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ドゥービー・ブラザーズ

 昔々、自分が大学生の頃、知り合いに医科大の大学生がいた。彼は東京の東村山市出身で、医者になりたくて、とりあえず合格できそうな?地方の大学を受験し、合格した。

 その人も音楽が好きで、大学の頃はジャズにハマっていたが、基本はロックだったと思う。そういえばニール・ヤングが大好きで、彼のアルバムはブートレッグも含めてほとんど全て持っていた。

 ニール・ヤングが好きということは、そこから派生してくるCS&NやCSN&Yは当然のこと大好きだったが、不思議とブルーズは聞いていなかった。あまりに泥臭かったのだろうか。ジャズに走ったのも洗練された音楽が好きになったのかもしれない。

 その彼がニール・ヤング以外に持っていたアルバムがドゥービー・ブラザーズである。自分もドゥービーの名前ぐらいは知っていたし、代表的な曲も聞いたことはあったが、アルバムを通して聞いたことは、残念ながら、まだなかったのである。

 それで「キャプテン・アンド・ミー」を聞いて冒頭の3曲に感動してしまった。"ナチュラル・シング"、"ロング・トレイン・ランニン"、"チャイナ・グローブ"、特に"ロング・トレイン・ランニン"、"チャイナ・グローブ"はいつ聞いても素晴らしい楽曲だと思った。

キャプテン・アンド・ミー Music キャプテン・アンド・ミー

アーティスト:ドゥービー・ブラザーズ
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
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 この冒頭3曲の素晴らしさに匹敵するのは、エルトン・ジョンの「黄昏のレンガ路」、デヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」のそれぞれの冒頭3曲くらいだろうか。

 それ以外にも"ウイズアウト・ユー"、"イーヴル・ウーマン"もいい曲であり、彼らのベスト・アルバムに収録されている場合もあるくらいだ。
 またジャケットも何となく哲学的な意味合いを持っているようにも見えた。建設途中のハイウェイをバックに、馬に跨るメンバーたち、単なる懐古趣味に終わらない現代文明批判のような味わいを醸し出している。

 そしてこのアルバムから2年後の1975年に発表されたのが「スタンピード」だった。このタイトルの"スタンピード"というのは銃声に驚いた牛の群れなどが一斉に同じ方向に走り出すことを意味するものらしい。そこから群集心理や集団心理を指すようになったらしい。

Stampede Music Stampede

アーティスト:The Doobie Brothers
販売元:Warner Bros.
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 個人的には1曲1曲の楽曲では「キャプテン・アンド・ミー」の方が、アルバム全体の統一感では「スタンピード」の方が優れていると思っている。
 このアルバムでも"ロング・トレイン・ランニン"や"チャイナ・グローブ"に匹敵する"スウィート・マキシン"や"ニールズ・ファンダンゴ"で始まっている。ヒットはしなかったものの、この2曲も疾走感に溢れている。

 それに意外とコーラスも上手なのである。イーグルスをはじめ、西海岸のグループはいずれもコーラス・ワークに長けている。これもCS&Nの影響であろうか。

 このアルバムからのビッグ・ヒットといえば"君の胸に抱かれたい"であり、これはオリジナル作品ではない。また"レイニー・デイ・クロスロード・ブルーズ"にはライ・クーダーが参加しているし、"ハングマン"にはマリア・マルダーがボーカルに参加している。

 この6分を超える"ハングマン"こそが、このアルバムのハイライトだと思っている。静かに徐々に盛り上がっていくギターやストリングスをバックに美しいハーモニーが広がっていくのである。
 後半はトランペットがフィーチャーされていくのだが、これがギターだったらもっと良かったのにと思う。この辺はオーヴァー・プロデュースだといわれても仕方ないのかもしれない。
 しかし直後の曲"プレシー"ではジェフ・バクスターのアコースティック・ギターが曲の余韻を引き締めてくれているようだ。

 このアルバムからトリプル・ギターになり、それまでのダブル・ドラムスにプラスして重厚な仕上がりになっている。

 “ドゥービー・ブラザーズ”というのは“マリファナを回し飲む仲間”を意味するスラングだそうだが、このグループのメンバーたちも出入りは多かったものの、脱退したあとも仲良く付き合っている。“名は体を現す”というのはこういうことを指すのだろう。

 冒頭の医大生も今では立派な開業医として眼科のクリニックを開いている。ただ東村山ではなくて神奈川県の海老名市というところである。
 自分たちは残念ながら“ドゥービー・ブラザーズ”ではなかったせいか、その後音信も途絶えたが、彼から教えてもらったこのアルバムは終生忘れることはできないであろう。

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