« マイク・マクギア | トップページ | スティーヴ・マリオット »

2009年6月 7日 (日)

神様と野球王

 最近は休みの日になると、CDショップに通っているような気がする。これはもうほとんど病気みたいなもので、自分でもどうしようもないと思っている。これをやめたりすると、病気になるかもしれない。

 たとえばランナーズ・ハイみたいなもので、長距離を走り続けると脳内麻薬成分であるエンドルフィンが分泌されて気分が高揚してくるようだが、自分の場合も、面白そうなCDをあさっているときに、このような状態になっているのかもしれない。だから止められないのだと自分で勝手に解釈している。

 それでこの前あさっていたら、以前から興味のあったCDを2枚見つけてしまった。1枚はイギリスのザ・ゴッズというグループが1968年に発表したアルバム「ジェネシス」のことである。

ジェネシス(紙ジャケット仕様) Music ジェネシス(紙ジャケット仕様)

アーティスト:ゴッズ
販売元:EMIミュージックジャパン
発売日:2009/05/13
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 何でこのグループに興味があったのかというと、メンバーに有名ミュージシャンがズラリとそろっているということだったのだが、でもアルバムのライナーノートを読んで、正確にいうと自分がそう思い込んでいたに過ぎないということがわかった。

 もともと自分が思い込んでいたメンバーは次の通りであった。
ギター・・・ミック・テイラー
ベース・・・グレッグ・レイク
キーボード・・・ケン・ヘンズレー
ドラムス・・・リー・カースレイク

 なかなか豪華メンバーだと思っていたのだが、実際はちょっと違うのである。もともとこのメンバーのリーダーはキーボード&ボーカルのケン・ヘンズレーで、みんなも知っているように、彼とドラマーのリー・カースレイクは後にユーライア・ヒープを結成することになる。

 もともとケン・ヘンズレーはギターを弾いていたようで、10代の頃はB.B.キングやベン・E・キングの英国公演のバック・バンドのメンバーだったようである。だからブルーズやソウル・ミュージックに興味があったのだろう。
 ところが20歳を超えたあたりから、ロックに走り始め、1965年にザ・ゴッズを結成した。彼が21歳のときである。

 このときのメンバーは
ギター・・・ミック・テイラー
ベース・・・ジョン・グラスコック
キーボード・・・ケン・ヘンズレー
ドラムス・・・ブライアン・グラスコック

 名前を見ればわかるように、ベースとドラムのリズム隊は兄弟である。このときにギターはミック・テイラーに任せて自分はキーボードに替わったらしい。だからケン・ヘンズレーはもともとキーボードを弾いていたというわけではないのである。そういえばユーライア・ヒープでも華麗なキーボード・プレイというのはあまり覚えがないような気がする。

 このメンバーで何とあのクラプトンのいたクリームの前座を務めていたというのだから大したものである。それで1967年にシングルを出してデビューしたのだが、ギター担当のミック・テイラーがジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズに引っこ抜かれてしまった。

 代わりにジョー・コナスという人が加入し、やがてはリズム陣も新メンバーになった。そのときにグレッグ・レイクが入ってきたのだが、彼は数ヶ月しか在籍していなかったようである。

 だから自分の思い込みは間違っていた。でも在籍期間がずれていただけでメンバー的には間違っていなかった。だからザ・ゴッズのベスト・メンバーを拾い出すとこうなるのだろうと思ったりもする。
 もし可能ならこのメンバーで作ったアルバムを聞いてみたい気がする。なかなか面白そうな音になると思うのだが、どうだろうか。意外とブルースに影響を受けたロックをやっていそうな気がする。

 最終的にこの1stアルバムでのメンバーは以下の通り。
ギター・・・ジョー・コナス
ベース・・・ジョン・グラスコック
キーボード・・・ケン・ヘンズレー
ドラムス・・・リー・カースレイク  

 ベース担当のジョン・グラスコックは、後にジェスロ・タルに加入するわけだから、これはこれで小規模なスーパー・グループなのかもしれない。

 音的には当時のビート・グループの音とハード・ロックの音が混ざっていて、曲によって違ってくる。ただギタリストのジョー・コナスが結構自己主張していて、素晴らしいソロを聞かせてくれる。3曲目の"You're my Life"のソロなんかかなりカッコいいのだ。
 ユーライア・ヒープのミック・ボックスよりも上手ではないかと思ったりもした。このバンドを辞めたあとのジョーは、カナダに移住してギターを教えながら楽器店などで働いていたという。

 曲自体は短いのだが、繰り返し聞いていくと、やはり後のユーライア・ヒープの音と重なってくる気がしてきた。そういう意味ではヒープの原型バンドと言ってもいいだろう。

 もう1枚のアルバムはベーブ・ルースというイギリスのバンドで、1975年に発表された彼らの3枚目「ベーブ・ルース」である。

ベーブ・ルース(紙ジャケット仕様) Music ベーブ・ルース(紙ジャケット仕様)

アーティスト:ベーブ・ルース
販売元:EMIミュージック・ジャパン
発売日:2008/02/14
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 このバンドの1st「ファースト・ベイス」はあのロジャー・ディーンがジャケットのデザインを担当していた。昔も今も“ロジャー・ディーン”という言葉に弱い自分は、だからこのグループのことが気になっていたのである。
ファースト・ベイス(紙ジャケット仕様) Music ファースト・ベイス(紙ジャケット仕様)

アーティスト:ベーブ・ルース
販売元:EMIミュージック・ジャパン
発売日:2008/02/14
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 アルバムの帯には“演奏・楽曲ともに最も完成度が高く、ベーブ・ルースの最高作と称される超名盤!”と書かれているのだが、聞いてみて失望してしまった。これが最高傑作なら残りのアルバムは聞かない方がいいに決まっていると思った。残念ながら個人的にはそういう内容だと思っている。

 このバンドの売りは、女性ボーカリストとギタリストのアラン・シャックロックのスパニッシュ風味のある演奏なのだが、そんなに声量もないし、ギター演奏も特に印象に残るものでもなかった。マカロニ・ウエスタン映画「荒野の用心棒」のテーマをインストでやっているのだが、だから何という感じである。

 イギリスのバンドなのに、アメリカの野球選手の名前をバンド名にしたのは、ボーカル担当のジェニー・ハーンが元々アメリカで活動していて、アメリカ帰りの彼女が命名したらしい。彼女はスライ・ストーンの妹のバンドに所属していたという。

 全体的に音的にもバンド名的にも中途半端な気がする。もっとハードな楽曲とバラード系とメリハリをつければよかったように思えた。
 こんな感じで1976年頃まで活動を続けていたらしい。その頃の自分はこのバンドの名前すら聞いたことがなかったから、当時の極東ではあまり有名ではなかったのだろう。

 というわけで、最近手に入れた2枚のCDではあるが、決して名盤ではない。ただ昔から気になっていたアルバムであった。そして40年以上も前のアルバムが手に入る日本の洋楽状況については、まだまだ捨てたものではないと思っている。


« マイク・マクギア | トップページ | スティーヴ・マリオット »

ブリティッシュ・ロック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 神様と野球王:

« マイク・マクギア | トップページ | スティーヴ・マリオット »