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2008年10月 5日 (日)

サヴォイ・ブラウン

イギリスの三大ブルーズ・バンドのひとつであるサヴォイ・ブラウンは、ギタリストのキム・シモンズのバンドといっていいだろう。

 このバンドについては、残念ながら2枚のアルバムしか持っていないので、その全容について語る資格はない。ただ以前述べたチキン・シャックよりも正統的なブルーズ道を追求している感じがする。

 キム・シモンズは1947年にサウス・ウェールズにニューブリッジというところに生まれた。13歳でギターを始め、15歳で学校を卒業した後は事務仕事をしながら、1966年にサヴォイ・ブラウンを結成した。
 それ以来、彼はグループの中心人物として牽引してきたのである。

 彼らが1970年に発表したアルバム「ルッキング・イン」は、それまでのブルーズ・ロックからややハード・ロックよりに移った内容のものであった。

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 アルバムは短いインストゥルメンタルの"ジプシー"、"ロマノフ"が最初と最後に配置されていて、ややトータル・アルバムっぽい雰囲気を与えてくれている。
 内容も充実していて、ロック色の強い"プア・ガール"から泥臭い印象の"マネー・キャント・セイヴ・ユア・ソウル"、インストゥルメンタルの"サンデイ・ナイト"、"シッティング・アンド・シンキング"など幅広い音楽性を示している。

 特に"シッティング・アンド・シンキング"はアメリカでシングル・カットされている。そのせいかアルバムはチャートの39位に上がり、彼らにとって初めてのトップ40以内に入ったヒット・アルバムになった。

 しかし“好事魔多し”の喩えではないが、このヒットがきっかけで、更なるブルーズ道を追求しようとするリーダーのキムとロック寄りの方向を求める他のメンバーとの意見の対立が顕在化し、結局他の3人はサヴォイ・ブラウンを脱退し、新しいメンバーを加えてニュー・グループを結成した。

 それがフォガットという名前のグループであり、彼らはブルーズをベースに、より幅広い音楽性を求めていったのである。

 元のグループのサヴォイ・ブラウンもメンバーの脱退にもめげず、他のグループからメンバーを補充し、その後も数多くのアルバムを発表している。

 キム・シモンズは、現在もサヴォイ・ブラウンの名前でイギリスやアメリカをツアーしているようである。彼のブルーズ道追及の情熱は未だに枯れていないらしい。
 そういう彼らの軌跡を手っ取り早く知りたい人は、ベスト・アルバムが最適である。

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アーティスト:Savoy Brown
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これを聞くと、当初のブルーズから微妙にロック寄りになりながらも、結局ブルーズに回帰してしまう彼(彼ら)の気持ちがよくわかるのである。

 ブルーズとは、人生そのものであるかもしれない。つまりその人の生き様というものであろうか。ほかのメンバーがどうであろうと、サヴォイ・ブラウン、言い換えればキム・シモンズは、自分の信念を貫いたのである。

 彼にとって、手っ取り早く名誉やお金を求めようとすれば、もう少しハード・ロックやポップな路線を歩めば、ことは簡単だったろうと思うのだが、それをしなかった。元のバンド・メンバーは彼より有名になり、お金持ちになったが、彼はそれをどう思ったのだろうか。

 その後の彼のブルーズ道を見る限りは、そういう毀誉褒貶に惑わされずに自分の音楽を追求しているようだ。そういうひたむきさがいまだに彼やサヴォイ・ブラウンを支えているのである。


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