レア・バード
グリーンスレイドのところで思い出したのだが、ギターレスのプログレ・バンドで有名なところは、まずはキース・エマーソンのいたザ・ナイスやエマーソン、レイク&パーマーといったところだろう。
あるいはパトリック・モラーツのいたレフュジーや“オランダのナイス”ともいわれたトレースも当てはまると思う。
無名どころでは、3台のメロトロン奏者がいたスプリングなどはこのブログでも取り上げたので知っている人は知っていると思うし、知らない人は知らないはずである。(でもスプリングはギターも演奏しているし、純粋にキーボードだけの音楽というわけではなかった)
今回取り上げるレア・バードもキーボード主体のイギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドだった。
結成されたのは1969年ごろで、早速その年にデビュー・アルバムを発表している。その中に収められていた"シンパシィ"という曲がヒットして、一躍有名になったそうだ。
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レア・バード (輸入盤 帯・ライナー付) アーティスト:レア・バード |
メンバーはグラハム・フィールドという主にオルガン関係を演奏する人を中心にして、もう一人のキーボーディストとベーシスト、ドラマーの4人組だった。
こうやってみるとグリーンスレイドと全く同じメンバー構成である。2人のキーボーディストのギターレス・バンドというのは、レア・バードのほうが先輩格だったのである。
自分は残念ながら彼らの1stアルバムは入手していない。だからよくわからないのだが、1970年に発表された2ndアルバム「アズ・ユア・マインド・フライズ・バイ」は中古CDショップで運良く手に入れることができた。
それで音を聞いてみたところ、ハモンド・オルガン主体のプログレ・ミュージックであった。全5曲で、そのうち最後の曲"Flight"は4つのパートに分かれた組曲形式になっていて、時間的に19分41秒という長尺曲になっている。
ただ他の曲は時間的には短く、長くても6分に足りない程度で、短い曲は2分39秒しかない。
曲調はグリーンスレイドの1stアルバムによく似ていて、たおやかでゆったりとリラックスした雰囲気を醸し出している。また演奏よりもボーカルをメインにした曲が多く、そういう意味では歌を聞かせるプログレッシヴ・ロックといえるかもしれない。
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As Your Mind Flies By アーティスト:Rare Bird |
ただ、グリーンスレイドと違うところはメインがハモンド・オルガンやチャーチ・オルガン、エレクトリック・ピアノやハープシコードといったところで、シンセサイザーやメロトロンは聞き取ることができなかったので、使用されていない可能性が強いということだ。たとえ使われていたとしても、ほんの味付け程度と思われる。
その点グリーンスレイドでは、一人がオルガンを弾いていたら、もう一人はシンセやメロトロンを弾いていたりして、2人の掛け合いを楽しむことができた。それがないのが残念である。
このアルバム中にある3曲目の"Hammerhead"がロックっぽくて気に入ったのだが、それでも3分30秒しかないからちょっと物足りなかった。
最後の組曲"Flight"は途中ダレルところはあるものの、女声コーラスも取り入れながらの力作に仕上げられていて、なかなか良かった。
特に導入部のアップテンポのところは、いかにも今から旅立とうとする雰囲気が出ていたし、終わりのところで、ラベルの“ボレロ”のフレーズが出てくるのだが、その演出についても興味深かった。
例えていうと、音数のやや少ないリック・ウェイクマンがコーラス隊の前でパフォーマンスをしているという感じである。もちろんオーケストラはそこには存在しないのだが・・・
しかし2台のキーボードを使用している割にはちょっと物足りない気がする。当時の録音技術的な面もあるかもしれないが、これならマイク・オールドフィールドなら俺一人でも演奏できるぞと言うだろう。
実際、このあとのレア・バードは2枚ほどアルバムを発表したのだが、キーボーディトが一人になり、ギタリストが加入して普通のロック・バンドになってしまった。だからこのセカンドまでが彼らの全盛期で、これ以降は商業的にもうまくいかなかった。
どうもキーボード主体のバンドというのは、一時は脚光を浴びても長続きはしないようである。やはり表現力に限界があるのだろうか。それともギターの方が目立つし、アタッチメントをつければどんな音も出せるし、軽薄短小の時代にはマッチしたということだろうか。どのバンドも不思議と短命なのである。
というわけで、このレア・バードは名前の通り“希少な鳥”になってしまった。“春眠暁を覚えず”ではないが、春のうららかな日にぼんやりと聞き流すにはちょうどよいBGMになる音楽である。
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