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2008年2月 7日 (木)

ブロンディ

 以前にも書いたが、大学時代に一時パンクやニュー・ウェーヴを聴いていた頃があった。ポリスやストラングラーズ、パティ・スミス、ケイト・ブッシュまでもひっくるめて聴いていた。

 その頃流行っていたのが、アメリカのバンド、ブロンディだった。リード・ボーカルのデボラ・ハリーはマリリン・モンローの再来とまでいわれ、音楽よりもイメージ先行の趣の方が強かった。

 もともとブロンディというグループ自体70年代半ばに起きたニューヨークのパンク・ムーヴメントの中から出てきたのである。
 デボラ・ハリーはマイアミ生まれのニュー・ジャージー育ちで、ハイスクール時代からバンド活動を行っていた。その後、ニューヨークでモデルや美容師の仕事を経験しながら並行してバンド活動を行い、アメリカ・パンク発祥の地として有名なCBGBを拠点として活動をしていた。

 彼女はのちに別れることになるのだが、当時は恋人であったクリス・スタインと出会いブロンディを結成し、76年にデヴューを果したのだが、最初はパンクのイメージで売っていたせいか、なかなか売れなかった。

 ニューヨーク・パンクの女王といえば、やはりパティ・スミスの方が人気・知名度ともに上で、どうしてもブロンディは二番煎じのような感があった。
 自分もラジオや雑誌などで、その存在は知っていても積極的に聴こうとは思わなかった。

 それが一転して聞きたくなったのは、シングル"ハート・オブ・グラス"のヒットであり、そのシングルを含むアルバム「恋の平行線」を知ったからであった。

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 78年に発表された彼らの3枚目のアルバムは彼らの代表作というだけでなく、その後に続く彼らの黄金時代を築くきっかけにもなったアルバムであった。

 このアルバムからのシングル"ハート・オブ・グラス"は米英ともに1位になり、アルバムもアメリカでは6位、イギリスでは見事1位に輝いている。
 このシングル以外にも、イギリスでは"ピクチャー・ディス"が12位、"ハンギング・オン・ザ・テレフォン"は5位、"サンデー・ガール"は"ハート・オブ・グラス"に引き続き1位を記録している。
 またアメリカでも"どうせ恋だから"が24位と中ヒットを記録しており、このアルバムはある意味では隠れた傑作、彼らの代表作のひとつといってもいいくらいの中身の濃いアルバムだと思っている。

 この後、1年おきに「恋のハートビート」、「オートアメリカン」とアルバムが大ヒットを記録し、この頃のブロンディはまさに飛ぶ鳥を落とすほどの勢いだった。

 デボラ・ハリーは1945年7月生まれといわれており、デヴュー当時すでに30歳を超えていた。
 だからどうした、ロックに年齢が関係あるのかと言われそうだが、別に深い意味はない。ただ妖艶なイメージがあったために、当時はもう少し若いかなと思ったのだ。だから今彼女は60歳を超えているが、まだまだ元気である。
 彼らは1998年に再結成し、ロックの殿堂入りを果したが、それだけで終われないとばかりに2006年にもコンサートを行っている。

 ちなみにバンド・メンバーでギタリストのクリスとデボラは恋人同士と書いたが、クリスが白血病にかかってリタイア状態になったときは、デボラ・ハリーがバンド活動を中止してまで彼の看病にあたったといわれている。

 クリスはその看病のおかげか?病気から完全に快復している。しかしのちにふたりは別れて、クリスは1999年に女優のバーバラ・シクランザという人と結婚し、アキーラとヴァレンティナという2人の娘をもうけている。

 だからこのアルバムのタイトル「恋の平行線」のように、2人の関係は平行線をたどったのである。
 この辺が日本人のメンタリティと違うところで、日本人は別れたらおしまいだが、外国人特にアメリカ人は、感情と仕事とは別ものとばかりに、別れても仕事は一緒という関係は普通のようである。

 とにかくこのアルバム「恋の平行線」は、彼らがビッグになる前のエネルギーを充填した画期的なアルバムだと思っている。だからかもしれないが、いま聴いても全然古臭さを感じさせないような音が鳴っているのである。


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