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2008年12月25日 (木)

トルバドール

 本当にイギリスという国は日本より小さいのに、文化的な面、特に音楽については世界をリードしていると思う。とにかく雨後のたけのこのように、次から次へと新人バンドやミュージシャンが誕生しているのだ。
 しかも新人とはいえ、それなりに音楽的な力量も備えているのだから、いかにイギリスの音楽レベルが高いかがわかると思う。

 このブログでもその一部を紹介してきたが、とてもすべてを紹介しきれるものではない。それでも何とか自分の気に入ったものについては紹介していきたいと思っている。

 それで今回は、イギリスはリヴァプール出身の4人組ザ・トルバドールズである。もうこの“リヴァプール出身の4人組”というキャッチフレーズだけで、ロックの歴史に刻まれているあの超有名な4人組と比較されてしまいがちだが、このザ・トルバドールズは、なかなかどうして、その比較に耐えうるものを持っているのである!

 彼らが今年の秋に発表したアルバム「ザ・トルバドールズ」には、キャッチーでメロディアスなロックやポップな曲が詰め込まれている。

ザ・トルバドールズ Music ザ・トルバドールズ

アーティスト:ザ・トルバドールズ
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 特に2曲目"Superstitious"や4曲目"Surrender"、シングルカットされた"Gimme Love"を聞けば、その意味するところがすぐにわかると思うのである。

①3部のコーラスを聞かせてくれる
②残響空間処理が60年代している
③サビのメロディが覚えやすい
④バラエティにとんだ楽曲で占められている
⑤'60s、'70sの雰囲気がよく出ている

 世界で最も有名な4人組といくつかの共通点があるが、とにかくそのソングライティングの巧みさは近年出た新人バンドの中では群を抜くものだと勝手に思い込んでいる。

 特に"The Scene, it keeps changin'"のようなスローなバラードタイプの曲や"Con Edison"のようなアップテンポの曲を聞くと、本当に21世紀のバンドなのだろうかと思ってしまった。まるでホリーズやハーマンズ・ハーミッツのような60年代のビート・グループを思い出させてくれるからだ。

 アルバムには11曲収められているが、そのすべてを作詞作曲しているのが、ギター&ボーカルを担当しているマーク・フリスという人である。

 イギリスの大物プロデューサーであるジョン・レッキーは、彼のことを“10年に1人の逸材”と評して早速彼らのシングルのプロデュースを買って出たし、あのポール・ウェラーも彼らのことをいたく気に入ってしまい、自分たちのツアーのオープニング・アクトに起用してしまったということらしい。

 そういうことで既に伝説は着々と作られているのである。確かに今までの“第2の~”と言われてきたグループは、確かにメロディはポップで、甘く切ない印象を与えてきたが、このグループはそれだけでない多様性というものを持っている。
 
 よく1stアルバムを聞けばそのグループの方向性や将来性が図られるといわれるが、このザ・トルバドールズは先人たちの二番煎じだけでは終わらない技巧的な側面を持っているのだ。

 確かによくプロデュースされているアルバムなので、新人としての若々しさやロックとしての疾走感には欠ける面はあると思う。だから彼らの真価が問われるのはこの次のアルバムからになると思う。

 しかし、それにしてもこのメロディセンスはそれらを補って余りある素晴らしいものがある。願わくば日本だけでなく、イギリス本国でも彼らの実力が認められて、“リヴァプール出身のあの4人組”のように、国民的人気バンドになってほしいものである。


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