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2008年4月19日 (土)

エイミー・ワインハウス

 イギリスでは若手の女性シンガーが人気である。ジョシュ・ストーン、リリー・アレンやKT・タンストールなどの名前をよく聞くのだが、いま評判なのがエイミー・ワインハウスとアデルである。

 今回はグラミー賞5部門を獲得したエイミー・ワインハウスのことを書くことにした。何しろ2006年に発表された彼女のセカンド・アルバム「バック・トゥ・ブラック」は、いまだに売れ続け全英チャート10位以内に入っているのである。

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 第50回グラミー賞のときのブログにも書いたのだが、彼女は1983年9月生まれの24歳。父親はタクシー・ドライバー、母親は薬剤師という家庭に生まれたが、9歳の頃に両親が離婚をしたらしい。

 離婚をしたあとも、彼女は父親、母親と交流を保っていたようで、家では母親の趣味であるキャロル・キングやジェイムス・テイラーを聞き、父親からはジャズ・シンガーであるサラ・ヴォーンやダイナ・ワシントンを聞かされたという。

 結局、彼女はアメリカのシンガー・ソングラーターよりもジャズやソウル・ミュージックを選んだようで、「バック・トゥ・ブラック」を聴いても分かるように、60年代のモータウンや女性グループの影響が強い音楽を好んでいる。

 特に60年代に一世を風靡した女性3人組ロネッツの影響を濃く受けているようである。まずその髪型と化粧(アイライン)である。頭の上高く髪を巻き上げている。これをビーハイヴ・ヘアというらしい。ビーハイヴとは“蜂の巣”のことである。確かにスズメバチの巣のように見える。
 またエジプトのクレオパトラのようなアイラインはキャッツアイと呼ばれるようだ。文字通り“猫の目”のように見える。Photo

 これらはロネッツが60年代に行っていたものであるが、エイミーはそれを堂々と見習っているかのようである。

髪型やお化粧だけでなく、音楽的傾向も昔の焼き直しのようなところもある。基本はソウル・ミュージックなのだが、歌い方がロネッツのようでもあり、昔のジェファーソン・エアプレインのグレイス・スリックのようでもある。要するに可憐さと迫力を兼ね備えているのだ。

 彼女は14歳から作曲を始めたようだが、このアルバム「バック・トゥ・ブラック」でも全ての曲に関わっているから、たいしたものである。

 ただ早熟の天才は、その生き方も早熟であった。10代から酒と男に溺れ?最近ではドラッグにも手を出している。
 だから16歳で退学処分を受けているし、15歳で入れ始めた体のタトゥーは、いまでは12、13個くらい彫りこんでいるようだ。Photo_2

 音楽面では天才的なのだが、そのライフ・スタイルは自由奔放であり、要するに勝手気ままなのである。
 インタヴューやライヴをすっぽかすのは日常茶飯事。ライヴ中にもお酒を飲みながら歌うのだから、飲んだくれが歌っているようなものである。

 また昨年の5月には1歳上の音楽プロデューサーと結婚をした。人気急上昇中なので、普通なら仕事に精を出して、同棲はしても結婚はしばらく後にするのが普通だと思うのだが、ここで結婚まで一気にいってしまうところがエイミーらしいのである。

 そしてその夫とともに麻薬所持と密輸疑惑で逮捕されているし、リハビリ施設に入所もしている。シングル・ヒットになった"リハブ"では、“絶対にリハビリ施設には行かない”と歌っていたのに今年の1月にも入所したようである。

 そういう彼女の生き方が若い世代を中心に共感を呼んでいるのであろう。共感を呼ぶといっても賛成しているわけではなく、自分たちができないことをいとも簡単に行っていることが羨ましく映るのだろう。

 とにかくこのアルバムは昔のソウル・ミュージックや女性グループの曲のリメイクのようなものなのだが、結構それがハマってしまうのである。歴史は繰り返すという見本なのであろうか。
 (ロック20年周期説によると2000年代は80年代のリメイクであるし、80年代は60年代の焼き直しなのだから、彼女のような音楽が流行るのも当然なのかもしれない)

 ちなみに“ワインハウス”という名前は本名である。“名は体をあらわす”というが、彼女が“アル中”になったのも、ある意味仕方がなかったのかもしれない。


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