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2007年10月25日 (木)

ハミングバード

 ハミングバードとは、ハチドリのことである。蜂のように小さくて、ヘリコプターのように空中で止まったり、自由に上下高低に飛ぶことのできる鳥のことである。

 この名前を冠したロック・バンドがあった。1975年にデヴューしている。メンバーは、
ボーカルにボブ・テンチ、
ギターがバーニー・ホランド、
ベースはクライヴ・チャーマン、
キーボードにはマックス・ミドルトン、
そしてドラムスがコンラッド・イシドールであった。

 そう、見てわかるように5人中3人が第2期ジェフ・ベック・グループに在籍していた。第2期ジェフ・ベック・グループが解散したのは1972年7月のことであったが、残ったメンバーのボブ、クライヴ、マックスの3人が中心となって結成された。73年とも74年とも言われていて、ハッキリしたことは不明である。

 しかし1stアルバム「ハミングバード」は1975年に発表されているので、いずれにしても結成はそれ以前ということになる。

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 当時のイギリスではソウル・ミュージック(黒人音楽と当時は言われていた)に影響を受けたロックが流行しており、もちろんジェフ・ベック・グループもその1つであった。
 また、ジャズ・ロックというジャンルも存在していて、コロシアムやテンペスト、ソフト・マシーンなどがその中心となっていた。

 これらの動きが混在しながら進んで行き、やがてはフュージョンやクロスオーヴァーなどにつながったのではないかと思っている。

 それでこのハミングバードもソウル・ファンク色の強いグループであった。1stではほとんどの曲をドラマーのコンラッド・イシドアが手がけていて、以前ジェフ・ベックが「ラフ・アンド・レディ」などで演奏していた曲をもう少しファンキーにしたものになっている。
 要するにボーカルがメインの「ラフ・アンド・レディ」というところだろうか。実際、インストゥルメンタルは1曲しかないのである。

 個人的には結構気に入っていて、車の中でよく聞いたものだ。ノリがいいので、車の中で聞くと、何となく走りがよくなっているような気がしたのだった。

 ところがバンド内ではあまりいいとは思われていなかったらしい。もう少しファンキーというかアドリヴが入るような余地がほしいということで、コンラッド・イシドア以外は不満をもらしていた。
 それでドラマーのコンラッドが退団し、アメリカ人のバーナード・パーディが加入。またサポート・ギタリストとしてロバート・アーワイという人も参加している。この人は3枚目のアルバムでバーニー・ホランドと交代することになった。

 76年に2ndアルバム「密会」が発表されたが、1stよりもファンキーで、タイトル通りに艶っぽくなっている。

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 女性コーラスも配置され、1stよりマック ス・ミドルトンのシンセサイザーやキーボードが目立っている。
 また曲の雰囲気もロック色は薄くなり、フュージョンの先駆けとも思えるような軽快で、かつリズムが複雑な曲が目立っている。

 確かに各プレイヤーの自由度は増えたと思うのだが、ゴリゴリのロック派からすれば、ちょっとテクニックやソウル・ミュージックに走りすぎているのではないかなとも思える。何しろハーモニカまでフィーチャーされているのだから、かなりの路線変更だと思う。

 だから個人的には2ndよりも1stの方が好きだった。もちろん2ndにもよい曲はある。マックスのシンセが目立つ"Gypsy skys"、ジェフ・ベック・グループの“オレンジ・アルバム”に収められてもおかしくない"Heaven knows"、ギターがメインの"Scorpio"などである。

 1stではコンラッドが主に作曲していたので、アルバムとしての統一感があったが、2作目では各人がそれぞれフィーチャーされた曲があるので、全体としては散漫な印象を受けるときもあった。
 テクニック的にはみんな折り紙つきなので、申し分ない。ただインストゥルメンタルが4曲に増え、ボーカル曲とほぼ半々になっている点については賛否両論あるかも知れない。

 何で今頃ハミングバードについて書いているのかというと、最近彼らの紙ジャケット・アルバムが出たからである。特に2ndと3rdの「ダイヤモンドの夜」は世界初CD化ということらしくて、店頭でも宣伝されていた。
 それで今回2ndを購入してみた次第ということである。

 彼らは77年に解散するのだが、世間的にはこの2ndアルバムが一番人気が高く、最高傑作と評価されているらしい。
 ソウル・ミュージックは不思議なことに、何年たってもあまり古臭さを感じさせないようだ。彼らが制作したアルバムも30年以上立っている割には古くはないと思う。いまどきの季節に聴くにはいいアルバムだと思う。


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