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2011年7月11日 (月)

朝崎郁恵

 最近、年をとったせいか、はたまた老い先短いせいか、いろいろと考える事がある。普通、年をとると、物事に動じなくなるというか、人生経験や体験などから対処できるノウハウを身につけるはずなのだが、自分はどうもそれができない。やはり人間的に未熟なのだろう。

 特に4月から職場の上司が変わり、自分の身の置き方や、仕事処理については昨年と違っていて、どうも自分の居場所がなくなってしまったような気がする。話し相手がいないのは前からなのでどうでもいいのだが、最近は年下の後輩からも見下されているように思えてならない。能力のない上司というのは、そういう存在なのだろう。あるいはお飾りとして機能すればいいのだが、それさえもできないとなると事は深刻になってくるのである。

 そんな自分のことを知ってか知らずか、同僚が2枚のCDを貸してくれた。それが朝崎郁恵という人のCDだった。

 自分はこの人のことを全然知らなかったので、聞く前にインターネットで検索してみると、奄美地方の古い唄(いわゆる島唄)を受け継いでいる人で、ごく簡単にいうと民謡歌手である。
 年齢的にもだいぶいっていて、1935年生まれだから、もう80歳に手が届きそうなお年なのだ。

 この人は父親が島唄研究者だったせいか、幼い頃から島唄を歌い続けていて、“奄美の美空ひばり”とまで称えられていたらしい。
 そして全国各地で公演を行っていたのだが、1997年に細野晴臣氏の紹介で全国的に名前が知られていった。NHKの「みんなのうた」でも流れていたらしい。

 自分が聞いたのは2002年のメジャー・デビュー盤「うたばうたゆん」と翌年発表された「うたあしぃび」の2枚である。
 「うたばうたゆん」はピアノの弾き語りが中心で、これは本当に素晴らしい。何が素晴らしいかというと、いわゆるヒーリング、癒しの感覚なのである。例えていうなら、エンヤの奄美バージョンといったところか。

うたばうたゆん Music うたばうたゆん

アーティスト:朝崎郁恵
販売元:ユニバーサル インターナショナル
発売日:2002/08/07
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 基本的に民謡で、しかも言葉が奄美地方の古唄だから、何と歌っているのか、よく聞き取れない。だから感覚的には洋楽とほとんど同じなのである。
 さらにバック演奏がシンプルだから、ホントに心に染み渡る。染み渡るだけでなく、心をほぐしてくれる感覚に近い。しばらくはこのアルバムに聞き惚れてしまった。

 もう1枚は「うたあしぃび」というタイトルのもので、これは“うた遊び”という意味らしい。このアルバムには、もう少しギターなどの装飾がついていて、アレンジが凝っている。
 曲によってはアコースティック・ギターが目立つレゲエ調の曲や三味線(サンシン)を使ったもの、アカペラふう子守唄など、バラエティ豊かで、ずっと聞いていくと、この人、年齢不詳になっていくのである。

 このアルバムもなかなか捨てがたいのだが、自分には初めて聞いた「うたばうたゆん」の方がインパクトがあった。

 うたあしぃび うたあしぃび
販売元:セブンネットショッピング(旧セブンアンドワイ)
セブンネットショッピング(旧セブンアンドワイ)で詳細を確認する

  同僚はこの手の音楽に精通していて、アフリカやアジアの民俗音楽CDを紹介してくれたこともあったのだが、今回は『日本にもブルーズがあるじゃん』というコメントだった。人によってはヒーリングといい、また人によってはブルーズと言われる島唄だが、聞く人に様々な想いを誘引するような音楽である。

 音を言葉で説明するというのは難しいことで、読み手が同感するかどうかは似たようなイメージを持っていないと共感できないような気がする。どこまで通じたかわからないが、何となく雰囲気は伝わってくれたのではないだろうか。

 さてと、自分の問題については一向に片がつかないのだが、しかしそれに対峙しなければ何も変わらない。何かを変えるということは、自分自身が変えようと思わなければ変わらないのだろう。

 とりあえずは奄美の島唄を聞きながら、明日を信じて生きていこうとは思っている。いつまで続くかわからないが、それがロックという音楽が内包する力みたいなものだと信じているからだ。


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コメント

私は知らないのですが・・・・奄美地方など、そうゆう世界も時にいいもののようですね。昔なんとなく”インド音楽”がいいなぁ~~と思った時もありました。どこにもいいものがあるんですね。
 しかし、ジェフ・ベックやロジャー・ウォーターズのことを自分のブログに書きましたけど、彼らのこのところのライブを見ていると・・・・やっぱり頑張っているなぁ~~と思います。「かっこよさ」のジェフ、「問題意識・訴え」のロジャー、やっぱり何かを求めることが元気の秘訣なんでしょうか?
 猛暑の中、ケイさんも頑張ってください。

投稿: 風呂井戸 | 2011年7月11日 (月) 10時01分

親愛なる風呂井戸氏へ
 年柄もなく、愚痴めいた内容になってしまいました。これも中高年のクライシスというものかもしれません。自分の気持ちの中に心の病になる人の気持ちと共通するものがあるのかもしれません。
 自分には好きな音楽があるからまだ救われていると思っています。何か心配させてしまったようですみません。励ましの言葉ありがとうございました。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2011年7月11日 (月) 21時24分

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