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フォルムラ・トレ

 最近、フォルムラ・トレの「神秘なる館」を聞いた。彼らが1974年に発表したグループとしての最後のアルバムらしいのだが、どうも私の感性が鈍ったせいか、プログレッシヴ・ロックとは思えないイタリア歌謡の歌ものアルバムとしてしか思えなかった。

 “フォルムラ・トレ”というのは、日本語で“3つのかたち”という意味のようである。実際にバンド構成は、ギターとキーボード、ドラムスの3つの楽器で成り立っているから、そういうネーミングにしたのだと思う。

 彼らは1968年に結成され、70年に1stアルバムを発表した。73年に解散したそうなので、このアルバムは彼らの解散後に出されたものであろう。

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 とにかく全編にわたって、イタリア語で歌われていて、南国のムードや雰囲気がよく伝わってくる。そういう意味では非常に聞きやすくて、好盤だと思うのだが、では一家に一枚の愛聴盤になるかというと、それはちょっと“勘弁四万十川”である。“勘弁四万十川”というのは一種のジョークなのでそんなに気にする必要はない。例えて言うなら、“勘弁島倉千代子”のニュー・ヴァージョンくらいと受け止めてもらえるとありがたい。

 だから全然ロック的ではないのである。ロックの持つ疾走感や焦燥感、躍動性、破壊性とは対極的存在である。ライナーノートには“華麗なアコースティック・ギターとバンド・アンサンブルのバランスが絶妙”とかあったような気がしたが、某女優ではないが、“別に~”という感じもするのであった。

 しかもボーカルがメインなので、あくまでも演奏はところどころ表に出るものの、全体的には引き立て役なのである。だから2,3回聞いたところで、CD棚の中になおしてしまった。

 本当に彼らのバンド・アンサンブルを聞きたいのなら、1972年に発表された彼らの3作目のアルバム「夢のまた夢」がお薦めである。このアルバムでは、インストとボーカル部分がバランスよく(若干インスト多め)収められていて、ある意味映画のサウンドトラックのような印象を与えてくれる。

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 全体が4つのパートに分けられていて、そのうち3つは組曲のような形式になっている。中でも“男と女のお話”はボーカル主体の歌謡もので、こういう歌をモチーフにして次作のアルバム「神秘なる館」が作られたのだろう。

 そしてアルバムの最後を飾る曲“永遠”はなかなかドラマティックな曲になっていて、キース・エマーソン風のグランド・ピアノの連打やオルガンなどの他のキーボードとエレクトリック&アコースティック・ギターの組合せが秀逸だと思う。クラシカルな雰囲気と現代的な空気が見事にマッチしているのである。

 3人組なので、エマーソン、レイク&パーマーと比べがちだと思うのだが、あそこまでテクニック重視ではない。あくまでも歌心を大事にした3人組のプログレ・バンドと考えた方がいいと思った。

 そういう意味ではワールド・ワイド的な人気を獲得するのは難しいと思うのだが、イタリア人の国民性には十二分にあっていると思うのである。

 彼らは数年間の活動期間を経て解散するのだが、このバンドのギタリストとキーボーディストは新しいバンドを結成して、さらなる足跡を残すのであった。

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コメント

 FORMURA TREと言えば、イタリアものでは絶対に落とせないグループですね。私にとっても大切なと言うか忘れ得ないと言うか?とにかく惚れ込んだグループでした(もちろん解散してからの話ですが)。なんと言っても、1990年に再結成していますが、それよりは73年の解散の後のイル・ヴォーロIL VOLO(74-75年)に魅力があるからです。イタリア臭さそのもののGigantiのテンペラも加わってのスーパー・グループイル・ヴォーロを是非堪能して下さい。とにもかくにもフォルムラ・トレでは「夢のまた夢」が私はやっぱり一押しですね。ラディウスのギターがほんとにいい思い出です。

投稿: 風呂井戸 | 2009年3月10日 (火) 20時32分

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