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2007年6月

2007年6月28日 (木)

ペンドラゴン

 ペンドラゴンほどその華麗なる音楽性に反して、過小評価されているグループも珍しいと思う。アルバムを聞くと、結構どころかかなりの水準に達する音楽性を内蔵しているにもかかわらず、イマイチパッとしないのである。

 本国イギリスではどうか分からないが、ここ日本ではアルバム評価も低いし、プログレ専門誌以外では、話題にものぼらない。当然のことながら、年間ベストアルバム100等とは無縁である。

 もともと80年代に入って、NWOHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ヘヴィ・メタル)ムーブメントに付属するように、プログレッシヴ・ロックの革新運動、いわゆるポンプ・ロックというのが流行った。
 革新運動といっても、70年代のプログレの後追いというか、フォロワーというか、演奏楽器は大きく発達したので、ハードの部分では革新的でもソフトの部分、いわゆる音楽の内面、精神性に関してはあまり変化は見られないのである。

 ましてやマスコミに踊らされるかのように、パンクのあとの一時のブームとして終わってしまった。その中でいまだに現役として活躍しているのが、マリリオンであり、このペンドラゴンなのである。

 このグループのリーダーは、ギタリストでボーカルのニック・バレットである。初期のアルバムを聞くとキャメルジェネシスを掛け合わせたような音を出していた。ギターがキャメルのアンディ・ラテマーのように非常に艶のある音を出していて、それにキーボードがかぶさり、ジェネシスのような緩急つけた曲展開が見られる。

 一般的には91年発表のサード・アルバムの「ザ・ワールド」が名盤とみなされているが、確かにそういわれる音作りである。リズム陣も頑張っていて、ロックのダイナニズムが感じられるのである。

World Music World

アーティスト:Pendragon
販売元:Toff
発売日:2000/10/02
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 この頃からジャケットのアートワークも含めて、いわゆるトータル・アルバムとしての曲作りが見られるようになった。ジャケットはイエスにとってのロジャー・ディーンのような存在であるサイモン・ウィリアムスという人がこれ以降手がけるようになった。

 それ以降オフィシャル・ブートレッグをはさんで、「ウィンドウ・オブ・ライフ」「仮面舞踏への序曲」と2~3年ごとにコンスタントにアルバムを発表するのだが、この辺はピンク・フロイドっぽい音楽性が続くことになる。
 ピンク・フロイドっぽいとはどういうことかというと、サスティンの聞いた非常に艶のあるギターとキーボードによるオーケストレーション、それと女性コーラスによるバック・ボーカルである。ちょうどフロイドの「対」のようなアルバムと考えてもらえば分かりやすいと思う。

 その頂点に位置しているのが、2001年に発表された「幻影の寓話」である。確かに名盤である。だけれどもちょっとオリジナリティに欠けるのである。やはり彼らの裏にはそれこそフロイドの幻影がちらつくのである。そう感じるのは私一人だろうか?Photo

 彼らの最新盤は、2005年に発表された「ビリーブ」である。私は彼らの最高傑作は、常に最新アルバムだと思うのである。このアルバムは良い。アルバム全体から得られる印象もフロイドの影を払拭して、3rdアルバムの頃のような音作りをしようとしている。
 過剰なオーケストレーションも抑えられていて、アコーステイック・ギターを多用して、それまでとは一線を画しているかのようだ。

Believe Music Believe

アーティスト:Pendragon
販売元:Madfish
発売日:2011/08/15
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 この調子で彼らには頑張ってもらいたい。たとえ世間から売れ残ったポンプ・ロックといわれようとも、70年代の二番煎じと言われようとも、自分たちなりの音を追求してほしいものだ。

 ちなみにキーボード担当のクライヴ・ノーランは自分たちのユニット、アリーナを結成してペンドラゴンが休止中はこちらで活動している。ペンドラゴンから叙情性を少しだけ引いて、ロックよりの音楽になっている。

 またペンドラゴンとは、イギリスのアーサー王伝説に出てくる人の名前で、アーサー王にとっては叔父にあたる人だそうである。やはりイギリス人にとって、アーサー王の物語とは非常に親近感のある物語なのだろう。ちょうど日本人にとっての桃太郎のように。

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2007年6月27日 (水)

逞しい馬

 70年代の日本では、イギリスでは大物だが日本ではほとんど売れない3大グループというのがあった。キンクスザ・フー、それにジェスロ・タルである。

 実際、キンクスもザ・フーも単独で来日公演をしたのは、つい最近である。しかし3番目のジェスロ・タルは、70年代にも90年代にも来日しているのである。やっぱりタルは格が違うというお話である。

 それでこの時期になると思い出すのが、12作目のオリジナル・アルバムである「逞しい馬」である。原題を“Heavy horses”という。(*5作目の“Living in the past”を含んで12作目ということ)

Photo Music Heavy Horses

アーティスト:Jethro Tull
販売元:EMI
発売日:2003/05/20
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 1978年4月に発表されたこのアルバムは、前作の「神秘の森~ピブロック組曲」と次の「ストームウォッチ~北海油田の謎」と並んで、いわゆる“トラッド三部作”といわれているものである。

 トラッドというわけだから、要するにフォーク調、アコースティックな雰囲気を漂わせる曲が多いのである。2曲目の「荒地」、4曲目の「蛾」、7曲目の「茶色のはつかねずみ」などは旋律からしてスコットランドやアイルランドの味わいを出しているし、フルートとアコースティック・ギター、場合によってはバイオリンやアコーディオンといった楽器で盛り上げている。

 特に「茶色のはつかねずみ」はその後のライヴでもたびたび演奏される代表曲の1つである。また元カーヴド・エア~ウルフのダリル・ウェイがバイオリンで参加しており、2曲目「荒地」と8曲目「逞しい馬」に参加している。

 私がこのアルバムを購入したのは、大学2年生頃だったと思う。親元を離れて一人暮らしをしていたせいか、このアルバムを聞いて妙に感傷にふけったものである。そういう気持ちを引き起こすアルバムなのである。

 さらに8分や9分近い曲もあり、アコースティックなだけでなく、プログレ・ファンをも納得させる緩急をつけた曲展開も耳にすることができるのだ。
 しかし「蛾」や「ネズミ」「馬」がテーマになる歌というのも、いかにもイギリスである。日本でこんなテーマで歌っても、おそらくヒットは難しいだろう。(「逞しい馬」はかつて農耕の主体であった馬が、今はトラクターなどに取って代わられた悲しさとその復権を謳ったものである!)

 日が長くなり、夕闇に蛍が飛び交うこの時期に聞くにはぴったりのアルバムなのである。

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2007年6月26日 (火)

グリフォン

 グリフォン、あるいはグリフィンは想像上の動物で、ヨーロッパ諸国で昔から言い伝えられているものである。
 上半身は翼を生やした鷲(一説では鷹ともいわれている)で、下半身については下半身だから四肢というのは冗談で、本当は獅子である。

 それでこの動物の名前にちなんだグループがあった。イギリスのロック?バンドで、その名もグリフォン(Gryphon)である。つまりそのままだ。

鷲頭、獅子胴の怪獣(紙ジャケット仕様) Music 鷲頭、獅子胴の怪獣(紙ジャケット仕様)

アーティスト:グリフォン
販売元:ディウレコード
発売日:2003/11/28
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 なぜ?をつけたかというと、ロックといっていいのかわからないからだ。プログレの分野に分類されることが多いが、プログレよりもフォークか中世トラディショナル音楽といった方が的を射ているだろう。

 このグループのリーダーであるリチャード・ハーヴェイという人は、英国音楽院を卒業したエリートで、その専門は中世音楽だったのである。だから1stや2ndアルバムを聞くと、ほとんど中世のリュートやハープシコード、よく分からない楽器などの演奏をふんだんに聞くことができるのだ。

 一番プログレっぽい音を出しているのは3枚目の「Red Queen to Gryphon Three」で全4曲、1曲あたり8分~10分と充分にプログレの基準を満たしている。満たしているが、これを聞いてカタルシスを得る人は少ないだろう。よほどそういう音楽が好きでないと無理である。曲にメリハリがなくて、ダラダラと流れていく感じである。

Red Queen to Gryphon Three Music Red Queen to Gryphon Three

アーティスト:Gryphon
販売元:Talking Elephant
発売日:2007/05/14
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 この3rdが発表されたのは1974年であるが、イエスのサポート・バンド(いわゆる前座)として、ツアーをしていた影響だろうか、このアルバムで一発起死回生を狙ったのか、プログレ・バンドとして認知されようとしたのかは定かではない。
 しかし残念ながら、売れなかった。いくら音楽がすきでも、生活できないと厳しいものがある。

 それでメンバーチェンジをして、もっと売れようと思ったのか、ポップ路線を走りだそうとした。4枚目のアルバムがそれで、タイトルが「レインダンス」で、キャメルのアルバムにも同名のタイトル・アルバムがあったはずだ。むろんあれよりもポップでなく、売れなかった。
 曲の中にはレノン&マッカートニー作品の「マザー・ネイチャーズ・サン」などもあり、その他にも3分や2分の曲もある。

レインダンス(紙ジャケット仕様) Music レインダンス(紙ジャケット仕様)

アーティスト:グリフォン
販売元:ディウレコード
発売日:2003/11/28
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 唯一16分の曲があり、この曲だけは聞き応えがある。曲展開がハッキリしていて、次々とリード楽器が変わっていく様はなかなか面白い。ここでいうリード楽器とは、ギターだけでなく、キーボード、フルート、リュートなどである。一部メロトロンも使われていて、雰囲気もいい。
 ボーカルもなく、インストルメンタルだけで最後まで聴かせようとする気持ちが見え見えなのだが、この時期の彼らなら許せると思うのである。

 この路線を続けていれば、きっとコアなファンを魅了し続けることができたと思うのだが、どうもやることが中途半端なのである。足半分プログレで、もう片足は中世音楽である。しかもだんだん曲時間が短くなっていくのだ。
 だからジェスロ・タルのように、ロック路線では徹底してロック音楽を、トラッド路線の時には徹底してアコースティックなアルバムを追及していけばよかったのである。

 そして彼らは1977年に最後のアルバム「Treason」を発表した。多少なりともイエスの影響を受けたのか、1曲目だけは10分と長めの曲である。「Spring song」というタイトルだが、残念ながら彼らに春は訪れなかったようである。

 ただ彼らを擁護するわけではないが、この曲だけは異様にすばらしい。やればできるじゃん、という感じである。10分という長さを感じさせない曲展開はイエスだし、メインのメロディも聞きやすくポップである。味付け程度にメロトロンも入っている。なぜこの路線を踏襲しなかったのか、つくづく残念である。
 ボーカルもか細いが一生懸命歌っているので、好感が持てる。他の曲も4分~5分程度でまあまあである。たぶんリーダーのリチャード・ハーヴェイは心から中世音楽をやりたかったのだろう。グループが解散した後、彼はその方面のソロ・アルバムを発表している。 

 というわけで彼らの残した5枚のアルバムのうち、個人的には最後のアルバムがベストだと思っている。

 

 

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2007年6月25日 (月)

イースト

 イーストといってもパンを作るイースト菌のことではない。ハンガリーのプログレッシヴ・ロック・グループであるイーストのことである。

 当時のハンガリーは東欧諸国いわゆる社会主義国家であった。その自分たちの置かれているポジションを充分に理解していたのであろう。自分たちのバンド名に対するネーミングは、自分たちの立ち位置を表していたのかもしれない。

 そのハンガリーにおいて、1981年に国営レーベルから1stアルバム「イースト;蒼い楽園」が発表された。ということは彼ら5人は国家公務員ということか。Photo_9

 しかしその内容はすばらしいのだ。以前このブログでジェネシスのフォロワーみたいな書き方をしたが、今回改めて聞いてみて、その認識は間違いだと分かった。ジェネシスのような叙情性はあまりない。が、それ以上にロックしている、ロック本来の疾走感やカタルシスに満ちているのである。

 CDの帯には“キャメルよりヘヴィーでタイト”とあったが、まさにその通りで、キャメルのような上品さではなく、もっと激しさを感じさせる曲展開であった。アグレッシヴでジャズっぽい要素も見られる。リズム・セクションがイエスで、それにヘヴィーでメロディアスなギターと手数の多いキーボード類がバトルを展開するというような感じだ。

 別にハンガリーを差別するつもりはまったくないのだが、当時の東欧の国でここまですばらしい音をだすグループがいたというのが驚きである。これがもしイギリスにいたなら、あっという間にマリリオンと肩を並べるかそれ以上の存在になっていたと思うのである。

 個人的には、翌年発表され、同じメンバーで臨んだ2ndアルバム「イースト2nd;Faith」の方が好盤だと思っている。こちらの方がもっとロックしていて、3曲目「マジカル・パワー」は疾走するギターとそれを追うキーボードという展開が緊張感を生み出しているし、続く4曲目「イット・ワズ・ミー」では一転して、叙情的なキーボードが流れ、たおやかな音空間を生み出している。

 解説では“ボーカルが粗野”と書かれていたが、どうしてどうしてそんなことは感じさせないジェントルさとほとばしる汗を感じさせてくれる。キャメルじゃないのだから、まったく問題ないと思う。(でもキャメルのボーカル自体もそんなにいい声だとは思わないが・・・)
 1stでは英語で歌っていたが、別に違和感はなかった。そして2ndではハンガリーのマジャール語で歌っていて、これはこれで演奏とマッチしていると思う。

 惜しむらくはシンセサイザーやピアノがメイン・キーボードで、できればメロトロンの音を聞かせてほしかったということぐらいだろうか。
 でもとにかく素晴らしい楽曲群である。1stでも2ndでも、できれば両方とも手元に置いておきたいアルバムである。

 彼らは、メンバー・チェンジを繰り返しながらもこの2枚のアルバムのあとも活動を続けている。1995年にはライヴ・アルバムも発売されている。その中では初期の曲も演奏されているという。

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2007年6月24日 (日)

コーギス

 スタックリッジ解散の後、ベース担当のジェイムズ・ウォーレンはギター担当のアンディ・デイヴィスとグループを結成した。それがコーギスで、1978年のことであった。

 コーギスとは、コーギィというウェールズ産の犬の種類の名前からとったらしく、女王陛下も飼っている犬とのこと。
 それで当時のイギリスはパンクの嵐が吹き荒れていたのであるが、それにもめげずまさにポップな楽曲を作り続けたのである。

 彼ら2人は、ビートルズを尊敬していて、レノン&マッカートニーを目標にしていたようだ。ひょっとしたら80年代のレノン&マッカートニーを目指していたのかもしれない。

 それで79年には「とどかぬ想い」が全英13位になり、翌年には「永遠の想い」が全世界的にヒットした。ヨーロッパ各国では1位、イギリスで5位、アメリカでは18位であった。

 音的には10CCもびっくりのポップ・ソングであり、ギズモなどという装置を使わなくても同じような音(それ以上かも)を出せるという証明にもなった。彼らの音を知るためには、やっぱりベスト盤が一番だろう。
 彼らは3枚のアルバムを出して、83年に解散をした。その後にベスト・アルバムが発表された。彼らは数枚ベスト・アルバムを発表しているが、どのアルバムも大体同じである。ここでは2005年発表の最新ベスト・アルバムを紹介する。

The Korgis Kollection Music The Korgis Kollection

アーティスト:The Korgis
販売元:Angel Air
発売日:2005/04/11
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 はっきり言って名盤である。中には80年代当時世界的に流行っていたテクノ・ポップ(YMOなど)の影響を受けたような曲もあるが、それでもコーギス風味の味付けがされていて、聞きやすい。フィル・スペクターのようなウォール・オブ・サウンドが本家以上に覆っていて、それこそエヴァ・グリーンの輝きを放っている。

 いま聴いても古臭さを感じないということが、永遠のポップスである証明になるのではないだろうか。

 そのあと、彼らは1987年に再結成をした。それまで2人組だったのが、第3のメンバーとしてジョン・ベイカーという人が加入した。彼はオペラを学んでいたそうでが、途中で方向転換して、グラデュエイトというバンドを結成した。このバンドにはローランド・オーザバルとカート・スミスという人がいた。のちにティアーズ・フォー・フィアーズを結成した人たちである。

 というわけで3人組になった彼らは1992年に「フォー・エヴリワン」というアルバムを発表した。このアルバムもすばらしく、タイトル曲は日本のTVCMにも使われたほどである。
 このあと通販などでミニ・アルバムを発表しつつ、21世紀になった2005年にフル・アルバムを発表している。

 彼らは決してロックのフィールドで語られることはないのだが、しかし永遠のスタンダードを残した功績は忘れてはならないだろう。しかしアルバム発表のインターバルは長すぎる。もう少し短くならないのかなあ。

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2007年6月23日 (土)

スタックリッジ

 スタックリッジというグループがいた。70年にレコード・デヴューしているが、私はなぜかオリジナル・アルバム5枚を持っている。なぜだか分からない。そんなにいいグループでもないし、メジャーなヒット曲も無い。

 たぶん、最初音楽雑誌で見たときに、グループのうたい文句「田舎のビートルズ」に惹かれたのだと思う。これはイギリスの雑誌がつけた言い方で、英語では“Western country Beatles”といわれていたらしい。

 音的には後期ビートルズに管弦楽やオーケストラを付け加えたような感じであるが、そんなにポップではない。イギリス人の感覚から言えば独特のトラディショナルな雰囲気やメロディーを感じるのであろうが、私にはよくわからないのである。

 このグループの中にジェイムズ・ウォーレンやアンディ・デイヴィスがいて、彼らはのちにコーギスを結成する。このグループは結構10CCと争うかもしれないほどポップである。

 初期のアルバム3枚「スタックリッジ」「フレンドリネス」「山高帽の男」はそんなイギリス人受けする要素を持っていて、2枚目からはメロトロンも使用している。だからポップ・グループ的な面とロック、特にプログレッシヴな要素を兼ね備えていたのだ。
 特に3枚目のアルバム「山高帽の男」はプロデュースがあのジョージ・マーティンで、5枚のアルバムの中では一番売れたそうである。といってもイギリスのチャートで30位以内だったが・・・

山高帽の男 Music 山高帽の男

アーティスト:スタックリッジ
販売元:ミュージックシーン
発売日:2007/02/25
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 それで売れたおかげで、メンバー間にわだかまりが起こったそうである。よくある話でソングライターであったジェイムズ・ウォーレンほか数名が脱退し、新メンバーが入ってきた。これから音楽性がプログレッシヴ・ロックの方向に傾くのである。
 4枚目のアルバム「エクストラヴァガンザ」はインストゥルメンタルの曲も数曲あり、たぶんLPA面ではポップな曲、B面にプログレッシヴな曲というふうに配列されていたのだと思う。だから後半はサックスやメロトロンも強調されていて、結構クリムゾンなのである。

エクストラヴァガンザ Music エクストラヴァガンザ

アーティスト:スタックリッジ
販売元:ミュージックシーン
発売日:2007/03/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 しかも元キング・クリムゾンのゴードン・ハスケルの曲も1曲だけあり、これは叙情性があふれていて、グッド・ミュージックだ。一時期、スタックリッジに加入していたようで、だから彼の曲があったのである。

 そして5枚目、最後のオリジナル・アルバムでは、元グリーンスレイドのデイヴ・ローソンがキーボードで参加していて、ピアノからメロトロンまで操っていて、こうなると完全にプログレの世界である。しかもタイトルが「Mr.Mick」といい、これは老人のミックについてのトータル・アルバムになっている。

ミスター・ミック: 完全版 Music ミスター・ミック: 完全版

アーティスト:スタックリッジ
販売元:ミュージック・シーン
発売日:2007/04/24
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 1曲目はビートルズの「Hold me tight」で始まるが、あとは時折ソフトに時折ハードに展開されていく。サックスなんかはもろクリムゾンなのだ。

 結局、このアルバムを最後に彼らは解散し、前述したようにデイヴィスはウォーレンとともにコーギスを結成するのである。このグループについては、また後日に回すこととして・・・

 それでこの「スタックリッジ」は私のCD棚ではプログレッシヴ・ロックのところに分類されて置かれている。超マイナーなプログレだけど、そういうグループもときには魅力的に映るのである。

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2007年6月22日 (金)

プリファブ・スプラウト

 「組み立て式の新芽」という変わった名前を持つイギリスのグループである。現在のメンバーは3名だが、今はグループというより、リーダーであるパディ・マクアルーンのユニットと考えた方がいいと思う。

 デヴューは1982年であり、それ以降3、4年ごとにコンスタントにアルバムを発表している。ただし、ロックというよりはポップスの範疇に入るような音を出している。
 リーダーのパディが好きなミュージシャンは、フィル・スペクターやバート・バカラックと述べているように、汗の流れ出るようなブルースやロックン・ロールの疾走感や初期衝動とはまったく無縁である。

 もともとこのグループを知ったのは、このグループのアルバム・プロデューサーがかの有名なトーマス・ドルビーであったからだ。特にセカンド・アルバム「ラングレー・パークからの挨拶状」や「ヨルダン:ザ・カンバック」は全面的に彼がプロデュースしていたのだ

From Langley Park to Memphis Music From Langley Park to Memphis

アーティスト:Prefab Sprout
販売元:Sony/Bmg Int'l
発売日:2001/07/18
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 (ところで、この「ヨルダン:ザ・カンバック」というのはどういう意味なのだろうか。”ヨルダン”を英語読みすると”ジョーダン”になるので、私はてっきりNBAの神様ことマイケル・ジョーダンが引退から復帰してほしいという意味だと思っていたのだが・・・)

 それで初めて買ったアルバムは「アンドロメダ・ハイツ」であった。これは結構イケたと思ったのだが、ただしタイトル通り“夏の夜に聴く音楽”限定という意味である。

アンドロメダ・ハイツ(紙ジャケット仕様) Music アンドロメダ・ハイツ(紙ジャケット仕様)

アーティスト:プリファブ・スプラウト
販売元:SMJ
発売日:2009/10/21
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 アルバム・ジャケットも摩天楼の下から覗く夜空が描かれており、夏の夜のドライヴやキャンプの星空の下で聞くには最適だと思う。

 まったくギター・ソロは無いし、思わず口ずさめるようなメロディもほとんどない。それでも思わず耳を傾かせてしまう良質な音楽が宿っているのである。
 ブライアン・フェリーから色気と下世話さと思わせぶりを抜いたような声の持ち主であるパディは、自分ひとりで作った音楽を淡々と聞かせてくれるのである。

 イギリスではプラチナ・アルバムやNo.1を獲得した経験があるプリファブ・スプラウトである。日本でいうと昔流行った上品なシティ・ミュージックあたりを連想すれば分かりやすいと思う。

 自分は「アンドロメダ・ハイツ」を気に入ったので、さかのぼって数枚の彼らのアルバムを買ったのだが、どれもあまり変わらなかった。逆に言うとデヴュー当時から彼らの音楽性は、変わっていなかったということか、それだけ完成されていたのだろう。

 そんな彼らの魅力がつまったベスト・アルバムが発売されているので、手っ取り早く知るには最適だと思う。これからの季節にはいいかもしれない。

38カラット・コレクション Music 38カラット・コレクション

アーティスト:プリファブ・スプラウト
販売元:エピックレコードジャパン
発売日:1999/12/18
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

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2007年6月21日 (木)

ワールド・パーティ

 最近このブログに出てくるミュージシャンは、マルチ・ミュージシャンいわゆるひとりで演奏して、ひとりで歌って、ひとりで録音して、セルフ・プロデュースというタイプが多い。

 今回紹介するのもそういうひとりである。ワールド・パーティというグループ名だが、実際はカール・ウォーリンジャーという人がひとりで作製しているものである。

 この人はイギリスのウォーターボーイズというグループのメンバー(キーボード担当)だったそうである。一度聞いたことがあるが、ウォーターボーイズ自体は可もなく不可もなし、といった記憶がある。
 それでこの人の音楽は、基本的にポップであり、ひとりでやっているせいか、音的に結構凝っている感じがする。

 グループから脱退して最初につくったアルバムが「プライヴェート・リヴォリューション」だった。87年ぐらいの作品だったと思うが、当時の流行を反映してか、薄っぺらいシンセの音が妙に耳に残る作品だった。

Private Revolution Music Private Revolution

アーティスト:World Party
販売元:Papillon
発売日:2006/04/04
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 次に「グッバイ・ジャンボ」でアルバム・ジャケットに象の形をしたかぶりものとガスマスクをしている本人が写っている。90年のアルバムだが、個人的にはこのアルバムが一番だと思う。
 彼の作品の中では現時点で一番である。といってもこの2作と93年発表の「BANG!」、97年発表の「エジプトロジー」しか持っていないのだが・・・結局4枚しかない。

 それで「グッバイ・ジャンボ」だが2曲目の「Way down now」や7曲目「Take it up」などはシンプルなロックンロールである。まるでストーンズだ。
 この人の声は、ミック・ジャガーに似ているし、ロック調の曲などはほとんどストーンズとダブって聞こえてくる。特にシャウトするとミックそのものである。

 またスローな曲はしゃがれていないボブ・ディランのようである。だから「Love street」のような曲を聴くと結構グッと来るのである。

Goodbye Jumbo Music Goodbye Jumbo

アーティスト:World Party
販売元:Papillon
発売日:2006/04/04
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 そんなカールだが、最近は音沙汰がない。新しいアルバムは発表されているようだが、国内盤は97年以降発売されていないと思う。残念である。国内盤の方にはボーナス・トラックがあるからだ。やっぱり私は貧乏性である。

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2007年6月17日 (日)

ジェネシス

 ジェネシスが再結成ツアーを行うらしい。今月からヨーロッパ・ツアーを行い、秋からは北米ツアーを開始するという。すでにチケットも発売されていて、あっという間に売り切れたとのこと。

Seconds Out Music Seconds Out

アーティスト:Genesis
販売元:Virgin
発売日:1994/11/29
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 となるとどういうメンバーなのかが気になるところだが、スティーヴ・ハケットやピーター・ガブリエルは参加せず、結局のところ80年代の黄金のトライアングル、フィル・コリンズ、マイク・ラザフォード、トニー・バンクスの3人だそうである。

 一般的なファンとしては満足であろうが、私のようなオールド・ファンとしては、やはり70年代のラインナップで復活してほしかったというのが本音である。

 ニュー・アルバムも発売しないでコンサートをするのだから、たぶん演奏される曲も、「トリック・オブ・ザ・テイル」以降の曲、特に80年代に入ってからの曲で構成されるのであろう。
 「ジェネシス」、「インヴィジブル・タッチ」、「ウィ・キャント・ダンス」の3枚のアルバムからは、多くの曲が演奏されるのは間違いないだろう。きっと多くの拍手喝采が巻き起こるはずである。

 日本公演の予定はないのだが、たぶんこの調子で行けば、来年当たりは実現するのかもしれない。大事なマーケットである日本を捨てていくことは考えられないからだ。

 個人的にはジェネシスは女、子どもの聞くプログレ音楽だと思っていた。だから軟弱な一派に属すると偏見を持っていたのである。軟弱な一派とはキャメルやムーディー・ブルース、このジェネシスなのである。
 一方、硬派なプログレ一派とはキング・クリムゾンやイエス、ピンク・フロイドなどである。

 今になって考えれば、こんな考えは間違っているのだが、中高生当時は、そういう偏見を持っていたのである。だからあまり真剣に聞いたことがなかったのだ。
 その違いはどこから来ているのかというと、たぶんギター・ソロの違いから来るのではないかと思われる。軟派なプログレ・グループのそれは、あまり目立たないか、目立ってもキャメルのように、あまりに綺麗過ぎて女子は喜んでも、男子はちょっとなあという感じがしたのであろう。

 しかし、世の中にはジェネシスに影響を受けたグループはいっぱいいる。イギリスのマリリオンやペンドラゴンの初期はもろにジェネシスであるし、ハンガリーのソラリスやイーストも変拍子のリズムを使った曲が目立つ。

Misplaced Childhood Music Misplaced Childhood

アーティスト:Marillion
販売元:Emi
発売日:2002/02/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 日本でも新月というグループがあって、1977年に結成され、79年にアルバム「新月」を発表している。しかしこの1枚で解散してしまった。日本で初めてのシンフォニック・ロックといわれているが、確かにジェネシスっぽい雰囲気が濃厚である。

 ともかく祝・来日を首を長くして待っている。九石ドームに来ないかなあ・・・

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2007年6月16日 (土)

トーマス・ドルビー

 トーマス・ドルビーという人は、ロンドン生まれで今年で49歳になる。名前がドルビーなので、あのドルビー・サウンドと何か関係があるのかと思ったが、全然関係なさそうである。

 彼のアルバムは2枚しかもっていなくて、「エイリアンズ・エイト・マイ・ビュイック」と「アストロノウツ&ヘラテックス」だけである。

Aliens Ate My Buick Music Aliens Ate My Buick

アーティスト:Thomas Dolby
販売元:EMI-Manhattan
発売日:1998/10/27
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 基本的に彼の作品は、80年代のファンク・ミュージックである。メロディよりもリズムやシンセなどの機材を利用した作品が主である。要するにハワード・ジョーンズやトンプソン・ツインズを思い浮かべてみれば分かると思う。

 「エイリアンズ・・・」が88年の作品で、「アストロノウツ・・・」が92年発表なので、やはりその時代を反映した音作りなのである。前者はバックバンドとともに録音しているが、後者は、世界中をまわって録音した音をつなぎ合わせて曲として完成させたものである。
 彼も自宅で録音するのが好きで、デビューのきっかけとなったシングルも自主制作の結果である。

 したがって彼のアルバムのインターバルは長い。3年、4年は当たり前である。事実「エイリアンズ・・・」から「アストロノウツ・・・」まで4年半かかっている。

 個人的には前者のアルバムはアルバム・ジャケットがおもしろくて、曲もおもしろそうかなと思って買ったものであり、音楽性とはあまり関係がない。後者のアルバムはラジオで聴いた曲がよかったから購入した。
 その曲とは「シルクのパジャマ」「シガーにご用心」変なタイトルだが、曲は前のアルバムと対照的にメロディアスである。声もいい声をしていると思う。Photo_8

 この「アストロノウツ&ヘラティックス」は彼のキャリアの中で、名盤だと思う。どの曲も結構いけるのである。特に、最後の曲はピアノの弾き語りが中心となって、音数がだんだん増えていくものであり、渋くてよいのだ。深夜ひとりで聞いていると安らぐのである。タイトルもまた「ビューティ・オブ・ア・ドリーム」というのだからたまらない。
 こういうアルバムをたくさん作ってくれると、追い続けようと思うのだが、やはり一人録音する人は結構変わっていそうで、アルバムごとの出来、不出来が大きそうである。

 また彼も映画音楽や他のミュージシャンのプロデュースなどに忙しく、あの坂本龍一ともコラボレーションをしている。だからアルバムのインターバルが長くなるのであろう。
 最近は目立った活動を耳のしていないが、また自宅で音を溜め込んでいるのだろう。この「アストロノウツ&ヘラティックス」以上の作品を望むものである。

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2007年6月15日 (金)

ユートピア

 ユートピアといっても、楽園でもなければ、昔のお笑い芸人でもない。トッド・ラングレンのグループのことである。

 トッド・ラングレンといえば、宅録いわゆる自宅録音で有名なアメリカのマルチ・アーティストである。1948年生まれだから、今年で59歳、オジー・オズボーンとほぼ同じ年齢である。なぜオジーを例に出したのかは、特に理由はない。

 昔からこの人の顔は長くて、藤田まことかトッド・ラングレンか、とまでいわれていた人なのである。ついでにいうと、トッド・ラングレンとパティ・スミスはよく似ていると思うのは、私だけ?
 でも顔の長さと音楽性は比例するのか、結構聞きごたえのある名盤を残している。一般的には2枚組みアルバム「サムシング/エニシング」が代表作とされているが、確かにそれは否定できないだろう。「ハロー・イッツ・ミー」はいつ聞いてもポップで印象に残る名曲である。

 2 Music Something/Anything?

アーティスト:Todd Rundgren
販売元:Rhino
発売日:1990/10/25
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  またそれ以降のアルバム、「魔法使いは真実のスター」、「ミンク・ホロウの世捨て人」、「ヒーリング」など名盤ぞろいだと思う。
 その中で、自分がすきなのは「フェイスフル(明日への誓い)」であり、「ディフェイス・ザ・ミュージック」、「トッドのモダン・ポップ黄金狂時代」である。

 「フェイスフル」はカヴァー曲が秀逸である。ジミヘンやビートルズ、ビーチ・ボーイズなどの曲を原曲に忠実に再現しているのである。ここまで徹底できる人はすごいと思う。
 よく創造は模倣より生まれるというが、まったくその通りである。60年代ロックのオマージュと愛情を示すことで、あらたな創造性が開拓されていくのであり、トッドのこの姿勢があるからこそポップな曲を残せるのだと思う。

 5 Music 誓いの明日(K2HD/紙ジャケット仕様)

アーティスト:トッド・ラングレン
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:2006/06/16
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 「ディフェイス・ザ・ミュージック(ミート・ザ・ユートピア)」は、これはこれですばらしい企画ものだと思う。ビートルズを尊敬してやまないトッドらしいアルバムである。
 全編ビートルズタッチの曲で、アルバム・ジャケットもパロディとして楽しめるし、何よりも楽曲そのものもすばらしいのである。

 1 Music ミート・ザ・ユートピア(K2HD/紙ジャケット仕様)

アーティスト:ユートピア
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:2006/06/30
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 この辺は聞いた人しか分からないと思うが、1曲目などは、もろ「抱きしめたい」だし、それ以外にも「ミッシェル」風、「エリナー・リグビー」風、「ストロベリー・フィールズ・フォーレバー」風と、聞いただけで元歌がわかるのである。好きな人は思わずニヤリとしてしまうだろう。

 しかもビートルズの歩みが分かるかのように、初期から中期まで順番に配列されているのである。願わくばVol.2として中期から後期の楽曲にトライしてほしいものである。

 そして個人的にもお勧めなのが、「トッドのモダン・ポップ黄金狂時代」である。まさにポップの玉手箱であり、蓋を開けると機械仕掛けの人形のように、黄金の旋律が飛び出すのである。特に1曲目~4曲目まで一気に聞かせる手腕は見事である。特にドライヴしながら聞くと、おもわず心も車も走り出してしまうのである。

 4 Music トッドのモダン・ポップ黄金狂時代(K2HD/紙ジャケット仕様)

アーティスト:トッド・ラングレン
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:2006/06/30
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 このあとの「アカペラ」も結構よい。トッドは楽器を一切使わずに、人間の声だけでアルバムを1枚つくる構想を持っていたらしくて、そのために、こういうタイトルになったのだ。
 ドゥー・ワップからバラードまで内容的にもしっかりしているのである。これもまたトッドらしいアルバムである。

 3 Music A Cappella

アーティスト:Todd Rundgren
販売元:Rhino
発売日:1990/10/25
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 トッドという人は、楽曲のセンスだけでなく、アルバム1枚のトータルなバランスや内容企画にも優れた人なのである。
 ただし他人のアルバムをプロデュースするときは、やはり自分のセンスに合わせようとするのだろう。自分の意見を主張しすぎることがあり、バッド・フィンガーやXTCのメンバーからは嫌われたり、意見が対立したようである。

 天才肌とはこういう人をいうのだろう。最近はほとんど活躍していないようであるが、願わくば、まだまだ現役として活躍してすばらしいアルバムを作ってほしいものである。

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2007年6月14日 (木)

NBAファイナル

  いまアメリカではプロバスケットボールの決勝、NBAファイナルが行われている。今年、決勝に進んだのは、イースタン・カンファレンス代表のクリーブランド・キャバリアーズ(通称;キャブス)、ウエスタン代表はサン・アントニオ・スパーズである。

NBA ライト・アウト! 特別版 DVD NBA ライト・アウト! 特別版

販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2006/09/08
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 それぞれのチームには、NBAを代表する選手が所属しており、キャブスにはジョーダン2世といわれるレブロン・ジェイムズ、スパーズにはティム・ダンカンである。
 ポジションはそれぞれフォワードだが、どちらかというと、レブロンの方はガードもできるスモール・フォワード・タイプで、ダンカンの方はリバウンドにも頑張るパワー・フォワードっぽいところが見られる。

 個人的な予想で申し訳ないが、この勝負は4勝1敗でスパーズの勝ちである。理由は、チーム力の圧倒的な差があるからだ。
 スパーズはダンカンだけでなく、ジノビリやパーカーなどガードやフォワードなどに優秀な選手がいて、要するに選手層が厚いのである。

 一方、キャブスの方ははっきり言って、レブロン・ジェイムズしか得点源がなく、彼ひとりを抑えれば試合に勝てるからである。

 実際、前回の試合でもダンカン以上に点を取ったのは、フランス人のガードであるパーカーであった。こういうチームは勝てるのである。
 だから今日の時点で、スパーズ3連勝は当然のことであり、何も驚くべきことではない。ただこのままいくとキャブスも地元のサポーターに顔が立たないので、ホームでは1勝くらいはするだろうから、4勝1敗としたのである。

 それに経験の違いもある。スパーズの方は何回もファイナルに進出しているし、優勝経験もあるが、キャブスは初めてである。この差は大きいだろう。

 というわけで早ければ今週末か、来週の頭には優勝が決定するだろう。キャブスも経験をつんで、この次は優勝を目指し、レブロンも名実ともにジョーダンの後継者と呼ばれてほしいものである。

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2007年6月12日 (火)

クラトゥ

 今回はマイナーなクラトゥについて書きたいと思ったのだが、さすがマイナーな存在だけあって、そんなに書くことがないのである。

 ごく簡単に言うと、カナダ出身の3人組ということである。カナダ出身の3人組といえば、おもわずラッシュを思い浮かべてしまうが、ちょっと違うのである。
 ラッシュは、どちらかというとプログレ・ハード路線だが、クラトゥの場合は、ポップ・ロックなのである。今でいうパワー・ポップという感じである。そして味付け程度に時々、シンセサイザーやメロトロンが響き渡り、スペイシーな雰囲気をかもし出すのである。

 70年代当時はビートルズの覆面バンドだというまことしやかな噂が流れたが、もちろんそれは噂にすぎず、意図的に当時のレコード会社が売り出すために流したのかもしれない。でもそれだけの雰囲気はあったのだ。

 私が持っているCDは3枚しかないが、そのうち2枚は当時のレコード2枚分をカップリングしたもので、結局5枚分のアルバムを持っていることと同じになる。
  ファースト・アルバムにあたる「クラトゥ」、セカンドの「ホープ」これらは1976年と77年に発売されたものである。

Klaatu/Hope Music Klaatu/Hope

アーティスト:Klaatu
販売元:Collectors' Choice Music
発売日:2000/05/09
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 また78年に発売された「サー・アーミィ組曲」、80年に発売された「エンデンジャード・スピーシーズ」、そして81年に発表された「マジェンタ・レーン」。
Magentalane Music Magentalane

アーティスト:Klaatu
販売元:Bullseye
発売日:2007/04/10
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 いずれもいまとなっては入手困難な貴重品だが、貴重品だからといって内容が優れているわけではない。個人的にはほとんど今となっては聞かないものばかりである。

 今回久しぶりに聞いてみたが、ファーストはラッパの音がもろ後期のビートルズであり、ドラムの音はほとんどリンゴ・スターである。そういう意味ではビートルズの影響は受けていると思うが、メロディの印象の薄い曲が多く、ちょっと不発に終わっている感じがする。
 セカンドの「ホープ」が一番プログレっぽい雰囲気を持っていて、結構ギター・ソロもあったが、アルバムを発表するたびに、だんだん少なくなり逆にポップ度が増していくのである。

 そして「マジェンタ・レーン」あたりでほとんどAORに近づいていった。ポップで印象的な曲が多いという点では、このアルバムが一番だと思う。ほとんどバッドフィンガーである。
 アコースティック・ギターを使った短い曲が意外とよくて、この点ではビートルズと肩を並べるかもしれない。

 メンバーは、ディ・ロング、ジョン・ウーロシュック、テリィ・ドレイパーの3人であるが、メイン・ソングライターはジョンとディの2人である。彼らはいま何をしているのだろうか・・・・・

 入手困難と書いたが、クラトゥのアルバムは、インターネット通販では簡単に購入できる。ベスト盤や25周年記念盤も発売されていて、彼らを手っ取り早く知るにはいい機会かもしれない。トリビュート盤も発売されているということは、結構欧米では人気があったということなのだろう。もちろん輸入盤である。
 

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2007年6月11日 (月)

マルーン5

 最近、年をとってきたせいか、それともケチになってきたせいか、アルバムを衝動買いするということがなくなってきた。

 雑誌のディスク・レビューを読んだり、ラジオの番組やお店の試聴コーナーで実際の音を確認したりして、安心したあと購入するということがほとんである。それでも失敗したと思ったことは多い。
 まちがっても昔のように、アルバムのジャケットを見ただけで購入するということはないし、ジャケットについている帯を読んでから買うことは、ここ数年経験がない。

 しかし、今回のアルバム、「イッツ・ウォント・ビィ・スーン・ビフォー・ロング」だけは店頭で見てすぐに購入した。それは安かったからではない。マルーン5の新譜だったからだ。

 マルーン5の前作「ソングス・アバウト・ジェーン」は全世界で1000万枚以上売れた。いきなり売れたのではなくて、約1年をかけてイギリスやアメリカで売れていき、さらに1年後に日本で売れ始めたのだ。Photo_7
 結局、世界35カ国以上でゴールド・ディスクやプラチナ・ディスクを獲得したらしい。まさにモンスター・アルバムだった。当然のことながら2005年にグラミー賞最優秀新人賞、2006年に最優秀ポップ・パフォーマンス賞と、2年連続でグラミー賞を獲得したのだ。

 日本では、某車会社による宮沢りえが出演していたCMで流れていた曲といえば思い出してもらえるだろうか。そこには彼らの曲「サンディ・モーニング」が流されていたし、某化粧品会社のCMでは「シー・ウィル・ビィ・ラヴド」が使用されていた。
 
 何しろ前作から約4年たってのセカンド・アルバムであるが、これがまたすばらしい出来栄えの作品になっている。

イット・ウォント・ビー・スーン・ビフォー・ロング Music イット・ウォント・ビー・スーン・ビフォー・ロング

アーティスト:マルーン5
販売元:ユニバーサルインターナショナル
発売日:2007/05/16
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 基本的には前作よりも弾んだ音になっていて、リズミカルな曲が多い。本人たちはディスコ・サウンドを意識したといっていたが、確かに前作のようなメロディックな曲は少ないと思う。
 それでも5曲目の「ウォント・ゴー・ホーム・ウィズアウト・ユー」は完璧な名曲である。一度聞けば、フレーズを覚えてしまうほどである。この1曲だけでも彼らのメロディ・センスがわかると思う。
 また、どの曲も完璧な出来栄えというか、黄金の旋律を持っているような感がある。売れる音楽というのは、こういうものですよと満天下に示しているような気がするのだ。

 とにかく前作よりもリズムを強調した作品になっているとはいえ、その根底には豊かなメロディが流れていることを忘れてはならない。だから、いま流行の音楽のように薄っぺらな使い捨てのような音楽ではないから、多くの人が共感し受け入れることができるのであろう。そして、いつまでも忘れられない永遠のマスターピースになれるのであろう。

 当然のことながら全米No.1にもなっている。きっと今回も売れるのであろう。

 

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2007年6月10日 (日)

MTVロック検定試験

 6月9日が「ロック」の日ということで、MTVジャパンがロック検定というのを始めた。今年が1回目である。それで新しもの好きの自分は、福岡の九州大学六本松キャンパスまで行って受検してきた。

 3級と2級があって、3級はベーシックにロックできる内容、2級はハードにロックできる内容ということだった。問題数はいずれの級も100問。ちょうど英検のようなマークシート形式である。

 それで3級は合格したという実感はある。基本的に事前にMTVジャパンが出版している公式問題集や公式テキストブックというのを購入して勉強すれば、3級くらいは合格できるであろう。

MTVロック検定 公式問題集 Book MTVロック検定 公式問題集

著者:MTVロック検定委員会
販売元:音楽出版社
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 まったく同じ問題は出ないのだが、ほぼ同じような問題が出題されるし、問題集の中にある解答の解説の中から出題されるから、しっかり読んでいた人は大丈夫だっただろう。

 しかし実際の3級の問題の中には、公式問題集の2級の分野からもけっこう出題されていたから、一通り目を通しておかないといけないということがわかった。

 3級の問題の中には、セックス・ピストルズやクラッシュのデビュー・シングルのタイトルを尋ねるものがあったが、クラッシュは「白い暴動」を選んだものの、セックス・ピストルズのを「ゴッド・セイヴ・ザ・クィーン」と答えて、失敗した。正解は「アナーキー・イン・ザ・UK」であった。パンク関係にはどうも弱いのである。

 また、ニルヴァーナ、サウンドガーデンなどのグランジ・ロックを排出したレーベルは、エピタフではなく、サブ・ポップであった。これも間違えた。またメタリカから分かれてできたグループを答える問題も間違えた。

 しかし問題は2級である。これははっきりいって難しい。かなり間違えた。40問以上は間違えているだろう。

 1964年4月4日のビルボードのシングル・チャートでトップ5はすべてビートルズの曲だったが、1位は「キャント・バイ・ミー・ラヴ」さて2位の曲は、という問題はできたが、キンクスで全英1位にならなかった曲やデラニー&ボニーで一緒にツアーをしなかった人を選ぶ問題などなど・・・

 2級はハンパでなく難しかった。12日の火曜日、ロック検定のホームページにすべての問題と解答が更新されるということなので、興味のある人は見てみるといいと思う。

 来年に備えて2級に合格できるように頑張ろう。

MTVロック検定 公式テキストブック Book MTVロック検定 公式テキストブック

著者:MTVロック検定委員会
販売元:音楽出版社
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2007年6月 9日 (土)

カリブの海賊3

 「パイレーツ・オブ・カリビアン、ワールド・エンド」を見た。スパイダーマン3とは違って面白かった。
 前半はストーリー展開が早くて、追いつくことが難しかった。確かに“予測不可能なストーリー展開”とパンフレットにあったが、その言葉自体には間違いはないだろう。

 しかし、さすが海賊集団だけあって、裏切りに次ぐ裏切りで、誰と誰が仲間で、誰と誰が敵なのかよくわからなかった。それでも何とかついていくと・・・

 ラスト30分の剣戟はすばらしかった。迫力のある戦闘シーンの連続で、息をもつかせぬ内容だったと思う。スター・ウォーズの戦闘シーンよりも迫力があったと思った。

 劇場に入る前に、全員にパンフレットが配布されて、そこには“必ずご鑑賞後にお読み下さい”と書かれていた。後で内容を読むと、ストーリー展開や結末に関係する内容が書かれていたので、まだ見てない人は充分に気をつけてもらいたい。

 また、“本編はエンドロールが終わるまでじっくりとご鑑賞下さい”とも書かれていて、確かにエンド・ロール終了後に感動的なシーンが用意されていた。映画が終わってすぐに退席していた人が結構いたが、パンフレットに目を通していなかったのだろうか。

 それから音楽好きの人にも興味深いシーンがあった。あのローリング・ストーンズのキース・リチャーズがジャック・スパロウの父親役で出演していたのだ。
 以前、雑誌などでは出演する予定といわれていたが、本当に出演していたのだ。しかも映画用に曲まで作っていた。作中でおんぼろギターを爪弾いていたが、それがその曲らしいのだ。

 しかも何度も死にかけたキース・リチャーズらしいセリフであった。興味のある人はぜひ劇場内で確認してほしい。
 もともと主役のジョニー・デップはキース・リチャーズを参考にして役作りをしていたということで、今回はジョニー・デップのたっての懇願が功を奏したせいか、キース本人が参加したといういきさつがあったようである。

 とにかく、とりあえず3部作はこれで終了であるが、ひょっとしたらまだまだシリーズ化が進むのかもしれない。でも本当におもしろい映画だった。機会があればまた見てみたいと思った。2時間55分が長く感じられない映画である。

パイレーツ・オブ・カリビアン:ワールド・エンド オリジナル・サウンドトラック Music パイレーツ・オブ・カリビアン:ワールド・エンド オリジナル・サウンドトラック

アーティスト:サントラ
販売元:エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
発売日:2007/05/23
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2007年6月 8日 (金)

10CC

 イギリスはマンチェスター出身の4人組。メンバーは、エリック・スチュワート、グラハム・グールドマン、ケヴィン・ゴドレイ、ロル・クレームである。

 だいたい10ccというと「マニアックなポップ・センス」とか、「刺激的なポップ・ミュージック」などと、素直にポップといえばいいところを、必ず何かその前に形容詞がつくのである。中には「変態的な」などという言葉もあった・・・

 このグループ名からして充分に「変態的」である。“男が一晩で射精する量のこと”という説もあれば、“この4人の精液の合計が10ccぐらいだったから”という説もある。いずれにせよ人をくった話である。

 「名は体を現す」という言葉があるように、彼らの音楽は人を唖然とさせることを目的に作られているかのようである。デビュー作にある「いけないジョニー」や「ドナ」などはまさに50年代や60年代の音楽をパロッたモノにしか聞こえないのである。

 そしてあの名作「オリジナル・サウンドトラック」1975年のアルバムであるが、サウンドトラックとは名ばかりで、そんな映画などは存在しないのである。つまり存在しない映画を勝手に想像して作ったアルバムである。
 ジャケットにしても、いかにも映画をつくっていますよというように見せかけているし、「我が愛のフィルム」などという曲名もある。

オリジナル・サウンドトラック+2 Music オリジナル・サウンドトラック+2

アーティスト:10CC
販売元:USMジャパン
発売日:2011/11/09
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 このブログの4月1日の欄に、ウソで固められたアルバムということで、ジェスロ・タルの「ジェラルドの汚れなき世界」を紹介させてもらったが、よく考えたらこのアルバムもウソで塗り固められていた。なるほど、そうだったのか・・・

 このアルバムの1曲目は8分29秒あり、タイトルは「パリの一夜」アメリカ人の旅行客がパリに来て、娼婦を買おうとする内容だが、クィーンの「オペラ座の夜」を聞いているかのような、不思議な感覚に襲われるのである。ギターの音色なんかは、もろブライアン・メイである。
 「オペラ座の夜」も同じ1975年の作品なので、どちらが先とはいい難いが、でも10ccの方は充分相手を意識していたと思われる。でないと普通こんな曲は作らないでしょう。

 さらには、あの名曲「アイム・ノット・イン・ラヴ」も含まれている。意外だったのはこの曲は6分以上もあったのだ。これはエリック・スチュワートとグラハム・グールドマンが作った曲であり、前述の「パリの一夜」はケヴィン・ゴドレーとロル・クレームの手になる作品である。
 要するに10ccは2組のメンバーが合体しているようなものであり、事実76年には2つに分裂した。
 結局、スチュワートとグールドマンはポップ性を、ゴドレイとクレームは偏執的な音楽性を持っていたのであろう。ゴドレイとクレームは、ゴドレイ&クレームとして変態的なポップ・ミュージックを(どんな音楽だろう?)追求し、それだけに満足せず、80年代は映像作家チームとして、MTVの興隆に多大な貢献をした。
 ジョージ・ハリソンのPVをはじめ、ポリス、デュラン・デュラン、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドなどを手がけたのは有名な話である。

 一方のエリックたちも他のミュージシャンと交流を重ねた。エリックはポール・マッカートニーと、グールドマンは、アメリカ人のアンドリュー・ゴールドとWAXというプロジェクトをつくり、アルバムを発表した。

Magnetic Heaven Music Magnetic Heaven

アーティスト:Wax UK
販売元:Renaissance
発売日:2008/08/19
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 しかし10ccの音楽を楽しみたいのなら、ベスト盤が一番お勧めだと思う。絶対に外れはないからだ。

Very Best of Music Very Best of

アーティスト:10cc
販売元:Island / Mercury
発売日:1997/06/17
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2007年6月 7日 (木)

サージャント・ペッパーズ

 6月1日は何の日か知っているだろうか。実はザ・ビートルズの8枚目のオリジナル・アルバムである「サージャント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」(以下サージャント・ペッパーズとする)が発売された日である。

Photo Music サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド

アーティスト:ザ・ビートルズ
販売元:東芝EMI
発売日:1998/03/11
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 1967年の6月1日だから、今年で40周年になるらしい。だからといって特に何かが行われるというわけではないのだが、特集記事を組む雑誌もあったりして、やはり天下のビートルズは永遠の存在なのだろう。

 ビートルズの中で好きなアルバムを1枚だけあげろといわれても、それは無理なことであり、2枚でも不可能、3枚ぐらいになると日替わりならできるかもしれない。4枚あげろといわれれば、できるかもしれない。
 しかし、その中に「サージャント・ペッパーズ」が含まれるかどうかは確信がない。むしろ人によっては含まれない可能性も出てくるだろう。

 しかし、ビートルズの中で歴史に残るアルバムを3枚あげろといわれれば、間違いなくこのアルバムは入るだろう。1枚あげろといわれても、このアルバムを押す人は必ず出てくるであろう。そんなアルバムなのである、この「サージャント・ペッパーズ」というアルバムは。

 それまでレコーディングとツアーの繰り返しだったビートルズは、アルバム作成に没頭するために、またうんざりするライヴ活動から足を洗うために、コンサート活動を中止した。そして1966年の12月からこのアルバムのレコーディングが始まったのである。

 歴史を変えたアルバムとは、まさにこのアルバムである。それまでのアイドルから完全に脱却し、アーティストとなったモニュメントでもある。このアルバムを聞いて、人生が変わった人も多い。
 たとえば、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソン。彼はこのアルバムを聞いて、作成途中だった「スマイル」を没にした。その後、「ペット・サウンズ」をつくるも、レコード会社や他のメンバーとの折り合いが悪くなり、精神を患うようになった。

Photo_2 Music ペット・サウンズ

アーティスト:ザ・ビーチ・ボーイズ
販売元:東芝EMI
発売日:2005/07/06
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 また、あのローリング・ストーンズも、このアルバムに酷似した「サタニック・マジェスティーズ」という作品を発表した。これはストーンズ最大の問題作とされており、のちのブライアン・ジョーンズ脱退の遠因にもなった作品である。

Photo_3 Music サタニック・マジェスティーズ

アーティスト:ザ・ローリング・ストーンズ
販売元:ユニバーサルインターナショナル
発売日:2002/11/09
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 これら以外にも、ゾンビーズの「オデッセイ&オラクル」、ホリーズの「バタフライ」、プリティ・シングスの「S.F.ソロウ」やザ・フーの「トミー」などなど、それこそ枚挙に暇がないほど、「サージャント・ペパーズ」から影響を受けた作品は多いのである。

 このアルバムには、ロックンロールやサイケデリック、クラシックからインド音楽、ヴォードヴィル、アバンギャルドまで、当時のほとんどすべての音楽が詰め込まれている。
 そしてこのアルバムから、ロックとクラシックの融合や、サイケデリック音楽、プログレッシヴ・ロックやコンセプト・アルバム、トータル・アルバムなどの概念が生まれた。

 すべての音楽が吸収されて、消化され、自分たちのオリジナリティが生まれているからこそ、いつ聞いても新鮮なのであろう。
 アメリカのビルボードでは、1年と9ヶ月トップ100位以内にあったそうである。とにかく百聞は一見にしかず、まだ未聴の人は、一度聞いてみるといい。何だこれ、と思う人がほとんどだと思う、そして2回聞いた人は、何となく全体像がつかめるだろうし、3回聞けば納得するだろう。

 そしてポールは最新アルバムを発表する。「サージャント・ペパーズ」には遠く及ばないだろうけれど、しかし、この年に発表するということは、何かの予兆だろうか。

Photo_4 Music 追憶の彼方に~メモリー・オールモスト・フル

アーティスト:ポール・マッカートニー
販売元:UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)
発売日:2007/06/06
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2007年6月 6日 (水)

バッド・フィンガー

 70年代の4大B級ポップ・グループというのがあって、US出身のブレッドラズベリーズ、UK出身のパイロットと今からいうバッド・フィンガーである。

 バッド・フィンガーは、ビートルズの弟分といわれていた。理由はビートルズの設立したアップル・レコードからデヴューしたからである。要するにレコード会社を設立したビートルズたちは、ふさわしいアーティストを探していたからである。

 最初はアイビーズと名乗っていてなかなか売れなかった。それでポール・マッカートニーは、彼らに新曲をプレゼントした。「カム・アンド・ゲット・イット」で、これはビートルズ自身もレコーディングはしていて、アンソロジーVol.3で聞くことができる。
 ちなみにこれは、リンゴやピーター・セラーズが出演した映画「マジック・クリスチャン」のテーマ曲でもあった。

 またそれにあわせてバンド名をバッド・フィンガーに変更した。「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」は当初「バッドフィンガー・ブギ」という名前だったので、そこから取ったというのが定説になっている。

 そこから彼らはだんだんとヒット曲を出していくのだが、イギリスよりもアメリカや日本で売れていた。本国イギリスでは、アルバムはチャート・インもせず、シングルも3枚しか売れなかったそうである。

 そんな彼らの代表作は、「ノー・ダイス」だと思う。理由はメロディが豊かな曲が多いからで、例えば「恋の嵐」やのちにアメリカのシンガーであるニルソンが取り上げた「ウィズアウト・ユー」が入っているのだ。

Photo Music ノー・ダイス(紙ジャケット仕様)

アーティスト:バッドフィンガー
販売元:東芝EMI
発売日:2005/02/23
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 基本的に彼らのアルバムには、代表曲となる曲が最低1曲は入っており、次作の「ストレート・アップ」では、「ディ・アフター・ディ」や「ベイビー・ブルー」、クリス・トーマスのプロデュース作になる「アス」では、「ホェン・アイ・セイ」、「アップル・オブ・マイ・アイ」、最初の「マジック・クリスチャン・ミュージック」にも「明日の風」、「メイビー・トゥモロウ」などがある。

 手っ取り早く彼らの魅力を知りたい人は、東芝EMIから出ているベスト盤がお勧めである。またアップル・レコードを離れたあとは、ワーナー・ブラザーズに移籍した。

3 Music ヴェリー・ベスト・オブ・バッドフィンガー

アーティスト:バッドフィンガー
販売元:東芝EMI
発売日:2000/10/25
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 アップル以降のベスト盤といえば、ワーナー移籍第2弾の「素敵な君」である。これには、あの有名な「誰も知らない」(No one knows)が入っている。

2 Music Wish You Were Here

アーティスト:Badfinger
販売元:Collectors Choice
発売日:2007/07/02
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 これにはあのサディスティック・ミカ・バンドの加藤ミカが日本語で詩の朗読をしている。当時ミカ・バンドは渡英中で、ライヴ活動やレコーディングを行っていたのだ。
 これが縁で、加藤ミカは加藤和彦と別れたあと、クリス・トーマスと結婚する。クリスは、ミカ・バンドとバッド・フィンガーの両方をプロデュース中で、それが契機になったようだ。

 またこれ以外にもいい曲が多く、「ジャスト・ア・チャンス」や「素敵な君」は、キャッチーなメロディで聞きやすく、「そのうちに、そしていつの日か」などは気合入れて作りましたという印象が強い。
 また最後の曲「バック・アット・ザ・ランチ~シュド・アイ・スモーク」などは、まさにポール節のようで、高音は出ないけどシャウトするポール・マッカトニーのような感がある。

 レコード会社を移籍して2作目で、起死回生を狙って、かなり頑張って作った様子が音を聴くだけでもわかるのである。まさに生き生きとしている様子が伺える。でも結果は残念なことに、売れなかった。(日本では先ほどの「誰も知らない」が話題となってやや売れた)

 その後彼らは、マネージャーに騙されて、収入がほとんどなくなり、そうなるとグループ内の人間関係も悪くなり、75年の4月23日、リーダーのピート・ハムが首吊り自殺をした。まだ27歳の若さであり、彼の奥さんは出産前だった。
 さらに1983年11月23日にはベース奏者のトム・エヴァンも自殺した。36歳だった。名曲「ウィズアウト・ユー」は彼とピートとの共作だった。

 まさに悲劇のバンドである。69年に加入したジョーイ・モーランドは新メンバーを加えて1991年に日本公演を行うなど、最近まで頑張っていたが、これをバッドフィンガーといっていいのか微妙である。

 そういえば、元イエスのトニー・ケイも、ピート・ハムの死後、一時バッドフィンガーに在籍していた。どういう理由でそうなったのかはよく分からない。手助けをしようとしたのだろうか。

 バンドはなくなってもグッド・ミュージックは永遠に残るといういい見本であろう。

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2007年6月 5日 (火)

紫の雨

 梅雨の季節である。最近は雨模様の天気が多く、少し肌寒い日もある。5月のほうがむしろ暑い日々だった。

 それで雨といえば、ジリオラ・チンクエッティの「雨」を思い出す。まだ小学生のときにラジオで初めて聞き、しばらくたって中学生のときに何回か聞いて覚えてしまった曲である。
 この曲は1969年のサンレモ音楽祭で入賞した曲だそうである。

 Photo Music ベスト・オブ・ジリオラ・チンクェッティ

アーティスト:ジリオラ・チンクェッティ
販売元:イーストウエスト・ジャパン
発売日:1993/04/25
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 彼女はイタリア人で、カンツォーネを歌っていたのであるが、この歌で日本でも一躍有名になった。この後彼女は70年代でも活躍するのだが、この曲以降はよく知らない。

 これ以外にもビートルズの「レイン」や映画音楽(明日に向かって撃て)の「雨に濡れても」、カスケーズの「悲しき雨音」、アイアン・バタフライの「レイン、レイン」、ガンズ&ローゼズの「ノウヴェンバー・レイン」など“レイン”と名がつく曲は、それこそ枚挙に暇がない。

 今回はタイトルが示すとおり、プリンスの1984年の名作「パープル・レイン」を紹介する。彼は1958年、アメリカの中部ミネアポリスで生まれた。
 20歳でプロ・デヴューし、ほぼすべての楽器を一人でこなすという、まさに天才ぶりを発揮している。

 80年代初頭から有名になり、そのセクシーな歌い方や卑猥な内容の歌詞などから、黒いミック・ジャガーといわれていた。口の悪い人は、爬虫類のような気味の悪さとも言っていた。

 基本的に彼の音楽は、ブラック・ミュージックの範疇で語られるのだが、しかしそれだけではなく、ポップな面や激しくロックする一面もあり、簡単に片付けられない幅広い音楽性を備えていると思う。

 特にギターの腕前は、ジミヘンばりであり、ステージ上では特注のギターをしごきながら、弾きまくっていた。やはり生まれ備わった才能であろうか。

 それで「パープル・レイン」である。これは同名の映画のサウンドトラックなのだが、どの曲もシングル・カットがねらえるほど、優れたアルバムである。実際、「ビートに抱かれて」、「レッツ・ゴー・クレイジー」、「ダイ・フォー・ユー」、「パープル・レイン」などがシングルカットされたと思う。これだけでも8曲分だから、結局9曲しかないアルバムなので、残り1曲だけ残ったことになる。

 Photo_2 Music パープル・レイン

アーティスト:プリンス&ザ・レヴォリューション
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2005/05/25
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 前作の2枚組アルバム「1999」でも4枚シングル・カットされたので、この時期の彼は、シングル・アルバムともに売れに売れていたことになる。
 まさにこの時期の彼は神懸り的な活動と成果を残していて、続く「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・ディ」、「パレード」、「サイン・オブ・ザ・タイムズ」、「ラヴセクシー」、「バットマン」(サウンドトラック盤)までは、まさにプリンスの前にプリンスはなく、プリンスのあとにプリンスはいないという絶頂期を迎えている。唯一無比の存在でありながら、誰もその音楽性に太刀打ちできる人はいなかった。彼の独壇場である。

 80年代はプリンスであった。そんな彼も90年代に入ると、迷いが生じたのか、マンネリ状態に陥ったのか、自分の音楽的財産を食いつぶすようになり、名前の改名や私生活上の変化なども重なって、低迷状態が続くようになった。

 そんな彼も21世紀に入って、何かが吹っ切れたように活動的になった。名前も元に戻し、最新作はなにやら意味不明なタイトルだが、好評で、セールス的にも伸びたとのことである。

 2 Music 3121

アーティスト:プリンス
販売元:ユニバーサルインターナショナル
発売日:2006/03/20
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 このままシーンの最前線に躍り出て活躍を続け、ラップやダンス・ミュージック一辺倒のブラック・ミュージック界をリードしていってもらいたいものである。

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2007年6月 4日 (月)

ついでにブラック・サバスも

 レッド・ゼッペリン、ディープ・パープル、ユーライヤ・ヒープとくれば、やはりこのグループを外しては通れない。
 ということで、ブラック・サバスの登場である。

 70年代中学生だった私は、実はこのグループについてはそんなに詳しくはないのである。そんなに聞き込んだ覚えもないし、黒魔術を売り物にしていた彼らは、何となくおどろおどろしく見えて、聞かず嫌いをしていた。

 また当時はジェフ・ベックやジミー・ペイジ、リッチー・ブラックモアからスティーヴ・ハウ、ロバート・フリップなど、ある程度名の売れたギタリストに夢中だったし、名前は売れていなくても、ギター・プレイが上手な人の音楽を求めていたような気がする。ジェシ・エド・ディヴィスとかローウェル・ジョージとか・・・

 したがって、ブラック・サバスの音楽については、聞き込んでいないのである。私にとっては、そんなに有名なギター・フレーズもなかったし、有名なリフもなかったからである。せいぜい「パラノイド」の最初くらいだろうか。

Paranoid Music Paranoid

アーティスト:Black Sabbath
販売元:Warner Bros.
発売日:1990/10/25
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 ところが80年代に入ってから、全世界的にブラック・サバス再評価が高まり、今では"ヘヴィ・メタルの元祖"とあとに続くグループから崇拝されてもいる。世の中変わったのだろうかと当時は不思議に思っていた。

 それでおとなになって、聞いてみたところ、これが素晴らしかったのである。たとえば、「スウィート・リーフ」や「ソリチュード」が収録されている「マスター・オブ・リアリティ」。収録時間はたったの34分だが、内容は濃いものがある。1分程度の「オーキッド」はアコースティック・ギターを使ったインストルメンタルで、曲のつなぎとしてだけではなく、充分に鑑賞に堪えうる作品に仕上がっているところがすごいのである。

Master of Reality Music Master of Reality

アーティスト:Black Sabbath
販売元:Warner Bros.
発売日:1990/10/25
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 また、72年に発表された「Vol.4」は最高傑作ではないかと思うアルバムである。何しろ1曲目の「ホィールズ・オブ・コンフュージョン」は8分にわたる長い曲であるが、全然長さを感じさせない不思議な魅力をもった曲である。
 また「チェンジス」はキーボード中心のバラード・タイプの曲であり、ヘヴィ・メタ一辺倒だと思っていた私の固定観念を破壊するのである。思い込みとは本当に恐ろしいものだ。

ブラック・サバス・4(紙ジャケット仕様) Music ブラック・サバス・4(紙ジャケット仕様)

アーティスト:ブラック・サバス
販売元:ユニバーサルインターナショナル
発売日:2010/04/01
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 何でこんな名曲が含まれていたアルバムをリアル・タイムで聴けなかったのか、今になって悔やむのである。「スウィート・リーフ」や「チェンジス」は初期のベスト盤に入っているほどの曲なのに・・・

 1970年の2月13日の金曜日にデビューした彼らであるが、黒魔術の呪いを受けることもなく、メンバー・チェンジを繰り返しながら、現在に至っている。いまだにコンサートに出場しているということだから、すごいものである。さすが、キング・オブ・ヘヴィ・メタルである。
 またオジー・オズボーンは、現在59歳、最近ソロ・アルバムを発表して、まだまだ元気である。過去のソロ・アルバムまで今月末には紙ジャケで再発されるらしい。

ブラック・レイン Music ブラック・レイン

アーティスト:オジー・オズボーン
販売元:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
発売日:2007/05/23
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 いままで真剣に聴いてこなかったぶん、これからは腰を入れて聞いていきたい。ちなみにギタリスト、トニー・アイオミの右手の中指と薬指の先端は、子どもの頃に事故で切断されたそうである。左利きの彼は、そのためプラスティックのチップをはめて演奏しているのであるが、独特のリズム感や演奏の雰囲気はそこから来ているのであろう。これも黒魔術のせいだろうか。

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2007年6月 3日 (日)

ユーライア・ヒープ

 ゼッペリン、ディープ・パープルとくれば、やっぱり次は英国3大ハードロック・バンドであるユーライア・ヒープをはずすわけにはいかないだろう。

 昔日本のフォーク・グループにNSP(ニュー・サディステイック・ピンク)という3人組があって、一人ひとりそれぞれがレッド・セッペリン、ディープ・パープル、ユーライア・ヒープがフェイバレットなバンドと挙げていたが、彼らの出す音と好きな音楽との落差が大きくてびっくりしたことがあった。

 何はともあれユーライア・ヒープである。この名前はイギリスの小説家チャールズ・ディケンズの小説「デヴィッド・カッパーフィールド」に出てくる弁護士事務所で働く意地悪な書記の名前に由来している。

 音楽面でのリーダーはKey.のケン・ヘンズレーであるが、彼が1981年に脱退したあとはGr.のミック・ボックスがイニシアチブを取ることになる。結局最後までグループに在籍したのは彼だけだった。
 しかし最近はオリジナル・メンバーに近いかたちで活動を続けているようである。

 初めて聴いた曲は「7月の朝」で、ゼッペリンの「天国の階段」やパープルの「チャイルド・イン・タイム」のように、静から動へとだんだんと盛り上がっていくような曲だった。7分以上の曲なのだが、中学生の頃にラジオで聞いていい曲だと思ったのである。また「安息の日々」も時々FMでかかっていた。

 それで友だちの洋楽に詳しいやつに聞いたところ、このバンドの名前を教えてくれて、さらにテープに数曲録音までしてくれた。「魔法使い」「サークル・オブ・ハンズ」などである。

 72年に発表された「悪魔と魔法使い」はベスト・アルバムだと思う。ジャケットデザインは、イエスのジャケットを手がけたあのロジャー・ディーンであるし、統一感のある内容でいい曲も多い。

Demons and Wizards Music Demons and Wizards

アーティスト:Uriah Heep
販売元:Sanctuary
発売日:1990/10/25
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 自分が買った初めての彼らのアルバムは2枚組の「ライヴ!」である。ベストアルバム的な選曲で、一番エネルギッシュな時期だった彼らの活動がうかがい知れるのである。でもアンコールがロックンロール・メドレーというのはやはり盛り上がるからであろうか。ゼップもスプリングスティーンも最後はメドレーで盛り上げてコンサートを締め括るのである。

Uriah Heep Live Music Uriah Heep Live

アーティスト:Uriah Heep
販売元:Mercury
発売日:1989/07/03
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 彼らの全盛期は意外と短く、1971年から75年くらいまでであり、ちょうどジョン・ウェットンが加入した「幻想への回帰」までである。

幻想への回帰(紙ジャケット仕様) Music 幻想への回帰(紙ジャケット仕様)

アーティスト:ユーライア・ヒープ
販売元:BMG JAPAN
発売日:2006/07/26
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 また、若くして死亡した人もいて、ベースのゲイリー・セインが1976年に演奏中の感電が原因で死亡しているし、ボーカルのデヴィッド・バイロンもバンドを脱退後、80年代半ばに病気で亡くなっている。そういう意味では悲劇のバンドだろうか。

 結局、アルバムは結構多く出しているのだが、後世にまで伝えられるものは少ないような気がする。3大バンドとはいいながらも、3つの中では最も影響力のなかったバンドだと思う。偉大なるB級ハードロック・バンドである。

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2007年6月 2日 (土)

第3期ディープ・パープル

 第3期のディープ・パープルのメンバーを確認しておくと、Vo.デヴィッド・カヴァーディル、Gr.リッチー・ブラックモア、B.グレン・ヒューズ、Key.ジョン・ロード、Dr.イアン・ペイスである。

 黄金時代といわれた第2期からVo.のイアン・ギランとB.のロジャー・グローヴァーが脱退して、新メンバーが入ってきた。
 73年当時イアン・ギランとリッチー・ブラックモアの仲違いが激しくなってしまった。リッチーは自分が脱退しようとして、シン・リジーのフィル・ライノットとバンドを組もうとセッション活動をしていたそうである。

 しかし結局は、イアン・ギランの方が脱退して、76年にイアン・ギラン・バンドを結成した。1stアルバムのタイトルが「チャイルド・イン・タイム」というのだから、彼は昔から一貫して自分たちの焼き直しを売り物にしていたようである。当然のことながら売れなかった。

 またバンドは、ボーカルを元フリーのポール・ロジャースに頼んだが、断られたそうだ。

 それで最終的に第3期のパープルは、74年に「紫の炎」を発表。これは「イン・ロック」「マシン・ヘッド」と並び称されるくらいの名盤だと思う。

Burn Music Burn

アーティスト:Deep Purple
販売元:Rhino
発売日:2005/05/16
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 特に1曲目の「バーン」は、今ではハード・ロックの名曲としてギター小僧の腕試しの対象にもなっている。ただ、「ハイウェイ・スター」や「スモーク・オン・ザ・ウォーター」と比べると難易度は高いようである。

 また7曲目の「ミストゥリーティッド」はバラードというよりは、むしろソウル・ミュージック+ハード・ロックのようであり、マーヴィン・ゲイスティーヴィー・ワンダーをフェイバレットととするデヴィッド・カヴァーディルの資質がよくあらわれている。
 この曲をライヴ盤で聞くと、感動のあまり震えがくる人もいるようだ。特に解散前に録音された「メイド・イン・ヨーロッパ」でのこの曲は、圧巻である。

Made in Europe Music Made in Europe

アーティスト:Deep Purple
販売元:Emi
発売日:1990/07/01
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 その好調さの中で、74年の11月に続くアルバム「嵐の使者」が発表された。しかしこれはセールス的には失敗する。でも個人的にはとても好きなアルバムなのである。

Stormbringer Music Stormbringer

アーティスト:Deep Purple
販売元:EMI
発売日:2009/04/14
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 だいたいこのアルバム・ジャケットからしてこの時期の季節にふさわしいのだ。それこそ嵐の前触れのような雲行きの怪しい空に、竜巻に乗ろうとするペガサス。いま考えれば、この当時のバンドの状況を表していたのかもしれない。でも梅雨時期前に、似合うジャケットだと思う。

 ところで肝心の中身の方だが、解説などを読むとファンキーな音などと書いているが、むしろレーナード・スキナードのようなサザン・ロックに近いものがある。これはグレン・ヒューズが前作「紫の炎」の成功を受けて、さらにその種の音楽に近づいたものだと思われる。

 そしてここで、リッチー・ブラックモアと対立するのだ。またグレン・ヒューズも元トラピーズというバンドのベース兼リード・ボーカリストだったから、デヴィッド・カヴァーディルとも対立していたのであろう。

 2曲目の「ラヴ・ドント・ミーン・ア・シング」や3曲目「ホーリー・マン」(この曲はグレン・ヒューズがリード・ボーカルである)6曲目「ユー・キャント・ドゥ・イット・アゲイン」などはアメリカのひなびた田舎の納屋の前で弾いている音楽のような感じである。
 さらに7曲目「ハイ・ボール・シューター」はカヴァーディルとヒューズのツイン・ボーカルを味わうことができる。結構いい曲である。

 さらに最後の2曲「ザ・ジプシー」「幸運な兵士」はメロディアスな曲である。「幸運な兵士」の方は、バックになんとリッチーのアコースティック・ギターが流れるのである。どこにもエレクトリックな音は聞こえず、印象に残るようなギター・リフもない。
 しかしリッチーがアコースティック・ギターだけを演奏する曲がディープ・パープルのそのほかのアルバムにもあったのかどうか。あったとしても第1期の時代だろう。

 ギター・リフといえば、全体的に残るようなリフは見られない。シングル・カットされた「嵐の女」も印象的なメロディに欠けるし、おもわず口ずさむようなギター・リフがないのが、このアルバムの印象無さを裏付けているようだ。

 たぶん制作過程で、リッチーがやる気をなくしたのだろう。でもディープ・パープルとして聞くのではなく、いちロック・ミュージックとして聞くと、前述のようにすばらしい曲もある。車の中で聞くと、結構いいBGMとしても機能する。 個人的には何度もいうが好きなアルバムなのである。

 だからリッチー脱退後、バンドがとった道は、このファンキー路線をさらに踏襲するべく、アメリカ人ギタリスト、トミー・ボーリンを加入させた。彼らが発表したアルバム「カム・テイスト・ザ・バンド」も名盤である。

Come Taste the Band Music Come Taste the Band

アーティスト:Deep Purple
販売元:Wea Japan
発売日:1998/06/30
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 ディープ・パープルと聞くと、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」「ハイウェイ・スター」といったハード・リフをもった曲を思い出し、どうしてもそういう印象が強くなってしまい、パープル=ハード・ロックというラベルを貼ってしまうのだが、もともとはサイケデリックなバンド、アート・ロックだったのだ。だからファンキーな路線に変更したとしても、それはそれでバンドの成長過程と思えばよかったのでる。しかしやはり熱心なファンは、それを許さなかったのだと思う。

 ところで速弾きのルーツはリッチー・ブラックモアだったという。彼が最初に一音一音きちんとピッキングをして演奏した最初のギタリストだそうだ。それまでのギタリスト、アルヴィン・リーやトニー・アイオミなんかはピッキングはあまりしなかったといわれている。

 そのリッチーも今はアコースティックな中世音楽に走ってしまい、というか若い女に走ってしまい、もう彼の速弾きを聞くこともない。残念なことである。

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2007年6月 1日 (金)

アメリカ西海岸ミュージシャンの人脈

 最近どうも気になるのが、60年代~70年代アメリカ西海岸周辺のミュージシャンの人脈である。誰が誰とどうつながっているのか、こんがらがってきたので、ここで一度きちんと整理したいと思う。

 とりあえず2つのB、つまりバッファロー・スプリングフィールドザ・バーズまでさかのぼることとする。
 バッファロー・スプリングフィールドは66年に結成され68年に解散した。メンバーの中には、後にCSN&Yの中の2人になる、スティーヴィン・スティルスとニール・ヤングがいたし、リッチー・フューレイと途中メンバーに加わったジム・メッシーナは、68年にポコを結成し、翌年デビュー・アルバムを発表した。
 また、CSN&Yのデヴィッド・クロスビーは元バーズであるが、これはまたあとで述べることとする。

 そのポコには、スティール・ギターの名手ラスティ・ヤングやベースのランディ・マイズナーがいたが、ランディ・マイズナーはデビュー・アルバム発表前に脱退して、リック・ネルソン&ストーン・キャニオン・バンドに加入した。のちにリンダ・ロンシュタットのバック・バンドを経て、イーグルス結成につながるのである。

 ジム・メッシーナの方は、71年に脱退し、ケニー・ロギンスとロギンス&メッシーナを結成し、数々のヒットを放った。

ベスト・フレンズ Music ベスト・フレンズ

アーティスト:ロギンス&メッシーナ
販売元:ソニーレコード
発売日:1995/06/21
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 さらには中心メンバーであったリッチー・フューレイは73年にグループを離れ、J.D.サウザー、クリス・ヒルマンらと新しいグループ、サウザー・ヒルマン・フューレイ・バンドを結成した。

 ここでバッファロー・スプリングフィールドとザ・バーズの接点が見出された。

トラブル・イン・パラダイス Music トラブル・イン・パラダイス

アーティスト:サウザー・ヒルマン・フューレイ・バンド
販売元:ヴィヴィッド
発売日:2006/04/19
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 しかし皮肉なことに、彼らがグループから離れたあと、ポコはアルバム・セールスが好調になり、「シマロンの薔薇」「インディアン・サマー」など名盤が生まれている。

シマロンの薔薇 Music シマロンの薔薇

アーティスト:ポコ
販売元:MCAビクター
発売日:1994/11/23
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 さらに、77年にはベースのティモシー・シュミットがイーグルスに移籍し、ポコは新メンバーを加入させた。イーグルスのランディ・マイズナーがソロ活動を始めたからである。

 つまりイーグルスのベース奏者はポコから来たことになる。そういう意味では、ポコとイーグルスは深い関係があるのである。

 これだけでも結構な人脈だと思う。さて次はザ・バーズである。彼らは1963年に結成されているので、バッファロー・スプリングフィールドより少し早い活動開始である。
 カントリー・ロックというより、フォーク・ロックと呼ばれていて、リーダー格のロジャー・マッギンの12弦ギターは当時から有名であった。また、オリジナル・メンバーのデヴィド・クロスビーは、グループのフォーク・ロックからの変容を嫌がり、脱退して、CSNに参加。のちにニール・ヤングも加わり、CSN&Yになる。

ミスター・タンブリン・マン Music ミスター・タンブリン・マン

アーティスト:ザ・バーズ
販売元:Sony Music Direct
発売日:2005/04/06
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 68年にグラム・パーソンズがわずか3ヶ月間だけ加入し、「ロデオの恋人」を発表し、ザ・バーズはフォーク・ロック~サイケデリック・ロックからカントリー・ロックに移行した。
 そのグラム・パーソンズは元バーズのクリス・ヒルマンとフライング・ブリット・ブラザーズを結成した。
The Gilded Palace Of Sin Music The Gilded Palace Of Sin

アーティスト:The Flying Burrito Brothers
販売元:Edsel
発売日:1994/06/16
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 そしてそのフライング・ブリット・ブラザーズには、バンジョーやスティール・ギター奏者のバーニー・レイドンがいた。
 のちに彼はランディ・マイズナーやドン・ヘンリーとともに、イーグルスを結成することになる。ここでやっとバッファロー・スプリングフィールドとザ・バーズとイーグルスが結びつくのである。
イーグルス・ファースト Music イーグルス・ファースト

アーティスト:イーグルス
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2005/12/21
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 もう少し詳しく調べようとも思ったのだが、時間が来たのでこれくらいにしよう。また機会があればここに載せたい。

P.S.
 よく考えたら、バーズのドラム担当、マイク・クラークは70年代にファイヤー・フォールというバンドのオリジナル・メンバーにもなる。ほんとにきりがないなあ・・・

Elan Music Elan

アーティスト:Firefall
販売元:Collectables
発売日:2002/09/24
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