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2007年9月18日 (火)

刺青の男

 さて今回は、9月も半ばを迎え、秋もいよいよ深まりつつあるということで、ローリング・ストーンズの「刺青の男(タトゥー・ユー)」を紹介しよう。

3_2 Music 刺青の男(でかジャケ)

アーティスト:ザ・ローリング・ストーンズ
販売元:EMIミュージック・ジャパン
発売日:2006/03/15
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 何しろ秋といえばストーンズである!?夏のストーンズももちろん素敵だが、この季節感とのミス・マッチのようでいて、そうでないところにストーンズの作品の偉大さがあるのだ。

 などと勝手なことを書き並べているが、ストーンズのオリジナル22作品目の「刺青の男」は1981年の夏の終わりにリリースされた。だからこのアルバムは、秋のアルバムなのである。

 それで解説によると、81年のアメリカ・ツアーに先駆けて、ツアー用に急遽発表したアルバムだそうだ。
 もちろん全てオリジナル作品なのだが、急に企画されたために、すべてが書き下ろし作品ではなくて、一部の曲は昔の未発表曲に手を加えて発表されている。

 例えば"Slave"と"Worried about you"は「ブラック&ブルー」の頃の録音で、"Worried about you"のギター演奏はウェイン・パーキンズである。また、"Tops"は73年の「山羊の頭のスープ」の頃の録音、"Waiting on a friend"は74年の「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」のアウトテイクで、いずれも当時のギタリスト、ミック・テイラーの音を聞くことができる。

 しかし頭から最後まで聴き通しても、それほど違和感がない。年代のばらつきを感じさせないのだ。これはもちろんストーンズの力量というかストーンズらしい点ではあるが、ミックスを担当したボブ・クリアマウンテンのなせる業だと思うのである。

 このアルバムは、1曲目~6曲目はロックン・ロールやアップ・テンポの曲、後半の7曲目~11曲まではスローなバラード系で占められていて、昔ロッド・ステュワートが自分のレコードでやったような工夫がされている。
 これはパーティなどでかけやすいように配慮したものと、キース・リチャーズが言っているが、CD時代の今ではあまり必要ないのかもしれない。
 しかしこの"Tops"や"Heaven"、"No use in crying"のようなスローな曲を聴くと、70年代中期、ちょうど"悲しみのアンジー"のときの彼らの音楽を思い出す。あの頃は本当にメロディアスな楽曲が多かったなあ・・・

 このアルバムでは、結構いい曲が多く、1曲目の"Start me up"は、その後のツアーでオープニング・ナンバーになったほどの曲。ちなみにこの年のツアーは、彼らの歴史を刻むほどの伝説的なライヴになり、その後ライヴ・アルバムやライヴ映像としても残されたほどであった。

 またアップ・テンポの曲には覚えやすいメロディをもった曲があり、"Hang fire"や、キース・リチャーズが歌う"Little T&A"、"Neighbours"などは聞きやすくて、一緒に口ずさめそうなサビを持っている。
 そしてスローな曲は先ほどのように、70年代のテイストを持っていて、しかもそれが5曲も続くと、ついつい余計な感傷にふけってしまうのである。
 だからこのアルバムは、秋にふさわしいアルバムであり、秋という時期にこそ聴くべきアルバムなのである。

 このときミック38歳。まさに脂の乗り切った時期に制作されたアルバムなのである。


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