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2008年3月29日 (土)

フォックストロット

 1972年に発表されたジェネシスのアルバム「フォックストロット」については、確かに彼らの初期においての最高傑作アルバムだといえる。

Photo_5 Music フォックストロット

アーティスト:ジェネシス
販売元:EMIミュージック・ジャパン
発売日:1995/11/29
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 全6曲であるが、レコードではサイドAは4曲、サイドBは2曲という構成であった。キング・クリムゾンから譲り受けたメロトロンを前奏に持ってきた"ウォッチャー・オブ・ザ・スカイ"から始まり、ハモンド・オルガンがリードする"タイム・テーブル"、詩がシュールで奇抜な"ゲッテム・アウト・バイ・フライディ"など、どちらかというと、ギターよりもキーボードが目立つ曲が多い。

 ギターが目立つといえば4曲目の"キャン-ユーティリティ・アンド・ザ・コーストライナーズ"でアコースティック・ギターのアルペジオで始まっているくらいだろうか。でも途中でメロトロンやオルガンが挿入されているし、ベースもクリス・スクワイアばりにビンビン鳴らされていて、いつのまにかギターの音はかき消されてしまっている。

 そういえば3曲目の"ゲッテム・アウト・バイ・フライディ"でもバックで鳴っていたように思う。でもどちらかというとリフで攻め立てるとか、メロディアスなリード・プレイがあるというわけではなかったと記憶しているが、どうだったろうか。

 自分の好みをいえば、基本的にギターとキーボードが拮抗しているような曲やそういう曲を演奏するバンドが好きなのである。
 だからイエスやピンク・フロイド、キング・クリムゾンは好きだし、キャメルやマイナーだけどバークレイ・ジェームス・ハーヴェストも好きである。

 それではE,L&Pのようなギターレスのバンドはどうかというと、最初からギターがないと分かっているので、それはそれでまた大好きなのである。

 だけどジェネシスは、スティーヴ・ハケットというギタリストがいるのも関わらず、そんなに目立つようなフレーズやプレイがなかったように思う。むしろキャメルのアンディ・ラティマー方が叙情的なプレイが目立つように思えた。

 だからジェネシスはあまり好きでなかった。そしてスティーヴ・ハケットがソロになってアルバムを出したと聞いたときは、むしろビックリしてしまった。そんなに曲が書けるとは思っていなかったからだ。
 さらにまたそのアルバムが恐ろしくファンタジックで、一聴しただけで好きになってしまったことにも自分ながらに驚いてしまった。

2 Music Voyage of the Acolyte

アーティスト:Steve Hackett
販売元:Astralwerks
発売日:2005/10/11
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 その後の彼のアルバムについては、このブログでも紹介しているのでここでは割愛をするが、逆に考えると、ジェネシスというグループでは彼の実力を充分に発揮できなかったからソロとして独立したということだろうか。

 とにかくジェネシスというグループは、ギターはそんなに目立つほどではないものの、確かな演奏力や曲の構成力と何よりもボーカルのピーター・ガブリエルの声を変えて歌ったり、シアトリカルな演技などの表現力がメインだったということが分かる。

 特にこのアルバムが発表された初期では、彼の存在なくしてはジェネシスを語ることはできない。

 それでも昔はこのアルバムをよく聴いたものだった。何しろジェネシスとして初めて買ったアルバムでもあったからだ。
 しかしCD時代の今では珍しくもないが、このアルバムは50分以上もあったので、カセットテープに全曲収めることは不可能だった。だから3曲目の"ゲッテム・アウト・バイ・フライディ"はカットして録音した覚えがある。

 でもジェネシスのほかのアルバムについては大学生になるまではそんなに聴かなかった。また録音をしようにも“ジェネシスはどのアルバムも50分近くあるよ”という師匠の忠告を覚えていたので、最初から録音をあきらめていた。

 そして1978年になってプログレ・バンドからポップ・バンドへと転身したあと、ようやく彼らのアルバムを本気になって聴こうと思い、「フォックストロット」から「月影の騎士」、「トリック・オブ・ザ・テイル」、「静寂の嵐」と順番に聴いていった。(「眩惑のブロードウェイ」は2枚組だったので、後回しにしていた。結局聴いたのは就職してからだった)

 80年代に入ってからのジェネシスは、ポップ化が成功したせいか全世界的に有名なバンドになってしまった。その頃も長めの曲はやっていたが、初期の頃のようなくぐもった音ではなくなった。
 音がクリアになった分、文学性や叙情性が薄れていったように思える。だからというわけではないのだが、昔のジェネシスが懐かしいのである。


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