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2011年10月 7日 (金)

トラフィック(1)

 なぜか自分の家にはトラフィックのアルバムが6枚もある。そんなに好きなバンドでもなく、好みの曲があるというわけではないのに、いつのまにか6枚も集まってしまった。この辺が節操のなさというか、偏執的な収集癖のなせるところなのかもしれない。

 それで6枚のアルバムは以下の通りである。
①ミスター・ファンタジー
②トラフィック
③ベスト・オブ・トラフィック
④ジョン・バーレイコーン・マスト・ダイ
⑤ウェルカム・トゥ・ザ・キャンティーン
⑥ホエン・ジ・イーグル・フライ

 ①はトラフィックのデビュー・アルバムであり、ビートルズの「サージャント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と同じ年の1967年に発表されている。
 もちろん同時代に聞いた音楽ではなくて、発売から20年以上も経ってから購入して聞いた。当時はデイヴ・メイソンの音楽を聞いていて、そこからトラフィックに遡って聞いたのだが、"Dear Mr. Fantasy"以外はあまりピンと来なかった。

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 このボロ具、ではなくてブログで書くことになって、再び引っ張り出して聞いてはみたのだが、やはり67年当時に流行したであろうサイケデリックな雰囲気に満ちていて、たぶん同時代に聞けばもっと興奮したと思うのだが、21世紀の今となってはもうひとひねりほしいようなところもある。

 やはり各曲の終りがもう少し工夫がほしい。いつの間にか終わっていて、それでもいいのかもしれないのだが、もうちょっと盛り上げてほしいという気もしてならない。聞き流していると、あっという間に終わってしまうのである。

 それでも印象に残る曲はあって、特に後半に多いようだ。"Dear Mr. Fantasy"に続く"Dealer"という曲は、クリス・ウッドのサックスが牧歌的な雰囲気をかもし出しているし、バックのアコースティック・ギターもなかなかいい味を出している。
 "Utterly Simple"は典型的なラーガ・ロック。デイヴ・メイソンの演奏するシタール・ソロを聞くことができる。これも60年代当時の流行の音なのだろう。

 よくいえば実験精神に満ちている、あるいは遊び心に溢れたアルバムといえるだろうが、個人的にはぜひとも聴きたいとは思えなかった。

 ②翌年の68年に彼らはセカンド・アルバム「トラフィック」を発表した。もともとこのバンドは4人組で、マルチ・プレイヤーのスティーヴ・ウィンウッドとギター、ベースのデイヴ・メイソンの2人を中心に、ドラムス、パーカッションのジム・キャパルディ、サックス、フルート担当のクリス・ウッドで構成されていた。

 1stアルバムはサイケデリックなものだったが、このセカンドでは落ち着いたというか、装飾を取り払い、曲のもつ本質的な魅力で勝負している。だからアルバム・タイトルもバンド名と同じシンプルにしたのだろう。

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 ただし両雄並び立たずというか、デイヴ・メイソンとスティーヴ・ウィンウッドの確執は深く、実は1stアルバム発表後に、一時デイヴはバンドを離れている。その後このアルバムには参加したものの、すぐにまたデイヴ・メイソンはバンドを脱退してしまった。

 だからというわけでもないのだろうが、このアルバムではデイヴ・メイソンとウィンウッド/キャパルディの曲が交互に並んでいる。(最後の2曲はウィンウッド/キャパルディが続いている)間違ってもウィンウッドとメイソンは協力して曲を作っていない。1stアルバムは全員で協力して制作したにもかかわらずである。(1stでもウィンウッドとメイソンが同時にクレジットされている曲はない)

 それでもこのアルバムにはいい曲が多い。クラプトンの復活コンサートになった「レインボウ・コンサート」でも演奏された"Pearly Queen"やデイヴ・メイソンの代表曲になっている"Feelin' Alright"、イギリスの田園風景を想起させる"Don't Be Sad"や"Vagabond Virgin"などで、クリス・ウッドのフルートがいい味を出している。

 また"Forty Thousand Headmen"はのちにB,S&Tにカバーされている。それにウィンウッドのソウルフルなボーカルやメイソンとのツイン・ギターも"Means to an End"で聞くことができる。

 ③は67年から69年までの3枚のアルバムと2枚のシングルからの、いわゆる第1期トラフィックのベスト盤である。全11曲で、特筆すべきは彼らのシングル"Paper Sun"、"Hole in My Shoe"及びそのB-Sideが収められているところだろう。前者は全英シングル・チャートで5位を、後者は2位を記録している。
 シングル曲はいずれもポップな味付けがされていて、"Paper Sun"ではメイソンのシタールが強調され、"Hole in My Shoe"はそのシタールとともに、メイソンの演奏するメロトロンが味付けされている。

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 いずれにしてもこれらの曲は、今ではボーナス・トラックとして聞くことができるので、このアルバムは必要ないだろう。手っ取り早く彼らの魅力を知りたい人には便利かもしれない。ただし、初期のトラフィックに限定されてしまうけれども。

 そういうわけで初期のトラフィックはスティーヴ・ウィンウッドとデイヴ・メイソンの双頭バンドだったといえるだろう。ただ蜜月期間は長くは続かず、2年余りだった。彼らの確執はいまだに続いているようで、2004年のロックの殿堂入りの際でもいろいろともめたようである。

 この後、バンドは一旦解散し、ウィンウッドはクラプトンとブラインド・フェイスを結成するのだが、それについては次回に回したいと思っている。(To be Continued)


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