チェインジリング
毎月1日は「映画の日」ということで、誰でも1000円で映画を見る事ができる。便利な制度があるものだ。それで今回はアンジェリーナ・ジョリーが出演している“チェインジリング”を見に行った。もちろんひとりである。
この映画なかなかの力作である。まずアンジェリーナ・ジョリーの演技が素晴らしい。言われてみないとアンジーとは気づかなかった。
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オリジナル・サウンドトラック Changeling アーティスト:クリント・イーストウッド |
今までの彼女のイメージにはどうしても“トゥームレイダー”シリーズの印象が強く残っていて、アクション・シーンには強いけど、演技力はどうかなという不安があったように思えた。
確かに以前、アカデミー賞助演女優賞を獲得したことがあるし、この作品でもアカデミー賞主演女優賞にノミネートされていたから、演技力には定評があるのかもしれないのだが、それでもアクションだけでなく内面の微妙な心理を演技できるのだろうかという不安は拭いきれなかったのである。
ところがこの映画では、子どもをなくした(正確にいうと、行方不明になった息子を探す)母親の心理を上手に表現しているのである。しかもただ単に悲しんだり、落胆したりするのではなく、捜査は終わったと宣言している警察に対して、憤ったり、哀願したり、抵抗をみせるという微妙な演技も見事にこなしている。確かに主演女優賞にノミネートされただけのことはあると思った。
この映画を見て驚いた事は2つある。まずこの映画が事実に基づいたものだという事である。あまり詳しく書くと見てない人には申し訳ないのだが、子どもの失踪事件から入れ替え事件につながり、さらには連続殺人事件として発展していく様子が圧倒的なリアリティをもって迫ってくる。事実がもつ重みである。しかもロスアンジェルスという昔も今も大都会である街の中で起きたのである。
もう一つは警察の腐敗である。1928年という時代は日本では昭和3年にあたり、社会主義運動が活発になり、満州事変の遠因にもなった張作霖が爆殺された年であり、アメリカでは禁酒法時代の真っ只中でもあった。
男女同権といわれているアメリカでもやっと女性の社会進出が認められ、スカートの丈がくるぶしから膝まであがるようになった時代である。映画の中でも街中を走る電車よりも車がゆっくりと走っていたが、馬車が原付のエンジンで動くような感じであった。
また禁酒法のせいでギャングが幅を利かせ、一部の警察とギャングは相互に利権を守りあうパートナーでもあった。
この映画ではギャングは出てこないが、暗に賄賂の横行や組織の腐敗などが描かれているし、主人公を全面的にバックアップする社会活動家の牧師は、ラジオ放送を通してそうした警察を声高らかに糾弾していく。
警察はプロパガンダとして彼女の立場を利用しようとする。何よりも市民のことを第一に考え、優先して解決しようとし、その結果無事に子どもが戻ってきたという設定である。ところが、彼女は自分の子どもではないという。警察はスピーディに問題を解決したがったために、これはもう解決済みの事件であり、彼女の方が結果に対応できていないと反論する。
さらには彼女の言動から彼女を反体制派として考えるようになり、ついには警察署から直接、精神病院に移送してしまう。これが法律的に認められていたというのだから、今から考えれば人権軽視もはなはだしい感がある。
しかも病院には彼女のような立場の人は少なからずいたのである。まるで第二の拘置所だ。
結局は、彼女の立場が認められて、無事に戻ってきて法的手段をとるのであるが、署長は担当者を停職処分にして、問題を早く解決しようとするし、市長も選挙が近いので幕引きを急がせるのであった。この点は現代社会でも似たようなものであり、同種のような駆け引きはよく見られる。
今ではDNA鑑定があるので同種の事件がおきても、ものの数週間で解決するのであろうが、当時はこういうことには科学的な判定が困難であったのであろう。映画の中では歯医者が以前の歯のカルテ結果から違うと断定するのだが、主人公にとっては大いに勇気づけられたに違いない。
日本でも“神隠し”などと呼ばれていたし、このようなことはあったのかもしれない。ごく最近もある県で試験管の中の受精卵を取り違えて移植するということがあり、中絶せざるをえなくなった悲惨な事件があったが、これがもし気づかずにいたら、あるいは気づいても事件になるのを恐れてそのままにしておいたらと思うと、まさに現代版チェインジリングである。
ちなみに"Changeling"とは妖精や邪悪な鬼が取り替えた子どもの事を指すらしい。その子どもの多くは元の子どもより醜いという。
製作と監督はクリント・イーストウッドで音楽も監修している。相変わらずジャジーなテーマ・ソングが素晴らしい。もう80歳近いのに相変わらず高い製作意欲である。さて次回はどんなテーマで賞の候補にノミネートされるのだろうか。楽しみである。
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コメント
週末から、岩城・宇崎のプレミアムショーに。(チケット無料でゲット)宇崎さん63歳・岩城さん58歳スゴーッ!かっこ良かったですよ。バックのギター・ジャズピアニスト・ドラムなどの方々はみんな若い人。 若者も育てているんでしょうね。きっと。
久しぶりに懐かしい音に出会い、大人の音楽に触れられたような・・。そんな素敵なコンサートでした。
今度は、お酒でも飲めるような場所での会場がいいな・・なんて。
1日は福岡のキャナルでRUAという外国人アーティスと小倉出身の二人組の生ライブ。YES,WE CAN!というタイトルにも惹かれましたよ。
彼らの歌声に、リズムをとり楽しい気分に。少々若返ったかな?!
劇団四季のライオンキングにも感動。一度見た人が「もう一度みたい」という気持ちわかりました。
久しぶりに生の音に沢山触れて幸せ・・・。
投稿: プリティーカントリー | 2009年3月 2日 (月) 22時45分