ダリル・ウェイズ・ウルフ
最近1枚の紙ジャケットのアルバムを手に入れた。それがダリル・ウェイズ・ウルフというバンドの「ナイト・ミュージック」(邦題:群狼の夜の歌)というものである。
ところがこのアルバムは2800円もしたのである。基本的に紙ジャケットは高額なのだが、それでも2600円を超えるぐらいで、2800円というのはいかにも高い。
理由はSHM-CDという通常のCDとは異なり、限りなくマスター・クォリティに近づいた高音質、高品質のCDだからということらしい。
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群狼の夜の歌(紙ジャケット仕様) アーティスト:ダリル・ウェイズ・ウルフ |
それで貧乏人の自分は、一瞬躊躇したものの清水の舞台から飛び降りるつもりで購入してしまった。それで実際に耳を通すと、結果的には結構いけるアルバムだったのである。
まずジョン・エサリッジのギターが素晴らしい。この人はこのバンド解散後に、ソフトマシーンに加入するのだが、とにかく早弾きなのである。
ソフトマシーンというバンドは、ジャズを基本としたロック・バンドなのだが、そのバンドにはアラン・ホールズワースという天才的な早弾きギタリストがいた。どのくらい早いかというと、とにかく弾いている指が一瞬見えなくなるくらい早いという事である。
そんなギタリストの抜けた穴を十分補うことができたというのだから、このジョン・エサリッジという人もまた天才的ということがわかる。このアルバムでも"Black September"やインストゥルメンタルの"Flat2/55"を聞くと、その事がよくわかると思う。
そしてダリルの弾くヴァイオリンもまた効果的に使用されていて、ギターとヴァイオリンが相乗効果を及ぼしている"The Envoy"は必聴曲だと思う。とにかくスリリングな演奏とはこの事を言うのではないだろうか。
そして彼らの3枚目のこのアルバムからボーカリストが加入している。ジョン・ホジキンソンという人なのだが、この人が歌に専念しているおかげでボーカル・パートとインストゥルメンタル・パートが充実していて、これまたこのアルバムの価値を高めているのである。
だから最初は非常にマイナーなアルバムと思ったのだが、聴いているうちに結構名盤の域に達するようなアルバムではないかと気づいたのである。
このアルバムのオリジナルは、1974年に発表されているのだが、彼らの残した3枚のアルバムのうちベストではないかと思ったりもした。
最初のアルバム「カニス・ループス」は叙情的ではあるものの少し中途半端な感は否めないし、セカンド・アルバムの「サチュレーション・ポイント(飽和点)」はインストゥルメンタル重視になっていて、演奏力には特筆すべき点があるものの、歌ものとしての要素は少ない。
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カニス・ループス+2(紙ジャケット仕様) アーティスト:ダリル・ウェイズ・ウルフ |
その点、このアルバムは前2作を反省したような音作りになっていて、非常にバランスの取れた内容になっているのである。
だから売れた、というのは真実ではなく、それでも売れなかったようである。結局、セールス的にも不振を極めたために?、彼らはこの後、解散してしまいロック史から消えてしまった。残念な事である。
その後、ダリル・ウェイは以前いたバンド、カーヴド・エアに再加入し、ジョン・エサリッジはソフトマシーンに、ドラマーのイアン・モズレーはオランダのバンド、トレースに加入した後、1984年からはイギリスのマリリオンに加入してプレイしている。
また、ベーシストのデク・メセカーはこの後、キャラヴァンに加入している。
こうやって見ると、確かにマイナーなバンドなのだが、個人個人を見れば、その後結構活躍しているのである。こういう人脈図ができるのもプログレッシヴ・ロックの特長なのかもしれない。
決して歴史に残るような名盤ではないのだが、歴史を彩ったアルバム群の一枚ではないだろうか。
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コメント
マスタークオリティには遠く及ばないですよ。なんせSACDにも及ばないですし…紙ジャケもいらないと思われ…
結局単なる値上げでしょう
投稿: 歳夫 | 2009年1月16日 (金) 23時58分