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2007年6月 5日 (火)

紫の雨

 梅雨の季節である。最近は雨模様の天気が多く、少し肌寒い日もある。5月のほうがむしろ暑い日々だった。

 それで雨といえば、ジリオラ・チンクエッティの「雨」を思い出す。まだ小学生のときにラジオで初めて聞き、しばらくたって中学生のときに何回か聞いて覚えてしまった曲である。
 この曲は1969年のサンレモ音楽祭で入賞した曲だそうである。

 Photo Music ベスト・オブ・ジリオラ・チンクェッティ

アーティスト:ジリオラ・チンクェッティ
販売元:イーストウエスト・ジャパン
発売日:1993/04/25
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 彼女はイタリア人で、カンツォーネを歌っていたのであるが、この歌で日本でも一躍有名になった。この後彼女は70年代でも活躍するのだが、この曲以降はよく知らない。

 これ以外にもビートルズの「レイン」や映画音楽(明日に向かって撃て)の「雨に濡れても」、カスケーズの「悲しき雨音」、アイアン・バタフライの「レイン、レイン」、ガンズ&ローゼズの「ノウヴェンバー・レイン」など“レイン”と名がつく曲は、それこそ枚挙に暇がない。

 今回はタイトルが示すとおり、プリンスの1984年の名作「パープル・レイン」を紹介する。彼は1958年、アメリカの中部ミネアポリスで生まれた。
 20歳でプロ・デヴューし、ほぼすべての楽器を一人でこなすという、まさに天才ぶりを発揮している。

 80年代初頭から有名になり、そのセクシーな歌い方や卑猥な内容の歌詞などから、黒いミック・ジャガーといわれていた。口の悪い人は、爬虫類のような気味の悪さとも言っていた。

 基本的に彼の音楽は、ブラック・ミュージックの範疇で語られるのだが、しかしそれだけではなく、ポップな面や激しくロックする一面もあり、簡単に片付けられない幅広い音楽性を備えていると思う。

 特にギターの腕前は、ジミヘンばりであり、ステージ上では特注のギターをしごきながら、弾きまくっていた。やはり生まれ備わった才能であろうか。

 それで「パープル・レイン」である。これは同名の映画のサウンドトラックなのだが、どの曲もシングル・カットがねらえるほど、優れたアルバムである。実際、「ビートに抱かれて」、「レッツ・ゴー・クレイジー」、「ダイ・フォー・ユー」、「パープル・レイン」などがシングルカットされたと思う。これだけでも8曲分だから、結局9曲しかないアルバムなので、残り1曲だけ残ったことになる。

 Photo_2 Music パープル・レイン

アーティスト:プリンス&ザ・レヴォリューション
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2005/05/25
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 前作の2枚組アルバム「1999」でも4枚シングル・カットされたので、この時期の彼は、シングル・アルバムともに売れに売れていたことになる。
 まさにこの時期の彼は神懸り的な活動と成果を残していて、続く「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・ディ」、「パレード」、「サイン・オブ・ザ・タイムズ」、「ラヴセクシー」、「バットマン」(サウンドトラック盤)までは、まさにプリンスの前にプリンスはなく、プリンスのあとにプリンスはいないという絶頂期を迎えている。唯一無比の存在でありながら、誰もその音楽性に太刀打ちできる人はいなかった。彼の独壇場である。

 80年代はプリンスであった。そんな彼も90年代に入ると、迷いが生じたのか、マンネリ状態に陥ったのか、自分の音楽的財産を食いつぶすようになり、名前の改名や私生活上の変化なども重なって、低迷状態が続くようになった。

 そんな彼も21世紀に入って、何かが吹っ切れたように活動的になった。名前も元に戻し、最新作はなにやら意味不明なタイトルだが、好評で、セールス的にも伸びたとのことである。

 2 Music 3121

アーティスト:プリンス
販売元:ユニバーサルインターナショナル
発売日:2006/03/20
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 このままシーンの最前線に躍り出て活躍を続け、ラップやダンス・ミュージック一辺倒のブラック・ミュージック界をリードしていってもらいたいものである。


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