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オアシス

 兄弟でバンドをやっているのはロック界では珍しくはない。古くはイギリスのジャパンやアメリカのヴァン・ヘイレン、日本の鈴木慶一とムーンライダーズ、新しいところではアメリカのブラック・クロウズやイギリスのオアシスなどがあげられるだろう。

 そのうちのオアシスのノエルとリアムのギャラガー兄弟は仲がよいのか悪いのかよくわからないほど喧嘩を繰り返してきた。もう何度も解散寸前までいったことがある。でもやはりそこは血を分かち合った兄弟、最終的には仲直りをしてはバンド活動を続けてきている。

 また兄弟間だけでなく、その歯に衣着せぬ物言いは多くの他のバンドやミュージシャンにも及んでいる。はっきり言って彼らほど品格のないミュージシャンはいないのではないかと思えるほどだ。
 特に同じイギリスのミュージシャンであるブラーやレディオヘッド、エルトン・ジョンやフィル・コリンズにロビー・ウィリアムズ、アメリカのグリーン・デイ、エミネム、ジェイ・Z、バックストリート・ボーイズなどには、かなりひどい悪口を言っている。特にバックストリート・ボーイズには“射殺すべき”といい、ブラーには“エイズになって死んでしまえ”とまで言っている。(ブラーには後に謝罪しているが、後の言動から見てもちろん本心からではないだろう)

 そんな彼らが1995年に発表したアルバム「モーニング・グローリー」は歴史的な名盤である。とにかくどの曲もいい。彼らが全曲シングル・カットを考えたことからもその素晴らしさがわかると思う。

モーニング・グローリー Music モーニング・グローリー

アーティスト:オアシス
販売元:エピックレコードジャパン
発売日:1995/10/10
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 チャート的に見てもイギリスでは当然のことながら1位、アメリカでも4位を記録しているし、全世界的にも2000万枚以上も売れたといわれている。日本では"Morning Glory"がCMソングにも使用されたほどだ。

 彼らは英国人としての、しかも労働者階級出身としてのプライドが強く、彼らのフェイヴァレット・バンドはザ・ビートルズとセックス・ピストルズである。特にビートルズからはかなりの影響を受けていて、曲の雰囲気からビートルズのあの曲とまでわかるものまである。

 ほとんどの曲は兄のノエルが作っているのだが、確かにビートルズ・ライクなところはあるものの、メロディのよさや曲作りの巧さなどは同時代の他のバンドと一線を画しているように思う。
 とにかく一緒になって歌えるところが素晴らしいし、決して偏見ではないのだが、パブで酒を飲みながら歌えるような要素も兼ね備えているのだ。この辺が彼らを国民的なバンドに押し上げたのだろう。

 彼らの最新作は昨年発売された「ディグ・オウト・ユア・ソウル」である。これは数年の不振を一気に晴らすかのような充実した内容になっている。

ディグ・アウト・ユア・ソウル Music ディグ・アウト・ユア・ソウル

アーティスト:オアシス
販売元:SMJ(SME)(M)
発売日:2008/10/01
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 ジャケットを見ればわかるように、ビートルズの「マジカル・ミステリー・ツアー」のようなサイケデリックでトリップ感覚にあふれていて、内容的にもビートルズの後期のような作風である。
 このアルバムもほぼ全曲シングル・カットされるくらいにメロディが優れているし、久しぶりにタイトで粘っこいリズムを聞くことができる。決してハード・ロックではなく、ハードなロックをやっているオアシスを堪能することができた。これは彼らの原点回帰なのだろうか。

 "The Turning"、"The Shock of the Lightning"、"I'm Outa Time"、"Falling Down"などは推薦曲である。もしジョン・レノンが生きていてビートルズが再結成したら、こういう曲を作るだろうという雰囲気に満ちている。また曲によってはメロトロンも使用されていて、これも後期のビートルズのようでもあった。

 とにかく彼らの作る曲は素晴らしいし、当然のことながら世間に認められ、アルバムも売れるだろう。
 しかしどう考えてもわからないのは、こういう素晴らしい名曲群が、他人のことを平気で罵詈雑言するような人たち(特にギャラガー兄弟)から生まれてくる不思議さなのである。この名曲とそれを作る人たちの品格とのギャップが大きすぎるのだ。

 ひょっとしたらイギリス国民はこのギャップを楽しんでいるのだろうか。それとも曲は曲、人は人と割り切って考えているのだろうか。この辺が極東の田舎に住んでいる自分にはわからない。

 オアシスは現代のビートルズであると同時に、現代のモーツァルトである。彼らは才能に満ち溢れた賞賛に値するグループであると同時に、ある人たちから見れば品格を失った憎むべき悪党どもである。
 しかし、ここは一つ心を大きくして、悪ガキどもが作った名曲たちを愛した方が私たちにとっては身のためかもしれないのだ。

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コメント

こんばんは。

最初に彼らを聴いたときはグジャ~ッとしたビートルズだなと思いましたが、確かにソングライティングの能力は素晴らしいですね。

才能が宿るのは良家の子女だけとは限らないのが面白いところで、石炭掘ってたらダイヤモンドが出てきたみたいな? まさにワーキングクラス・ヒーローですね。

投稿: music70s | 2009年3月27日 (金) 00時47分

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NO.00171 オアシスのセカンドアルバム『モーニング・グローリー』(1995年) “暴力的音楽兄弟”第2弾です。(笑) オアシスの中では、このアルバムかファーストアルバムが1番人気が高いと思いますが、OZZY的には断然こっちです。 雑に分けてしま....... [続きを読む]

受信: 2009年4月11日 (土) 01時16分

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