちょっと微妙な気がする。

ストレート・シューター(紙ジャケット仕様) Music ストレート・シューター(紙ジャケット仕様)

アーティスト:バッド・カンパニー
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2007/03/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 音楽的には、やはりあの1stのあとのせいか、ちょっと物足りない気がした。アルバム解説を読むと、アメリカの市場を意識した音作りとあったが、確かに少しペラペラな音作りである。また、ただ単にポール・ロジャースが歌っていますよというようなアルバムで、記憶に残るようなフレーズやメロディに乏しい。
 特に最後の曲は、前奏と間奏がビートルズというかジョージ・ハリソンの「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」と極めて似ている。そういう意味では記憶に残ったのだが・・・

 3rdアルバムの「ラン・ウィズ・ザ・パック」は、逆に水準よりは越えているアルバムだと思う。ミディアム・テンポの曲やハード・ドライヴィングな曲、スローなバラードとバラエティに富んでおり、曲の配置も緩急あってよい。
 ただ惜しむらくは、記憶に残るような、目立つ曲が少ないといったところか。

ラン・ウィズ・ザ・パック(紙ジャケット仕様) Music ラン・ウィズ・ザ・パック(紙ジャケット仕様)

アーティスト:バッド・カンパニー
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2007/03/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 やはりバッド・カンパニーの名盤は、1stである。1曲目のワン・トゥー・スリーというカウントから背筋をゾクゾクさせ、2曲目「ロック・ステディ」は聞くものを唸らせるリフが飛び、3曲目「レディ・フォー・ラヴ」で完全にノック・ダウンである。まさに名盤とはこのこと。
 それ以外にも「バッド・カンパニー」「ムーヴィン・オン」はライブで定番の曲だし、「ドント・レット・ミーダウン」「シーガル」といった隠れた名曲もある。まさに捨て曲なしの1枚だ。

バッド・カンパニー(紙ジャケット仕様) Music バッド・カンパニー(紙ジャケット仕様)

アーティスト:バッド・カンパニー
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2007/03/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ポール・ロジャースといえば、かつて日本人の奥さんと結婚していて、2人の子どもがいたし、その縁か、坂上二郎などが出演していた日本のTVドラマ「夜明けの刑事」の挿入歌まで歌っていた。そのドラマの中でバッド・カンパニーのたった1回だけの武道館ライヴが放送されたのを覚えている。

 近頃のポールは、クィーンブライアン・メイロジャー・テイラーと組んで、コンサートを行っていた。あれをクィーンとは呼びたくないのだが、その中でもフリーやバッド・カンパニーの歌を歌っていた。
 やはりポール・ロジャースは、スローなバラードやミディアム・テンポの曲が似合うと思う。できれば、ブルース系のギタリストやミック・ラルフスのようなボーカリストを引き立てるような人と組んで、歌って欲しいものだ。

 ポールの「悪友」は、ブライアン・メイやロジャー・テイラーではないのである。

| コメント (0)

2007年3月26日 (月)

bjリーグ

 先日、初めてbjリーグというプロ・バスケットボールの試合を見た。形式はアメリカのプロ・リーグNBAをまねているようであるが、まだまだ人気はイマイチである。サッカーのJリーグの方が盛り上がっているようである。

 内容はう~んビミョウである。だいたいプロの割には、シュート・ミスが多すぎるし、2-3のゾーン・ディフェンスやオールコートの2-2-1に簡単に引っ掛かっているし、プロという割にはお粗末なプレーが目立った。

 この人気を支えるのは、地元びいきの応援である。やはり地域密着型でないと、リーグ全体が盛り上がらないだろう。
 そういう意味では、サッカーのJリーグはいいお手本になると思う。

 ファン・サービスをもっと企画し、地域の学校を訪問したり、ボランティア活動に積極的に取り組む必要がある。
 2000人程度の観客動員数で満足してはいけない。会場をドームに移し、それを満員にするくらい頑張ってほしいものだ。

| コメント (0)

2007年3月25日 (日)

異邦人or外国人

 「外人」という言い方は、不適切であり、野球のTV中継でも「外人選手」と鈴木啓二のような解説者がいうと、アナウンサーはすかさず「外国人選手ですね」とフォローします。

 この「外人」という言葉は、他国から日本に来た人にとって、疎外感を与えるようであり、まるでこの場に存在しない人たちのような印象を与えるらしい。やはり何事も相手の立場に立って考え行動することが大事であるということか。

 では、「外国人」を英語でいうと何というのであろうか。これも適切な言葉は無いようである。strangerは外国籍とは限らないし、alienは国籍は違うが、その国に政治的な忠誠心をいだく人を指すようである。
 一般的には、a foreign person(複数ではforeign people)などというようだが、公共の場では、間違っても foreignerとは言わないらしい。日本語での「外人」と同じような語感を持つ言葉らしいからだ。やっと本題に入った。

 先日、タワーレコードでフォリナーの「ヘッド・ゲームス」を購入した。紙ジャケだったせいか2300円もした。

ヘッド・ゲームス(紙ジャケット仕様) Music ヘッド・ゲームス(紙ジャケット仕様)

アーティスト:フォリナー
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2007/02/28
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 フォリナーは1stアルバムから2nd、4th、6thの「インサイド・フォーメーション」と4枚持っていて、3枚目と5枚目、7枚目、8枚目を持っていない。でも彼らの全盛期は6枚目までだと固く信じているし、その中でも産業ロックに移行する前までが、ベスト・オブ・ベストだと思っているので、「ヘッド・ゲームス」を店頭で見かけたときは、うれしさのあまり即行で買ってしまったのである。
 ちなみにベスト・オブ・ベストというのは、1stの「栄光の旅立ち」から「4」までだと思っている。

 この「ヘッド・ゲームス」は彼らの3枚目の作品で、セールス的には全米5位と売れたのだが、印象は薄い作品でもある。よく考えたら、1st、2nd、4thは全米4位や3位、1位と売れたので、谷間の作品のように思ったのかもしれない。ひとつにはシングル・ヒットが少なかったからだろう。

 ところでフォリナーは元々英国人、米国人3人ずつの6人バンドだった。メンバーの中には、元キング・クリムゾンのイアン・マクドナルドや元スプーキー・トゥースのミック・ジョーンズなどがいた。

  4枚目からはアルバムタイトルになっているように、4人になってしまうが、それでも売れ続けていった。結局、ギターのミックとボーカルのルー・グラムは仲違いをしてしまい、途中でボーカルを入れ替えてアルバムを出したりもしたが、当然その頃は人気もセールスも下降線をたどっている。

 そのせいか、ルーはバンドに復帰し、95年に「Mr.ムーンライト」というアルバムを出すのだが、ときすでに遅し。時代は彼らを必要とはしていなかったようである。
 結局、それ以来、新しいアルバムは出ていない。しかし、ベスト盤やライヴ盤は数多く出ているようである。

ヴェリー・ベスト・オブ・フォリナー Music ヴェリー・ベスト・オブ・フォリナー

アーティスト:フォリナー
販売元:イーストウエスト・ジャパン
発売日:2002/08/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 今でも根強い人気があり、最近来日もしたそうだ。その名はforeignerだったが、外人扱いはされなかったようである。

| コメント (0)

2007年3月24日 (土)

ダミアン・ライス

 最近のSSW(singer-song writer以下SSWと略す)は、イギリスのジェームズ・ブラントやカナダのダニエル・パウダーなど、ポップで売れ線狙いの人が多いような気がする。

 それはそれでいいことなのだけど、あまりにも大衆路線で行くと、やがてはエルトン・ジョンのように嬉々として勲章をもらったり、ビリー・ジョエルのようにエンターティナーとしてラスベガスでショーをするようになる気がするのである。

 もちろん、それはそれでいいのだけれど、やはり70年代四畳半フォーク経験者としては、something unusualに思えてならない。

  そこで紹介するのが、アイルランド出身のSSW、ダミアン・ライスである。アイルランドといえば、U2ヴァン・モリソンロリー・ギャラガーシン・リジーのフィル・ライノットなど多数いるが、ダミアン・ライスはイギリスのニック・ドレイクに雰囲気が似ているようだ。

 最新作の「9」を聞くと、その魂の叫びのような情熱やろうそくの炎が舞うような静謐さなどを体験することができる。今まで久しく忘れていた感情が喚起されるのである。

9 Music 9

アーティスト:ダミアン・ライス
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2007/01/24
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 曲によっては、ギター1本、ピアノ1台で切々と歌うものもあるし、ブルース・スプリングスティーンのバラードのように、徐々に盛り上げていくタイプの曲もある。アカペラもあれば、もちろんバンド形式の曲もある。
 本来のSSWからすれば、種々雑多のように思えるかもしれないが、アルバムを貫く統一感があるのである。それは、人生における悲喜劇、孤独、恋愛であり、それを感情込めて歌う彼の歌声である。

 彼は、根っからのマスコミ嫌い、取材嫌いらしく、このアルバムのプロモーションも一切行っていない。したがって、雑誌などで彼の顔写真やプロフィール、アルバム情報を知る機会は極めて少ない。残念なことである。

 ファースト・アルバム「O」のライナー・ノーツによると、彼は今年で33歳。2001年にデヴューし、これがアイルランドで大ヒットし、その人気がイギリス、ヨーロッパにも広がった。そして映画の挿入歌にも使われるようになり、アメリカでもじわじわと名前が浸透するようになった。

O(オー) Music O(オー)

アーティスト:ダミアン・ライス
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2005/04/13
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 しかし、それでも取材は受けないのである。受ければおそらくもっと売れるであろうに。

 そういえば、レナード・コーエンにも似ているなあ。
 

  

 

| コメント (0)

2007年3月22日 (木)

安い罠

 ではなくて、「甘い罠」を歌ったチープ・トリックのことである。昨年出た最新アルバム「ロックフォード」は本当にすばらしいアルバムだった。久しぶりに彼ららしい軽快なリズムと溢れ出るポップ感がちりばめられた観のあるアルバムだ。

ロックフォード Music ロックフォード

アーティスト:チープ・トリック
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:2006/06/06
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 もともと70年代当時、彼らはキッスエアロスミスと並んで、日本では御三家と呼ばれていた(と思う)。この御三家は今だに現役で活躍しているが、アルバムセールス的には、エアロが一歩リード、次にキッスという感じで、残念ながらチープ・トリックは90年代の「バステッド」「蒼い衝動」以降は先細りの観があった。

 かつて人気のあった個人やグループは、売れなくなると昔のライヴ・アルバムやベスト盤、編集企画ものでお茶を濁す傾向がある。新しいファンや若年層の人たちは、ベスト盤やライヴ盤を買った方が手っ取り早くその音楽性を知ることができるからだ。

 しかし一方では、やはり昔の名前で出ていますというか、過去の名声にあぐらをかいているというか、創作意欲の欠如といわれても仕方ないようなアルバムを出し続けている場合もあるのである。
 チープ・トリックの場合でも、97年と03年に新作のスタジオ盤が出ただけで、その間に、ベスト盤やライヴ盤を出していた。

 しかしである。3年ぶりの今作は力が入っている。メンバー全員50歳以上、あの最年少のロビン・ザンダーでさえも、もう53歳だそうで、ライヴ・フィルムを見る限りは、さすがに年老いていて、線の細かった体格もどこの部屋の力士ですかといわれるかもしれないほどの変化をしていたが、音を聴く限りは、そんな事を微塵も感じさせないほど、テンションの張り詰めた音を鳴らしていた。

 ほとんど変わっていないのは、ドラムのベン・E・カルロスとギターのリック・ニールセンである。もともと昔から年取っていたように見えたせいか、変化が見られないのである。77年発表の「蒼ざめたハイウェイ」の裏ジャケットを見ると分かりやすいだろう。

蒼ざめたハイウェイ(紙ジャケット仕様) Music 蒼ざめたハイウェイ(紙ジャケット仕様)

アーティスト:チープ・トリック
販売元:Sony Music Direct
発売日:2006/06/21
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 とにかく今回のアルバムは1曲目「ウェルカム・トゥ・ザ・ワールド」から粒よりのポップな曲が目立っている。「カモン・カモン・カモン」「オー・クレア」「エヴリ・ナイト&エヴリ・デイ」などは何度聞いてもよい。

 アルバム・タイトルの「ロックフォード」というのは、彼らがバンドをスタートさせたイリノイ州の町名だそうだ。そういう意味でも原点回帰と彼らのやる気を感じさせるアルバムである。願わくば、このアルバムが売れに売れて、全国津々浦々のジャパン・ツアーをやってほしいものだ。あのベンチャーズのように。

| コメント (0)

2007年3月21日 (水)

Supertramp

 スーパートランプというプログレッシヴ・ロックのバンドがある。イエスやキング・クリムゾンに比べれば、マイナーではあるが、欧米では結構人気のあるバンドだった。

 このバンドには2人のボーカルがいて、ひとりはキーボードのリック・ディヴィス、もうひとりはギター・キーボード担当のマルチ・ミュージシャンであるロジャー・ホジソンである。

 リックの方はどちらかというと、低音の渋い声でゴスペルやアメリカの南部の音楽、例えばブルースなど、が似合う声質だった。
 ロジャーの方は、高音でハスキー、イエスのジョン・アンダーソンをもう少しピッチ高めに設定したような声だった。

 この2人のどちらかがボーカルをとっている歌は、その人が作曲した歌である。聞いていて非常に分かりやすかった。もちろん掛け合い漫才のように交互に歌う曲もある。それもまた聞いていて、心地よかった。

 彼らの代表作といえば、79年発表の「ブレックファスト・イン・アメリカ」である。これはよく売れた。ジャケットからして自由の女神のパロディであるし、日本ではこのジャケットのおばちゃんの方が先に来日して、キャンペーンを行ったほどであった。

Breakfast in America Music Breakfast in America

アーティスト:Supertramp
販売元:A&M
発売日:2002/06/11
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 プログレであるから、若干長めの曲はあるが、いずれもポップで聞きやすい。売れ線狙いとは少し違う、気品のようなものが漂っていた。日本ではCMにも使用されたので、聞けば分かると思う。

 このアルバムが売れたせいか、その後の作品も同傾向が続き、それはそれなりにヒットしたのだが、ポップ路線に嫌気が差したのか、ロジャーが脱退した。彼の初ソロ作品は、ほとんどすべての楽器を演奏しており、曲数も6曲と少なく、プログレファンには長めの曲が印象的だった。84年発表である。

In the Eye of The Storm Music In the Eye of The Storm

アーティスト:Roger Hodgson
販売元:Universal International
発売日:1990/10/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 一方、リックの方は、グループのリーダーとして、その後もスーパートランプを継続している。結構アルバムを出しているのだが、残念ながら往時のような勢いや人気はない。

 普通こうなると、再結成してツアーに出たり、アルバムを発表したりするのだが、このグループに関しては、そんな話は聞いていない。この2人の確執は、結構深かったのだろうか。できればもう一度見てみたいものだが・・・

 そして個人的に一番好きなアルバムは「・・・蒼い序曲」だった。元々彼らはイギリスのバンドだったのだが、デヴィッド・ボウイのプロデューサーだったケン・スコットの影響で75年頃からアメリカでレコーディングするようになった。

Even in the Quietest Moments Music Even in the Quietest Moments

アーティスト:Supertramp
販売元:A&M
発売日:2002/06/11
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 このアルバムは、77年発表の彼らの通算5枚目で、本格的アメリカ進出後に制作されたものである。全7曲だが、どの曲も捨てがたい。1曲目の「Give a little bit」はロジャーの作品で、彼の弾く12弦ギターが印象的。このアルバムでは交互に歌っているが、4曲目のリックの作品「Downstream」は彼の演奏するピアノ1台をバックに淡々と歌っている。心に染み入る歌とはまさにこのことだと思う。5曲目の「Babaji」はシングル・カットされたそうだが、覚えていない。日本ではヒットしなかったのだろう。

 人によってはB級バンドと思うかもしれないが、私には忘れがたいバンドである。再結成はやっぱり無理なんだろうな・・・

| コメント (0)

2007年3月20日 (火)

カナダ

 今日はカナダについて書こうと思う。といっても別に旅行記やカナダの歴史についてではない。カナダから見たアメリカン・ミュージックというところか。

 一般的に60年代、70年代のミュージシャンで、アメリカ出身のように見えて実は隣国カナダ出身という人orグループは少なくない。
 有名なミュージシャンでは、ジョニ・ミッチェルニール・ヤング、80年代で有名になったブライアン・アダムスなどがいるし、グループでは、ザ・バンドハートマホガニー・ラッシュなどがいる。(*正確に言うと、ザ・バンドのドラマー、リヴォン・ヘルムはアメリカ生まれである)

 ニール・ヤングやジョニ・ミッチェル、バンドなどは、その後のアメリカに根ざした活動歴を見てもわかるように、100%アメリカ人(アメリカのバンド)といっても決して過言でない。カントリーテイストも含みつつ、アメリカやアメリカ人の将来に警告をならしたアルバムもあった。アメリカ人よりもアメリカ人らしい人たちである。

After The Gold Rush Music After The Gold Rush

アーティスト:Neil Young
販売元:Reprise
発売日:1990/10/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ハートやマホガニー・ラッシュもハードロックながら、ポップな味付けを残しており、あの広大な大陸においても売れることを証明した。特にハートは、80年代に入ってアメリカ人のメンバー加入後、爆発的に売れた。

ハート Music ハート

アーティスト:ハート
販売元:東芝EMI
発売日:1999/07/28
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 なぜ、彼らはこのように売れたのだろうか。あるいはアメリカ人だと錯覚されるようなアルバムを残せたのか。
 それは、隣の国だからこそできる、客観的な眼差し、批評性というものがそこにあったからではないだろうか。

The Band Music The Band

アーティスト:The Band
販売元:Emi
発売日:2001/08/20
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ロックとは疾走感や初期衝動に突き動かされて始まっていくものだと思うが、それが永続性を持つためには、批評性が求められる。最初はワン、トゥー、スリーで動き出しても他のものとの比較や自身が批評されなければ、長続きしないものである。

 そういう意味では隣国カナダという立ち居地が、彼らの音楽活動において有効な表現手段の一つになったのだと思う。だからこそ、アメリカ人と間違えられるくらいの批評性に満ちた作品を発表することができたのではないだろうか。

 またカナダは経済的にはアメリカの影響を受けているが、歴史的・文化的にはヨーロッパの影響を色濃く受けている。大雑把に言えば、太平洋側はUKの、大西洋側はフランスの文化圏である。そういうバックグラウンドも備えているので、より対照的にアメリカという国を見つめることができるのであろう。

 恐るべし、カナダである。

| コメント (0)

2007年3月19日 (月)

ストラングラーズ、デビュー30周年

 ストラングラーズが今年でデビュー30周年を迎える。それを記念してかどうかは不明だが、新作「スィート・シックスティーン」が発売された。

 ストラングラーズといえば、セックス・ピストルズクラッシュと並び称されるほどのパンク・バンドだった。結成は74年、デビューが77年。1作目の「夜獣の館」から攻撃的なサウンドで聴くものを圧倒し、2作目「ノー・モア・ヒーローズ」で瞬く間にパンクの頂点を極めた。

ノー・モア・ヒーローズ(紙ジャケット仕様) Music ノー・モア・ヒーローズ(紙ジャケット仕様)

アーティスト:ザ・ストラングラーズ
販売元:東芝EMI
発売日:2006/07/26
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 彼らの特徴は、ジャン・ジャック・バーネルの弾くビンビンのアタックの効いたベースと、音の多いキーボード(オルガン)を演奏するデイヴ・グリーンフィールドの存在である。
 フランス人の血を引くジャン・ジャック・バーネルは、空手を得意とし、三島由紀夫の大ファンでもある。当然のごとく日本びいきで、来日のときは片言の日本語をMCで披露している。当時としては演奏技術も高く、リード・ギターよりも目立っていた記憶がある。

 そして77年当時のパンク・バンドでキーボードを演奏をするメンバーがいるのは他に例を見なかった気がする。しかもこれが異常にうまいのである。
 一般的にパンク・バンドは演奏技術を否定したり、プログレのような長い曲や長いギターソロやドラムソロのあるライヴを嫌悪していた。ストラングラーズも立場的にはそうであったが、演奏面に関しては、他のパンクスよりは圧倒的に上手かった。(やはり有名になったパンク・バンドは技術レベルも高かった。例えば、セックス・ピストルズのギタリスト、スティーヴ・ジョーンズやポリスのメンバー、このストラングラーズなどである)

 このベースとキーボードのレベルに関しては、イエスのクリス・スクワィアやリック・ウェイクマンと決して引けはとらなかった、と当時の自分は思っていたほどだ。それほど目立っていた。
 ちなみにキーボード・プレイヤーのデイヴ・グリーンフィールドはこの当時40歳近くといわれていたから、今年は高齢者の部類に入るのではなかろうか。

 エピック・ソニー時代の彼らは、パンクからポップな音楽性にシフトしてしまった。ロキシー・ミュージックの「アヴァロン」とまではいかないものの、それに近い音楽性だったと思う。もちろんそれはそれでよかったのであるが、妙にエンターテイメントに徹していて、昔からのファンには物足りなかったのではあるまいか。

 それでこの新作を3曲ほど聴いてみたところ、これが非常に良いのである。往年のパンクのエネルギー、疾走感、攻撃性が甦っているのである。アメリカのブッシュ大統領について歌った曲もあるし(もちろん非難しているが)、年老いていく自分たちを歌った曲もある。

SUITE XVI Music SUITE XVI

アーティスト:STRANGLERS
販売元:SIDE OUT RECORDS
発売日:2007/03/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 一家に一枚とまでは言わないけれども、30年来のファンからすれば拍手喝采して迎えられるアルバムに違いない。こういうときに長生きしてよかったと、洋楽ファンである自分をしみじみと寿ぐのである。

| コメント (0)

2007年3月18日 (日)

ラッシュ

 この時期になると思い出すアルバムがある。ちょうど大学入試を受けて合格したあと、入学までの間に買ったアルバムである。それはカナダのロック・グループ、ラッシュ(Rush)の「フェアウェル・トゥ・キングス」である。

 このラッシュというグループは、レッド・ツェッペリンに影響を受けたらしく、ギター、ベース、ドラムスという3人組ながら、骨太の音を出すカナダでは人気グループだった。
 ベースのゲッディ・リーという人はなかなか器用な人で、ライヴではキーボードを弾きながら、足でベース・ペダルを操作していたらしい。またギターのアレックス・ライフソンもギターを弾きながら、同様に足でペダル・シンセサイザーを操作していたという。

 3人組なのだが、このようにライヴでもアルバムと同様の音質を出そうとしていた。でもツェッペリンというよりは、のちのヘヴィーメタル・バンドのような金属的な音に近いと思う。
 ボーカルでベースのゲッディ・リーは、声質がイエスのジョン・アンダーソンに似ており、鶏を絞めたようなヴィブラートの効いた高音が印象的であった。
 また、セカンド・アルバムから参加したドラムス、パーカッションのニール・パートが加入してからは、彼がすべての詩を担当するようになったため、彼の世界観や思想が作詞の面に表れるようになった。
 それで、金属的な音+象徴的な詩≒ツェッペリンという図式ができたのであろうか。しかし4作目の「西暦2112年」は当時のLP片面全部が組曲形式になっており、ツェッペリン+プログレッシヴ・ロックのような観があるアルバムだった。内容もSF作家の小説を元にしたものだったし、これはプログレの手法のひとつでもある。

2112 Music 2112

アーティスト:Rush
販売元:MERCURY
発売日:1997/05/06
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 スタジオアルバムとしては5作目になる「フェアウェル・トゥ・キングス」でもその影響が出ており、1曲目のアルバム名と同名曲は、アコースティック・ギターからハードリフにつながり、最後もアコースティック・ギターで締めるという典型的なパターンを踏んでいた。この曲と2曲目の「ザナドゥ」は10分や11分を越える長い曲である。
 またポップな曲も用意されており、3分少々の「クローサー・トゥ・ザ・ハート」はその後のコンサートの中で常に取り上げられるようになり、聴衆も一緒になってサビの部分を歌うという場面が見られた。
 最後の曲の「シグナスX-1:第1巻航海」はTo be continuedで終わっており、次の作品「神々の戦い」の1曲目とリンクしている。

A Farewell to Kings Music A Farewell to Kings

アーティスト:Rush
販売元:Mercury
発売日:1997/05/06
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ラッシュの大作主義はこの「神々の戦い」で終わり、以降はこういう組曲形式のアルバムは作られなかった。イギリスからのNWOHM(ニュー・ウェイブ・オブ・ヘヴィー・メタル)の影響のせいもあり、またアメリカのジャーニースティックスのような産業ロックというムーヴメントのせいかもしれない。
 しかし、作詞担当のニール・パートが言ったように、一番の原因は彼らが組曲形式の大作主義に疲れたということであろう。

 とにかくジャケット・デザインも素晴らしく、当時の日本では無名に近かったと思うが当時はよく聞いたものだ。この時期になると思い出す1枚である。現在では廃盤状態で輸入盤でないと入手は困難な状況である。できれば2112年の100年少し前記念ということで、紙ジャケで再発してほしいものだ。

 

| コメント (0)

2007年3月17日 (土)

クリムゾンのアイランド

 キング・クリムゾンの名作は、誰がなんと言っても「クリムゾン・キングの宮殿」である。これはビートルズの「アビー・ロード」をアルバムチャート1位から蹴落としたといわれるほどの歴史に残る名作であり、40年近くたった今聞いても決して色あせていないからである。

クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン)(紙ジャケット仕様) Music クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン)(紙ジャケット仕様)

アーティスト:キング・クリムゾン
販売元:WHDエンタテインメント
発売日:2006/02/22
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 キング・クリムゾンはメンバーチェンジが多く、特に70年代のクリムゾンは、アルバムごとにメンバーが変わっていた。
 それで今回はその70年代クリムゾンの中で、妙に気になる1枚について述べたい。それは4作目の「アイランズ」である。

 個人的には70年代のクリムゾンの名盤は、「クリムゾン・キングの宮殿」と1回目の解散時に出された「レッド」だと思う。「レッド」は緊張感と叙情性が絶妙にブレンドされており、解散を意識したそれぞれのプレイヤーが臨界点(レッドゾーン)まで最大限の技量を表している点が素晴らしいと思う。

レッド(紙ジャケット仕様) Music レッド(紙ジャケット仕様)

アーティスト:キング・クリムゾン
販売元:WHDエンタテインメント
発売日:2006/02/22
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 しかし、やはり「アイランズ」が気になるのである。キング・クリムゾンに詳しい人なら分かると思うのだが、このアルバムはリズム・セクションの2名をあらたにメンバーに迎え入れて制作された。特にベースのボズ・バレルはまったくの素人で、ギターのロバート・フリップから2ヶ月間みっちり訓練を受けて、弾きはじめたのである。またドラムのイアン・ウォーレスは、ドラムのテクニック的には問題ないが、元々ヴォーカリストとしてオーディションを受けに来たそうである。(このアルバムにある「レディズ・オブ・ザ・ロード」は彼の歌声がフィーチャーされている)

 そのせいか、それまでの前2作ではジャズよりの即興演奏主体であった音作りが、テクニック的な問題かどうかは不明であるが、ソフトな、まるでジャケットにある星座のように、叙情的な部分が表立っているように思えるからだ。
 特にボズの歌をフィーチャーした1曲目の「フォーメンテラ・レディ」3曲目の「ザ・レターズ」は深遠である。特に「ザ・レターズ」の後半は彼の歌だけでもっているようなものである。よくリーダーのロバート・フリップが許したなあと思う。

 また、最後の「アイランズ」はもう涙ものである。この1曲だけでもこのアルバムを買う価値はある。それまで確かに「エピタフ」や「ポセイドンのめざめ」など歌謡曲的なサビを持った曲はあったが、この曲には盛り上げようとする意思はない。その代わりにあるのは淡々としたオーケストレーションと寂寥感である。

アイランズ(紙ジャケット仕様) Music アイランズ(紙ジャケット仕様)

アーティスト:キング・クリムゾン
販売元:WHDエンタテインメント
発売日:2006/02/22
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 このような叙情性やそれまでにないポップ性、聞きやすさ等があるからか、また突然変異のようにクリムゾンの歴史の中で肌合いが違うアルバムがあらわれたせいであろうか、妙にこのアルバムが気にかかるのである。

 この後クリムゾンというかロバート・フリップは、またインプロビゼーションを求めてメンバー探しをし、即興性、緊張感、荒涼感あふれたアルバムつくりを始めるのであるが、この「アイランド」のようなアルバムは二度と現れてはいない。たぶん今後も現れないであろう。
 今年中には新作が発表されるというキング・クリムゾンであるが、メンバーが誰になってもロバート・フリップがいる限りは、即興性と芸術性の止揚を目指してアルバム作りが行われるであろう。プログレッシブ・ロックはキング・クリムゾンで始まり、キング・クリムゾンで終わるのである。

 

| コメント (0)

2007年3月15日 (木)

江戸川乱歩賞

 人間年をとると、歴史小説や推理小説を読むようになるといわれるが、確かに最近は「キュリー夫人」「ベートーベン」「野口英世」などの伝記小説は読んでいない。

 確かに推理小説は、ある事件が起き、謎があり、それが展開して最終的に解決するという流れがあるし、それなりにカタルシスも味わえるので、私のような年寄りには安心して読める。また、謎解きの要素もあるので、脳の活性化にもなり、ボケ防止に役立つという効能もあるのかもしれない。

 それで江戸川乱歩賞である。これは日本の推理小説界の草分け的存在である江戸川乱歩(江戸川コナンのおじいちゃんではありません!あれは金田一耕介です?)の名を冠した偉大な賞なのである。
 その年に発表された推理小説の中から選ばれ、江戸川乱歩のブロンズ像までもらえるのである。受賞した作家はその後の栄光が約束されたのも同然であり、受賞作品の出版化はもちろん、映像化まで約束されるという。

 最近読んだ本では、第41回受賞作「テロリストのパラソル」第42回「左手に告げることなかれ」第47回「13階段」が秀逸だと思った。
 「テロリストのパラソル」は全共闘時代のその後が描写されており、いまの団塊の世代には受けたのではないかと思う。短い文を畳み掛けるように書き連ねており、日本的情緒とはかけ離れたアメリカ的なハードボイルド作品だと思う。史上初の乱歩賞と第114回直木賞のW受賞をした作品でもある。

テロリストのパラソル Book テロリストのパラソル

著者:藤原 伊織
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 「左手に告げることなかれ」は万引きGメン保安士の実態やコンビニ経営の裏側が描かれているし、「13階段」では刑を執行する側の刑務官の様子や苦悩、死刑制度や刑罰の意義など今日的話題が克明に描写されており、非常に興味深かった。
13階段 Book 13階段

著者:高野 和明
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 このように優れたミステリーとは、謎解きの要素やサスペンスに満ちた描写も大事ではあるが、副産物としての普段窺うことのできない世界を垣間見させてくれることも重要な要素のひとつではないだろうか。

 第43回の「破線のマリス」はTV業界の視聴率競争の実態を描いて作品であるし、だいたいこの90年代半ばから2000年代最初までは、日本の経済は氷河期だったが、推理小説界では黄金期だったように思える。

 ちなみに江戸川乱歩賞の副賞は賞金1千万円だそうだ。私のような貧乏人には何ともうらやましい話であるが、この1千万円をめぐって事件が起きるとか、乱歩のブロンズ像で殴打して人を殺すといった推理小説が出て乱歩賞を受賞しないかなあと、凡人は思ったりする。不謹慎だろうか・・・

| コメント (0)

2007年3月14日 (水)

スーパー・バンド

 エイジアが来日した。3月4日から11日までだったというから、約1週間である。今回はオリジナル・メンバーでの来日になったそうだが、そうであればきっと盛り上がったことだろう。

 エイジアは当時(1984年)スーパー・バンドと言われた。スーパー・バンドとは有名人で構成されたバンドのことで、野球にたとえるとオールスターである。歌番組にたとえると紅白歌合戦で、ドラッグにたとえると、井上陽水や長渕 剛、清水健太郎、槇原などで構成されたといえばわかりやすいだろう!?

 もともとは1960年代末に流行した言葉で、当時の代表的なグループのブラインド・フェイスはエリック・クラプトンやスティーヴ・ウィンウッドなどで、EL&Pはキース・エマーソン、グレッグ・レイク、カール・パーマーで、CSN&Yはデヴィッド・クロスビー、スティーヴン・スティルス、グラハム・ナッシュ、ニール・ヤングで、構成されていた。

スーパー・ジャイアンツ Music スーパー・ジャイアンツ

アーティスト:ブラインド・フェイス
販売元:ユニバーサルインターナショナル
発売日:2006/06/21
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ELP四部作 Music ELP四部作

アーティスト:エマーソン・レイク&パーマー
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:1999/07/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 それでエイジアである。これはギターに元イエスのスティーヴ・ハウ、ベースに元キング・クリムゾンのジョン・ウェットン、ドラムスに元EL&Pのカール・パーマー、キーボードに元バグルス~イエスのジェフ・ダウンズで構成されていた。いずれも実力、名声ともに兼ね備えた名うてのメンツであった。おまけにプロデューサーはトレバー・ホーン(元バグルス~イエス)である。

 メンツからして、コテコテのプログレッシブ・ロック、1曲あたり10分近くあるような曲のオンパレードかと思ったら、何と4分近くのポップで耳障りのいい曲ばかりで、びっくりしたことを覚えている。これで売れないわけがない。デビュー・アルバムは、全世界でトータル一千万枚近くも売れたというからびっくりである。

詠時感〜時へのロマン Music 詠時感〜時へのロマン

アーティスト:エイジア
販売元:ユニバーサルインターナショナル
発売日:1995/10/04
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 しかし、最近のPVでは、ジョン・ウェットンやジェフ・ダウンズはぶくぶくと太ってしまい、スティーヴ・ハウはトレード・マークの長髪も干し昆布のようになってしまった。唯一、カール・パーマーだけが現役当時の姿に近いといえる。やはりよる年波には勝てないようだ。

 しかし歴史上、一番のスーパー・バンドは、やっぱりザ・ビートルズではないだろうか。
 

| コメント (0)

2007年3月13日 (火)

僕が64歳になったら・・・

 ポール・マッカートニーと妻ヘザーの離婚調停が成立した。和解金(慰謝料)は、日本円にして約66億円らしい。さすが天下のポール・マッカートニーである。

 ポールは1969年にアメリカ人であるリンダ・イーストマンと結婚した。彼女は当時写真家だったが、父親は弁護士でイーストマン・コダック社つまり、フィルムのコダック社は彼女の親戚筋に当たるらしい。だから写真家になったのだろうか。もちろん使うフィルムは、まちがってもフジ・フィルムではないけれど・・・

 リンダは41年生まれで、ポールは42年生まれだからリンダの方が1歳年上である。そのせいかどうかわからないが、ポールはリンダにラブラブだった。70年に発表した初めてのソロアルバム「マッカートニー」では、1曲目に「ラヴリー・リンダ」という曲をもってきている。

 当時はビートルズを解散させたのはポールのせいだとか、ジョンの方がポールよりも率直に自分を語っているとか、平和運動の闘士であるとか様々な非難中傷が巻き起こっていた。そんな中をポールは愛妻リンダを支えとしながら制作したのがこのアルバムである。今で言うところの宅録、自宅録音であるが、4トラック・レコーダーで録音されたこのアルバムは当時の荒涼としたポールの心象風景を映し出しているのかもしれない。

McCartney Music McCartney

アーティスト:Paul McCartney
販売元:EMI
発売日:1990/10/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ところでリンダは再婚で、ポールは初婚だった。リンダには奇しくもヘザーという名前の連れ子がいた。2001年に発表された「ドライヴィング・レイン」には「ヘザー」という曲があるが、これはリンダの連れ子のヘザーではなく、当時付き合っていて後に結婚したヘザー・ミルズのことを歌ったものである。奇妙な偶然である。

  その公私ともにいつもそばにいたリンダは乳癌になり、1998年に死亡した。ポールは2002年にヘザーと結婚し、翌年女の子までもうけたが、06年には別居し、離婚してしまった。天国のリンダはどう思っているのだろうか。

 1967年に発表されたビートルズの「サージャント・ペパーズ」にはポールの作った「When I'm sixty-four」という曲があり、そこにはこう歌われている。

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド Music サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド

アーティスト:ザ・ビートルズ
販売元:東芝EMI
発売日:1998/03/11
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 「僕が年を取って 髪の毛が抜けていっても、
 まだ僕にヴァレンタインのカードや誕生日のカードやワインを送ってくれるかい?
 まだ僕を必要としているかい、まだ僕を養ってくれるかい、僕が64歳になっても・・・
 もし君が必要というなら、ずっと君のそばにいてあげられるよ、
 僕が64歳になったら・・・」

 ちなみにポールはまだ64歳である。残念ながらこの歌のようにはならなかったようだ。

| コメント (1)

2007年3月12日 (月)

Nice View

 どうしてイギリスの音楽シーンは、こんなにも回転が速いのだろうか。次から次へと猫の目のように、新人バンドが出てきている。
 最近ではスコットランド出身の4人組The View(ザ・ビュー)がいる。昨年デビューした彼らであるが、平均年齢18歳このバンドは、シングル3枚連続No.1、アルバムも全英No.1を記録した。

ハッツ・オフ・トゥ・ザ・バスカーズ(期間限定) Music ハッツ・オフ・トゥ・ザ・バスカーズ(期間限定)

アーティスト:ザ・ビュー
販売元:BMG JAPAN
発売日:2007/02/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 音の感触としては、新人の頃のローリング・ストーンズ+ビートルズ的な、意外とオールド・スクールな感じである。ときおり表れるポップなメロディが彼らの才能を示しているし、何より疾走感やロックの持つ衝動性がみずみずしくてよい。

 確かに曲によっては、あっというまに、何も考えずにできたという感触を持たせるものもあるが、それを補ってあまりあるメロディやエネルギーに満ちているといえるだろう。
 アルバム中の「ウェイステッド・リトル・DJ's」「クラウディア」などは何度聞いてもいい。人をひきつけるアトモスフィアがある。

 大げさに言えば、第2のオアシスになる可能性も秘めているといえるだろう。あとはもう少しじっくりとアルバムつくりをやれば、歴史的名盤も生まれるかもしれない。有能なプロデューサーしだいのような気もする。

 自分は聞いた音しか信用しないが、久々に聞いたGood rock'n'rollである。いまなら期間限定のプライスだし、5月には早々と来日も果す。東京、名古屋、大阪とライヴをこなすようだ。ちなみにマイ・ケミカル・ロマンスも同時期に来日する。日本はライヴ天国のようだ。都会がうらやましい。


2007年3月11日 (日)

ガンズン復活!?

 マイケルの40万円チケットにもびっくりしたけど、何とまあ、あのアメリカのロックバンド、ガンズ&ローゼズがアルバムを出し、しかもジャパン・ツアーまで行うという話を聞いたときには、超びっくりした。

 実際、昨年の11月にはニューヨークのマジソン・スクエァ・ガーデンでコンサートまでやっているのだから、今回のジャパン・ツアーの実現性は高いといえる。
 しかし、である。ガンズンというかボーカルのアクセル・ローズは出す出すと言いながら、13年近くもニュー・アルバムは出なかったのである。タイトルは昔から「チャイニーズ・デモクラシー」と決まってはいるのだが、来月は出るとか、来年中は出るとかいいながら、もう13年である。史上最長のまたされたアルバムではなかろうか。

 決してアクセルを疑うわけではないのだが、もし、万一、ひょっとしてということもある。他のバンドでも日本公演決定後に、キャンセルという話はよくあることだし、アクセル自身も2002年に全米公演中止を行っているし、ファン心理としてはまだまだビミョウといったほうが適切なのかもしれない。

 自分はデビューアルバムからの初期4枚を持っているが、グラマラスなイメージをもつ古典的なハードロック・バンドという印象が強く、80年代当時としては逆にそれが新鮮に映ったものだった。またターミネーター2の主題歌まで歌うし、2枚同時にアルバムを発表するなど、人気実力ともにトップ・バンドだった。

Appetite for Destruction Music Appetite for Destruction

アーティスト:Guns N' Roses
販売元:Geffen
発売日:1990/10/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 しかし、メンバー間のわだかまりやドラッグ問題などで、結局オリジナル・メンバーはアクセル一人になってしまったのは残念なことだ。途中でバケットヘッドなるミュージシャンがギターに参加して、そのままロック・イン・リオにも参加したりしたが、今回の来日公演のメンバーはどうなのだろうか。ちなみに公演日程は4/14~4/22である。

バケットヘッド・ランド Music バケットヘッド・ランド

アーティスト:バケットヘッド
販売元:ディウレコード
発売日:1993/02/05
Amazon.co.jpで詳細を確認する

(頭にケンタッキーフライドチキンの入れ物をかぶったバカテク・ミュージシャンだった。今ごろ何をしているのだろうか?)

 

 

| コメント (0)

2007年3月10日 (土)

トータル・アルバム(その2)

 またトータル・アルバムのことだが、これもアメリカのグループでマイ・ケミカル・ロマンスというのがいる。昨年の終わりに出たアルバム「ザ・ブラック・パレード」もどちらかというとトータル・アルバムの部類に入るらしい。

ザ・ブラック・パレード(初回限定盤) Music ザ・ブラック・パレード(初回限定盤)

アーティスト:マイ・ケミカル・ロマンス
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2006/12/06
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 彼らは、グリーン・デイの「アメリカン・イディオット」を参考にしていると公言しているし、クィーンのファンだとも言っているので、やはり前述のアルバムもトータル・アルバムのだと考えられる。
 1月の来日公演時でのインタビューでは、このアルバムは死への執着や自己嫌悪を意味しているというようなことを言っていた。また、音楽を通して人を救うという希望も込めているということも述べていた。死を通してその対称に位置する生を描こうとする彼らの意図が込められているのだろう。「まず臨終のことを習いて、他事を習うべし」という碩学の言葉があるが、たぶんそういうことなのだろう。

 しかし、最近はイギリスよりもアメリカの方でこのトータル・アルバムがよく見られる。元来イギリス生まれのトータル・アルバムだが、イギリスは毎年新人バンドが数多く出てくるし、流行の回転が早いから、トータル・アルバムを作る余裕もないのだろう。
 その点、アメリカは少し売れるとMTVなどの表現手段もあるし、音楽のストリームもいろいろ分かれているので、作りやすいのだろうか。

 とにかくまた新しいトータル・アルバムの出現を期待するものである。

 

| コメント (0)

ザ・フォーマット

 別の商品の宣伝をするわけではないのだが、先日、パイロゲンという飲み物のことを聞いた。飲み水というか健康飲料水の一種である。基本的には酢を中心にした飲み物のようであるが、モンドセレクションでも金賞を取ったというし、昨年の名古屋万博でも評判のようだったし、けっこう世間では有名なのかもしれない。

 もともとは植物の成長について研究していた植物園の人が、偶然に開発した飲料水らしい。これを使用すると、植物は長持ちするし、排水は綺麗になるし、植物にもいいなら人間にもいいだろうと、人に飲ませたところ、お肌は生き生き、健康にもいいという素晴らしい飲み物らしい。

 気になるお値段は、900mlで1750円、それの6本入りが10200円ということでインターネットの通販でも販売している。誰かこれを飲んで本当に効いたかレポートしてほしいものだ。

 さて、植物の成長で思いだしたが、植物に音楽を聞かせると成長にもいいというのは、かなり以前からも紹介されている。やはりモーツァルトがいいらしいのだが、ロック音楽やベートーベンはダメらしい。植物といえどもやはり繊細なのだろうか。

 それで最近は、ザ・フォーマットの「ドッグズ・プロブレム」をよく聞いている。アメリカのグループなのだが、内容はポップ・ミュージックのお手本のようである。何しろプロデューサーが元レッド・クロスのメンバーだった人なので、内容もその延長線にあるような気がする。
 要するにビーチ・ボーイズラズベリーズブレッドのようなアメリカン・ポップ・ミュージックの伝統を受け継ぐようなグループである。

Dog Problems Dog Problems

アーティスト:The Format
販売元:The Vanity Label
発売日:2006/07/11
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 じっくり聞けば、もっと良いところが分かるのかもしれない。もう春だし、今頃の時期にはちょうどいい音ではないだろうか。

| コメント (0)

2007年3月 8日 (木)

What's Michael?

  マイケル・ジャクソンが来日しているらしい。本当は昨年のクリスマス・シーズンのディナー・ショーに参加予定だったのが、裁判の和解が長引いたのか、自宅の遊園地の売却問題のせいか、定かではないが年をあけての来日になった。1回のディナーが数十万円というからさすが世界のマイケルである。

 このマイケル・ジャクソン1958年生まれというから、今年で49歳。来年になると半世紀生きたことになる。
 もともとジャクソン5という兄弟グループにいたが、1972年に「ベンのテーマ」という病弱な少年と殺人集団のリーダーであるネズミのベンとの交流を描いた映画の主題歌でビルボードNo.1を記録した。当時のマイケルは14歳。ちょうど日本のフィンガー5を想像すればわかりやすいと思う。

ベンのテーマ ~ベスト・オブ・マイケル・ジャクソン Music ベンのテーマ ~ベスト・オブ・マイケル・ジャクソン

アーティスト:マイケル・ジャクソン,ジャクソン5
販売元:ユニバーサルミュージック
発売日:2005/05/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 それ以降、敏腕プロデューサーのクインシー・ジョーンズと組んで、彼の黄金期を築き上げた。特にアルバム「スリラー」は全世界で4000万枚以上の売り上げを記録し、この著作権だけでも十分な財産になるはず。おそらく一生食いっぱぐれがないのは間違いない。

Thriller Music Thriller

アーティスト:Michael Jackson
販売元:Epic
発売日:1999/11/23
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 また、次のアルバム「BAD」からも4曲連続No.1ヒットを生み出し、80年代最も売れたミュージシャンのひとりにもなった。
 「スリラー」の頃のマイケルは、まだまだ黒人という印象があったが、「BAD」の頃になるとかなり白人に近づいてきたように思う。これは、人種差別なんか意味がない、人間は黒人にも白人にもなれるんだという、彼の主張を実行にうつしているだけなのだが、どうみてもお金持ちしか許されない道楽にしか見えないのは、私だけでしょうか。

Bad Music Bad

アーティスト:Michael Jackson
販売元:Epic
発売日:2004/05/17
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 しかしブラック・ミュージックにラップ・ミュージックの巨大な波が押し寄せたからか、さすがのマイケルも90年代半ばから下降線をたどるようになった。最近ではエミネムからもプロモーション・ビデオの中で、鼻の取れた人として揶揄されるようにもなってきた。

 頑張れ、マイケル。もう一度ビートの効いたメロディを復活させて、21世紀にも通用するところを見せてもらいたい。いまの彼の勇姿をもう一度ナマで拝みたいものである。

| コメント (0)

2007年3月 7日 (水)

ホラー映画とロック

  この前「エクソシスト・ビギニング」という映画のクレジットを見ていたら、音楽担当が何とあのトレバー・ラビンだった。知ってる人は知っている知らない人は誰も知らないと思うが、この人はイギリスのプログレッシヴ・ロックであるイエスにギター、作曲、ボーカルとして在籍していて、いわゆる1984年頃に9012イエスと言われ、それまでのイエスと別口扱いされていたあのイエスにいた人である。

9012ライヴ DVD 9012ライヴ

販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2006/03/08
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 このトレバー・ラビンという人は、南アフリカ出身でラビットという日本ではアイドル・グループ扱いされていたバンドの中心メンバーだったが、昔からハンサムで、若くて才能あふれていた人だった。この人のおかげでイエスは初めての全米No.1ヒット「ロンリーハート」を出すことができたのだ。いわゆるイエス中興の祖である。

 そんな人がホラー映画のスコアを書くとはなかなか興味深い。もともとプログレ界の人で、ホラーを担当する人は結構多く、有名なところでは映画「サスペリア」の音楽を担当したイタリアのゴブリンや、「エクソシスト」のテーマ音楽に使用されたマイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」などがある。後者の「チューブラーベルズ」は、世界的に売れたおかげで、発売元のレコード会社ヴァージンは世界トップの企業になってしまった。社長のリチャードさんは、ヴァージンメガストアというCDショップチェーン店を売却して、イギリスの航空会社を購入し、その会社の社長になったというオマケまでついてしまった。

チューブラー・ベルズ Music チューブラー・ベルズ

アーティスト:マイク・オールドフィールド
販売元:東芝EMI
発売日:2003/11/19
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 その他には、E、L&Pのキーボーディストのキース・エマーソンは、イタリア映画「インフェルノ」を、さっき出たイエスのキーボーディストのリック・ウェイクマンは、首斬り版ジェイソンの観がある「バーニング」の映画音楽を書いていた。こうやってみるとプログレ系バンド(特にキーボーディスト)とホラー映画は深いつながりがあるようである。

 追記:ホラーとは関係ないけど、キース・エマーソンはゴジラの映画音楽も担当していた。確か「ゴジラ・ファイナル・ウォーズ」だったと思う。もし間違っていたらゴメンナサイ。

 

| コメント (0)

2007年3月 6日 (火)

トータル・アルバム

 ビートルズのアルバム「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Band」以降、アルバム1枚でアーティストの音楽や思想を反映させたアルバム作り、いわゆるトータル・アルバム、コンセプト・アルバムなどが発表されるようになった。例えば、ザ・フーの「四重人格」「トミー」、プリティ・シングスの「SFソロウ」など、ゾンビーズやホリーズなどのいわゆるビート・グループまでもが作り始めた。

 その流れがやがてはプログレッシブ・ロックへとつながっていき、ムーディ・ブルースやキャラヴァン、イエス、ピンク・フロイドなどが盛んに発表するようになった。これを語り始めると延々とだらだら書き連ねてしまうので、次の機会にゆずりたい。

 それで、70年代末のパンク以降、最近はトンとそんなアルバムは見なくなったなあと思っていたら、でましたグリーン・ディの「アメリカン・イデォット」は素晴らしいコンセプト・アルバムだと思った。まさにイラク戦争の真っ只中に作られたこのアルバムは、反ブッシュ、反権力に彩られた、ストーリー性のあるアルバムである。一家に一枚とはまさにこのことであると思う。

アメリカン・イディオット Music アメリカン・イディオット

アーティスト:グリーン・デイ
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2004/09/23
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 また最近購入したアルバムで、(といっても発表されたのは2005年だが)アメリカのバンドでメイの「The Everglow」は素晴らしかった。ひとりの少年の成長を描いたものだが、どの曲も聴きやすく、かつエモーショナルでメロディアスであった。グリーン・ディのような疾走感や緩急のつくりは見られないが、なかなかの好盤である。全体としては少し単調な部分はあるものの、少女のモノローグで始まり終わるというよく練られたつくりでとても好感が持てた。

 ラップ・ミュージックが幅を利かせているなか、こういうグループにも頑張ってもらいたいと思う。

The Everglow Music The Everglow

アーティスト:Mae
販売元:Tooth & Nail
発売日:2005/03/29
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| コメント (0)

2007年3月 5日 (月)

蒼穹の昴

 最近読んだ本に浅田次郎の「蒼穹の昴」がある文庫本で全4冊、結構な分量である。内容はというと、中国清の末、西太后の治世の人物群像を描いたもので、イギリスやドイツなど西洋列強諸国から国土を蝕まれながら、それに対峙する中国の人たちを史実を織り交ぜながら描いているところが感動的であった。

蒼穹の昴(1) Book 蒼穹の昴(1)

著者:浅田 次郎
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 どこからが実話でどこからがフィクションなのかよく分からない。よく分からないところが小説の持つ面白さなのだろう。でも歴史小説で難しいところは、史実を曲げられないところである。その史実に合うように、ストーリー展開をしないといけないところに作者の力量が問われる点である。

 その点、浅田次郎は稀代のストーリーテラーである。科挙の制度や当時の宮廷の様子などを詳細に、また市井の人々から貴族社会まで生き生きと描写しているところはさすが直木賞作家である。

でも初めて読んだ浅田次郎の本は「日輪の遺産」である。インパクトの強さから言うと、個人的にはこちらの方が感動的であった。ミステリー的な要素や最後のエピソードの悲劇性など感涙にむせぶとはまさにこのことだと思う。この人の要素はドラマ性、悲劇性、感動性などで成り立っていると思うけど、これらが違和感なく醸し出されているのは「日輪の遺産」だったように思う。

日輪の遺産 Book 日輪の遺産

著者:浅田 次郎
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| コメント (0)

2007年3月 4日 (日)

ポリス復活

 またグラミー賞の話になるけど、今年のオープニングはポリスの再結成コンサートでした。(昨年はゴリラズとマドンナだった)何しろ23年ぶり、あのポリスの再結成ということで、欧米ではかなり話題になっているらしい。賞の翌日くらいからウィスキー・アー・ゴーゴーで早速ライヴも行ったらしい。

グレイテスト・ヒッツ Music グレイテスト・ヒッツ

アーティスト:ポリス,ザ・ポリス
販売元:ユニバーサルインターナショナル
発売日:2006/01/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ポリスといえば、知的なバンドという印象が強い。ベースのスティングはジャズ・バンド、ギターのアンディ・サマーズはソフトマシーンというプログレ・バンドでテクを身につけていた。そういうバカテクを持ちながらも、デビュー当時はパンク/ニュー・ウェイヴバンドのひとつとしてうまく時流に乗ったような気がする。身だしなみも小汚くて、髪型もどちらかというと短かったし、どう見てもツェッペリン並みの音楽性を持ちながらも、出す音は短く、メリハリの聴いた白人レゲエ&ロック・バンドのような感じだった。

 そういう意味でやり方がクールというか、商売上手という感じが知的なバンドという印象を与えたのだろうか。歌ってる内容も詩的で他のバンドのようなただ単に欲求不満をぶつけるような内容ではなかったし・・・

 彼らは5年間で5枚の公式アルバムを発表したけど、一番好きなのはセカンドの「白いレガッタ」だった。この中の「孤独のメッセージ」はよかった。孤島に取り残された男がSOSのメッセージをビンに入れて海に流す内容だが、当時はこれは若者の孤立感や世代の断絶を歌っている内容だといわれたものだ。本当のところは果たしてどうなのだろうか?

白いレガッタ Music 白いレガッタ

アーティスト:ポリス,ザ・ポリス
販売元:ユニバーサルインターナショナル
発売日:2006/11/22
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 それ以外にも「ドゥドゥドゥ・デ・ダ・ダ・ダ」は日本語バージョンが発売され、当然のことながら日本では大ヒットしてTV番組にも出演して歌ったし、「見つめていたい」はビルボードで8週連続No.1を記録し、世界中でヒットした。今でもときおりTVCMで流れているので、聞けば、あの歌だなぁと分かると思う。

 そして彼らが解散した理由は、ミュージシャン間のエゴが原因だと言われている。メンバーそれぞれがそれなりのキャリアと実力のあるミュージシャンだったので、結構激しい軋轢があったのだと思う。インタビュー中にも口論になって止めるのが大変だったというのは有名な話である。
 ともあれ、北米ツアー後には日本公演も予定されるかもしれないといわれているが、ツアー途中で解散しないように頑張ってほしいものである。

| コメント (0)

2007年3月 3日 (土)

  今年のグラミー賞は、ディキシー・チックスが最優秀アルバム賞等を受賞しました。テイキング・ザ・ロング・ウェイ このディキシー・チックス、過去のアルバムのジャケット写真を見ると、アイドル・ガールズ・カントリーバンドのような観があります。でも例のブッシュ発言以来、一貫してロック畑を進んでいるような気がします。その彼女たちのカバー曲に「ランドスライド」という曲があります。これは、フリートウッド・マックのアルバム「ファンタステック・マック」の中のスティーヴィー・ニックスの曲でした。

 スティーヴィー・ニックスはいま何歳なのでしょうか?噂では60歳以上といわれていますが、よくわかりません。50歳を越えていることは間違いないでしょう。
 先日NHKで2002年のライヴ映像が放映されていましたが、顔立ちは昔の面影がありましたが、ちょっとひいてしまう動きでした。

 ともかく、このフリートウッド・マックというバンドは、60年代から活躍するイギリスのブルース・バンドでした。

Then Play On Music Then Play On

アーティスト:Fleetwood Mac
販売元:Reprise
発売日:1990/10/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

サンタナの「ブラック・マジック・ウーマン」も元はフリートウッド・マックの曲でした。彼らはメンバー・チェンジを繰り返しながら、70年代の半ばにアメリカ人のリンジー・ガッキンガム&ステーヴィー・ニックスのデュオを引き入れます。当時はバッキンガム・ニックスという名前で活躍していました。
ファンタスティック・マック(リマスター&ボーナス・トラック・エディション) Music ファンタスティック・マック(リマスター&ボーナス・トラック・エディション)

アーティスト:フリートウッド・マック
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2004/06/23
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 そしてこの2人を迎えてから、彼らはワールドワイドな人気を獲得するようになりました。そして彼らの名盤は「ファンタステック・マック」と「」(1977年)だと思います。当時グループ内には3人のソングライターがいて、バッキンガムはハードなギタープレイ(ピックなしで弾く、カントリー的な要素もある)を身上とし、スティーヴィーはカントリーロック的な音楽を、キーボード・プレイヤーのクリスティーン・マクヴィーはポップな面を強調した曲作りをしていました。だから曲調が偏ることは無く、バラエティー豊かなポップ・ロック・アルバムになったのでしょう。本当に全世界的に売れました。

 でもグループの中はバラバラ、グチャグチャで、渡辺淳一的世界が展開していました。まず同棲までしていたスティーヴィーとリンジーは破局を向かえ、クリスティーンとベースのジョンは離婚していました。その後、スティーヴィーは数多くの男性と浮名を流すことになります。ドラムのミック・フリートウッドとも関係を持ったといいますから、ほとんど病気のようなものです。それでも現在も活動を続けているのですから、やはりアメリカ人やイギリス人は合理的な価値観を持っているのでしょう。日本なら安室奈美恵とSAMが今でもチームを組んでいるようなものです。

 というわけで、この2枚のアルバムは当時のメンバー間の軋轢を感じさせない名盤です。でも、詩をよくよく見ると、微妙な関係が歌われていたり、暗示させられたりしていて、おもしろいです。特にリンジーとスティヴィーの作った曲は、お互いのことを言っているようで、例えようもない面白さがあります。ぜひ一聴をお勧めします。

噂(リマスター&ボーナス・ディスク・エディション) Music 噂(リマスター&ボーナス・ディスク・エディション)

アーティスト:フリートウッド・マック
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2004/06/23
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| コメント (0)

トップページ | 2007年4月 »