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2008年4月11日 (金)

トゥルー・カラーズ

 80年代を代表する女性アーティストの一人にニューヨーク出身のシンディ・ローパーがいる。彼女はエキセントリックかつユーモラスな言動で、一躍時の人となった。

 もちろんそれはそのユニークな性格から来たものだけではなく、シンガーとしての確かな実力があったことはいうまでもない。
 彼女が1984年に発表したデヴュー・アルバム「シーズ・ソウ・アンユージャル」は、全米でダブル・プラチナ・アルバムとなり、翌年のグラミー賞ではベスト・ニュー・アーティストに、第1回のMTV大賞では最優秀女性ビデオ賞に輝いている。

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アーティスト:Cyndi Lauper
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 このアルバムからのファースト・シングルの「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」はヒット・チャートに急上昇して第2位に輝き、セカンド・シングルの「タイム・アフター・タイム」は全米第1位になった。

 またサード・シングルの「シー・バップ」は第3位、「オール・スルー・ザ・ナイト」が第5位となり、デビューアルバムから4曲連続トップ5入りした初の女性ソロ・アーティストとなったのである。

 そんな彼女が2年後に発表したセカンド・アルバム「トゥルー・カラーズ」がこれまた素晴らしいアルバムになっている。Photo
 1st・アルバムで自信を深めたのであろう。このアルバムには自作の曲やデビュー前に活動していたグループの曲、1965年にヒットした"アイコ・アイコ"、71年にマーヴィン・ゲイが歌ってヒットした"ホワッツ・ゴーイン・オン"などが収められていて、いずれも非常に味わい深いものがある。

 このアルバムからも1st・シングル"トゥルー・カラーズ"が2週連続No.1になっているし、2nd・シングル"チェインジ・オブ・ハート"は3位に、3rd・シングル"ホワッツ・ゴーイン・オン"は第12位になっている。

 またゲストも豪華で、バック・コーラスにはビリー・ジョエルやバングルス、ギタリストには80年代を代表するプロデューサーでもあったナイル・ロジャース、キング・クリムゾンのエイドリアン・ブリュー、ハード・ロック・バンドであったエドガー・ウィンター・バンドのリック・デリンジャーなどが参加している。

 特にリック・デリンジャーとは曲も共作したり、一緒にツアーにも同行したりしていて、当時のコンサート・フィルムでも彼の勇姿を確認することができる。当時の2人のコラボレーションはとてもうまくいっていたようである。

 話は前後したが、このアルバム・タイトルにもなっている"トゥルー・カラーズ"は確かに名曲である。この春の宵にはぴったりのバラードであるし、続く曲"嵐の中の静けさ"逆にアップ・テンポでロックしていて、隠れた彼女の名曲だと思う。この辺のバランスが見事である。

 またマーヴィン・ゲイの"ホワッツ・ゴーイン・オン"はほぼ原曲のままに歌われているのだが、それがまたマーヴィン・ゲイとは違う意味で反戦の気持ちがよくあらわれているように思える。

 彼女はまさに“アンユージャル”のように思えるのだが、内面は非常に繊細でかつ母性愛に溢れている人だと思う。
 例えば彼女はデヴュー前に“ミホ”という名前の日本レストランで働いていた。下積みの時代で音楽的にも売れずに非常に苦労したらしい。

 そのレストランの経営者は日系の鈴木サクエさんという女性で、彼女はそういうシンディに対していつかは売れるようになるから頑張るようにと何度も励ましたという。
 また彼女だけでなく、彼女のバンド仲間もそのレストランで働いていたりと何らかの形でお世話になっていたようである。

 1989年に、コンサートで来日したとき、ある番組の企画でシンディと鈴木さんが再開した。いわゆる“ドッキリ”番組のようなものなのだが、そのときシンディは涙を流して再開を喜んだらしいのだ。

 そういう一面が日本でも根強い人気となって彼女を支えているのだろうし、アメリカでも彼女は男性より女性の方に人気があるとのこと。彼女のファンは、彼女の外面よりも内面の方を支持している証拠ではないだろうかと思うのである。

 そんな彼女は44歳で初めての出産を経験し、男児を生んでいる。ちなみに夫は11歳年下の俳優デヴィッド・ソーントンである。(彼は“ホーム・アローン3”や“ジョンQ”などに出演している)

 念願の子どもを授かってから、彼女の母性愛はますます大きくなってきたようである。阪神・淡路大震災ではチャリティに協力して募金活動を行い、地雷廃止運動の一環としてのコンサートにも積極的に参加している。
 また人権擁護活動や同性愛者支援コンサートにも協力的で、そういう姿勢が男女を問わず世界的に共感を得ているのであろう。

 ヒット曲はそんなに多くはないものの、自分にとってはフェイヴァレットなミュージシャンなのである。


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