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2007年3月24日 (土)

ダミアン・ライス

 最近のSSW(singer-song writer以下SSWと略す)は、イギリスのジェームズ・ブラントやカナダのダニエル・パウダーなど、ポップで売れ線狙いの人が多いような気がする。

 それはそれでいいことなのだけど、あまりにも大衆路線で行くと、やがてはエルトン・ジョンのように嬉々として勲章をもらったり、ビリー・ジョエルのようにエンターティナーとしてラスベガスでショーをするようになる気がするのである。

 もちろん、それはそれでいいのだけれど、やはり70年代四畳半フォーク経験者としては、something unusualに思えてならない。

  そこで紹介するのが、アイルランド出身のSSW、ダミアン・ライスである。アイルランドといえば、U2ヴァン・モリソンロリー・ギャラガーシン・リジーのフィル・ライノットなど多数いるが、ダミアン・ライスはイギリスのニック・ドレイクに雰囲気が似ているようだ。

 最新作の「9」を聞くと、その魂の叫びのような情熱やろうそくの炎が舞うような静謐さなどを体験することができる。今まで久しく忘れていた感情が喚起されるのである。

9 Music 9

アーティスト:ダミアン・ライス
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
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 曲によっては、ギター1本、ピアノ1台で切々と歌うものもあるし、ブルース・スプリングスティーンのバラードのように、徐々に盛り上げていくタイプの曲もある。アカペラもあれば、もちろんバンド形式の曲もある。
 本来のSSWからすれば、種々雑多のように思えるかもしれないが、アルバムを貫く統一感があるのである。それは、人生における悲喜劇、孤独、恋愛であり、それを感情込めて歌う彼の歌声である。

 彼は、根っからのマスコミ嫌い、取材嫌いらしく、このアルバムのプロモーションも一切行っていない。したがって、雑誌などで彼の顔写真やプロフィール、アルバム情報を知る機会は極めて少ない。残念なことである。

 ファースト・アルバム「O」のライナー・ノーツによると、彼は今年で33歳。2001年にデヴューし、これがアイルランドで大ヒットし、その人気がイギリス、ヨーロッパにも広がった。そして映画の挿入歌にも使われるようになり、アメリカでもじわじわと名前が浸透するようになった。

O(オー) Music O(オー)

アーティスト:ダミアン・ライス
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2005/04/13
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 しかし、それでも取材は受けないのである。受ければおそらくもっと売れるであろうに。

 そういえば、レナード・コーエンにも似ているなあ。
 

  

 


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