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2007年12月 6日 (木)

レッド・ローズ・スピードウェイ

 中高生の頃、遅れてきたビートルズ・ファンとしてもっとたくさんビートルズ関係のアルバムを聴きたいと思っていた。だから矢継ぎ早に手にとって聴いていた。ビートルズ自身のアルバムはもちろんのこと、ビートルズの4人のソロ・アルバムはよく聴いたものだった。

 この時期になると、ポール・マッカートニーの「レッド・ローズ・スピードウェイ」をよく聴いた。たぶん寒い時期に友だちに借りて聴いていたのだと思う。

レッド・ローズ・スピードウェイ Music レッド・ローズ・スピードウェイ

アーティスト:ウイングス
販売元:EMIミュージック・ジャパン
発売日:1995/11/08
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 「レッド・ローズ・スピードウェイ」は1973年の5月に発表された。だから本当は冬に聴くアルバムではなくて、初夏に聴くものである。でも自分は暖かいストーブのある家の中で聴いていた。

 彼の経歴の中で、このアルバムの占める位置は決して高くはない。「バンド・オン・ザ・ラン」に比べると、当然の如くかなり評価が下がるようだ。でもこのアルバムが好きな人は決して少なくないはずだ。
 当初、ポールは2枚組のアルバムを予定していたらしい。そして彼の言葉を借りれば「中にはピンク・フロイドのような曲もあるよ」というものであった。どの曲がピンク・フロイドなのかよくわからないが、たぶん8曲目の"Loup"ではないだろうか。

 この曲はエコーをビンビンに効かせたギターとシンセサイザーで主に構成されているインストゥルメンタル曲だからだ。でもそこはポールで、もっとまろやかなピンク・フロイドに変身している。

 いきなりマイナーな曲から紹介してしまったが、もともとこのアルバムには"Hi,Hi,Hi"
や"007死ぬのはやつらだ"が収録される予定であった。でもこれらはアルバム発表前にシングル・カットされてしまったので、このアルバムには収録されなかったのである。

 しかしこのアルバムには、全米No.1を4週連続記録した名曲"My love"があるのだ。このヒットのおかげでアルバム自体も全米No.1を記録した。

 それ以外にも"Get on the right thing""One more kiss""Little lamb dragonfly"などキャッチーでメロディアス、中学生の自分でも歌えるようなそんな曲が多いのである。

 特筆すべきは当時のLPのB面の各曲である。組曲形式ではないのだが、良質なメロディをもった曲が続くのである。最初の"Single pigeon"は1分52秒という短い曲で、すぐに"When the night"が始まる。この曲も良い曲だ。ピアノ中心のシンプルな曲なのだが、そのシンプルさが良い味を出している。これより少し前のポールの不遇時代を反映しているかのようだ。

 そして例のピンク・フロイドっぽい曲"Loup(1st Indian on the moon"を挟んで、メロディ形式で4曲続くのである。全体で11分少々であるが、4曲ひとつずつ独立させても充分単独の曲として通用すると思う。聴いた人はたぶんそう思うのではないだろうか。

 a) Hold me tight 、b) Lazy dynamite 、c) Hands of love 、d) Power cutの4曲であるが、個人的にはb)のLazy dynamiteが好きである。もっと長く聴きたい曲であったが、これも3分くらいで次の曲に移ってしまう。
 c) Hands of loveも短いが佳曲である。アコースティック・ギターが中心であるが、本当にポップなのである。何となくこんな曲を作ってみたけどどうかな、という感じなのである。

 当時のポールからすれば、お遊び程度で作ったような気がするのだ。メロディーの最後の曲d) Power cutも最後の曲だから盛り上げようか、せいのーっという感じだ。ラストはそれまでのLazy dynamiteやHands of loveのサビの部分をのせて一気にエンディングに向かっている。ちょうど"All you need is love"のようなものである。

 LPには少し分厚いブックレットが付いていて、ポール個人の年表やメンバーそれぞれの写真などもあった。CDにはそんなものは付いていないが、ボーナス・トラックが3曲付いている。どちらがいいか意見の分かれるところだが、やはりブックレットの方が価値がありそうだ。

 とにかく、ここからポールの怒涛の前進が始まるのである。このアルバムを契機に、再び世界の表舞台に躍り出て行った。それは「バンド・オン・ザ・ラン」、「ヴィーナス・アンド・マーズ」で頂点を極めるのだが、その出発点になったのはこのアルバムなのである。

 そういう意味では、ポール・ファンのみならず全世界の音楽ファンにも、もう一度聴いてもらいたいアルバムなのである。


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