« アーロン・ネヴィルの新作 | トップページ | ロビー・ロバートソン »

2011年9月 9日 (金)

ブラック・アイド・ピーズ

 基本的に自分は目新しいものにすぐに飛びつき、あっという間に熱が冷め、次に目移りするという移り気な人間である。俗にいう“熱しやすく冷めやすい”という性分であるが、移り変わりの激しいロック・ミュージックの分野では、逆にそれが結果オーライに結びつくこともある。

 前回はソウル・ミュージックの中軸というか、“ミスター・レジェンド”といってもいいような超有名かつ実力者のアーロン・ネヴィルの新譜を紹介したのだが、今回は現代のヒップ・ホップ界、ソウル界を代表するグループ、ブラック・アイド・ピーズについて述べたい。

 自分は2枚しかアルバムを持っていないのだが、彼らはアルバムを発表するごとに人気を集め、売り上げも上昇している。当然のことながら、ライヴでの集客能力も半端なく伸びている。Photo_2
 理由のひとつは、2005、06、07、2010年とグラミー賞を受賞しているからだろう。特に2010年にはベスト・ポップ・ボーカル・アルバム賞、ベスト・ポップ・パフォーマンス賞、ベスト・ミュージック・ビデオ賞(短編部門)の3部門を獲得している。

 彼らは4人組だが、2003年にファーギーという女性が加入してからは、破竹の勢いで伸びてきた。Photo
 メンバー構成はいまのアメリカを象徴しているかのように多国籍で、男性はアフリカン・アメリカ人、フィリピンとアフリカン・アメリカ人のハーフ、ヒスパニックとネイティヴ・アメリカンのハーフ、白人女性という内訳になっていて、リーダーはたぶんアフリカン・アメリカ人のウィル・アイ・アムであろう。曲の大半を手がけ、プロデュースも行っているからだ。

 ファーギーが2003年に加入してからの初めてのアルバム「エレファンク」は大ヒットして、日本でもその名前を知られるようになった。
 続く4枚目のアルバム「モンキー・ビジネス」は2005年に発表され、これまた大ヒット。ビルボードの年間アルバム・チャートでは第5位を記録している。

モンキー・ビジネス Music モンキー・ビジネス

アーティスト:ブラック・アイド・ピーズ,ジェイムス・ブラウン,スティング,ジャスティン・ティンバーレイク,Q-ティップ,ダンテ・サンティアゴ,ジャック・ジョンソン,タリブ・クウェリ,シー・ロー,ジョン・レジェンド
販売元:USMジャパン
発売日:2009/03/04
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 また、このアルバムからは"Pump it"、"Don't Phunk with My Heart"、"Don't Lie"、"My Humps"の4曲がシングル・カットされ、アルバム自体世界中で1000万枚以上売れる要因にもなった。

 確かにメロディははっきりしているし、ノリもよい。特に最初の3曲は連続していて、この3曲を聞けば、アルバム最後まで聞き通してみたいという誘惑にかられるだろう。それほどマジカルな魅力を持ったアルバムである。彼らのメンタリティというか、血筋というか、ネイティヴ・アメリカンからヒスパニック、アングロ・サクソンまで、万人に好まれるような味付けも施されている。

 例えば、 "Pump it"や"Don't Lie"ではメキシコのマリアッチ風の味付けがなされているし、"My Humps"では後半に美しいピアノの旋律が聞こえてくる。もちろんヒップ・ホップ・グループなので、ラップは全体を通して流れているし、また"Gone Going"はカントリー風味も加えられている。

 これで売れない方がおかしいわけで、売れて当然、自分も1枚持っているほどである。続くアルバム「ジ・エンド」は2009年に発売された。

The End Music The End

アーティスト:Black Eyed Peas
販売元:Interscope
発売日:2009/06/09
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 このアルバムからの1stシングル"Boom Boom Pow"は12週連続して第1位になり、2ndシングル"I Gotta Feeling"の14週連続1位とあわせて、同一グループでの26週連続1位を記録した。もちろんこれはビルボードでの新記録である。

 このアルバムは、前作にエレクトロニクス・ミュージックが合体したような金属的、無機質的な感覚も加えられていて、例えていうならばダフト・パンクとコラボしているような感じを受ける。

 しかし全体的には、やはり“血湧き肉踊る”といった感じで、従来からのファンも充分安心して聞くことができると思う。その証拠にこのアルバムもまた売れたからだ。グラミー賞受賞結果がその証でもある。

 ともかく彼ら4人組は、これからのヒップ・ポップ界の正統的な異端児である。その理由はというと、ヒップ・ホップをベースに持ちながらも、常に変化を恐れずにチャレンジし、リスナーに、あるいは彼らのファンに新鮮な期待を抱かせるからである。これからも話題の音楽を提供し続けるに違いない。


« アーロン・ネヴィルの新作 | トップページ | ロビー・ロバートソン »

ソウル・ミュージック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ブラック・アイド・ピーズ:

« アーロン・ネヴィルの新作 | トップページ | ロビー・ロバートソン »