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2007年7月 9日 (月)

E,W&F

 アース・ウィンド&ファイアーのベスト・アルバムは、「太陽神」であると思っている。原題を"All'n'All"という。

 Efw2 Music All 'N All

アーティスト:Wind & Fire Earth
販売元:Sony International
発売日:1999/07/27
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 この意味は不明なのだが、リーダーのモーリス・ホワイトが言うには「いろいろな意味を重ね合わせたもの」らしい。

 ジャケットを手がけたのは日本人の長岡秀星で、大変見事なジャケット・デザインになっている。テーマは「時の流れ」+「人間の情熱」=「無常観」である。
 確かに表に描かれたエジプトのピラミッドと裏にある宇宙基地が人類の発展と時間の経過を表しており、万物は流転するの言葉通り、物事は移り変わっていくのである。

 当時のE,W&Fはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。75年の「暗黒への挑戦」が全米No.1になって以降、ライヴ盤「灼熱の狂宴」、76年の「スピリット」が全米2位と売れ続けていたのであり、これほど売れるブラック・アーティストはスティーヴィー・ワンダーくらいしかいなかったのではないかと思うのである。

 そしてこの「太陽神」である。チャート的には全米3位だったものの、トリプル・プラチナ・アルバムで300万枚以上売れたし、日本でも当然ながら売れまくったのである。何しろこの私がLPでも持っているくらいだから、売れに売れたのだ。

 また彼らの来日コンサートも評判になり、ベーシストはワイヤーで宙吊りになったり(もちろん演奏しながらである!)、モーリス・ホワイトがピラミッドの中に入って消失するというマジックの実演もあったのである。
 こうなるとまさにエンターテインメントの世界である。ラスベガスのショウ並みである。しかも演奏自体はまさに手抜きなし、アルバム以上の音だから観客動員数も当時としては画期的な数字を残したのだ。

 アルバムの内容もトータル・アルバム的な色彩が強く、1曲目の「太陽の戦士」と続く「宇宙のファンタジー」は鳥肌が立つほどの見事な構成だった。
 そして間奏曲の「市のたつ広場」を経て、「銀河の覇者」へと続くのである。

 またE,W&Fといえばディスコ・ミュージックと思われかねない面もあるが、このアルバムの中にある「聖なる愛の歌」や「ビー・エヴァー・ワンダフル」のようなバラード調の楽曲も捨てがたいのである。
 このグループからフィリップ・ベイリーという素晴らしいボーカリストが生まれたが、モーリス・ホワイトとの2人の絡みは見事なものであった。

 この後、彼らは「黙示録」「創世記」などのビッグ・ヒット・アルバムを連発しながら、時代のイコンとして輝いていく。
 しかしその輝きも長くは続かなかった。80年代半ばになると、モーリス・ホワイトやフィリップ・ベイリーがソロ・アルバムを発表するようになり、グループとしての人気も下降線をたどる様になったのである。

 Ewf Music Earth Wind & Fire - Greatest Hits

アーティスト:Earth Wind & Fire
販売元:Delta No 1
発売日:1998/11/17
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 また時代もディスコ・ミュージック全盛時代からグランジやオルタナへと移行していくにつれて彼らも時代に取り残されるようになった。まさに無常な世界なのである。

 彼らは今でも来日して演奏しているが、昔のような輝きはもうない。しかし輝きはなくとも一時代を築いた点では歴史に残る偉大なグループだったと思うのである。


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