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2017年1月 2日 (月)

今年は酉年

 あけましておめでとうございます。2017年の今年の3月で、この「ろくろくロック夜話」も10年目に入ります。10年目を迎えたこの「ろくろくロック夜話」を、今年もよろしくお願いいたします。Detail_image

 というわけで、今年は「酉年」である。この場合の“酉”というのは、ニワトリのことを指すようで、空飛ぶ鳥のすべてを指すというわけではないようだ。(もちろん空を飛ばない鳥もその中に含まれることはいうまでもない)

 それはともかくとして、今年も例年通りに“酉”にちなんだアルバム・ジャケットを集めようと思ったのだが、額面通りに受け止めれば、ニワトリのアルバム・ジャケットということになる。

 ところがである。“鳥”のアルバム・ジャケットは数多くあるのだが、“酉”のアルバム・ジャケットとなると、なかなか見つけるのが困難なのであった。

 例えば“鳥”ならば、ヴァン・モリソンの「アヴァロン・サンセット」の白鳥やフリートウッド・マックの「聖なる鳥」のアホウドリ、ストラングラーズの「レイヴン」の中のカラス、プロコル・ハルムの後期の傑作アルバム「異国の鳥と果物(幻想)」のオウムなど枚挙に暇がない。51x43cdybll
 そういえば、「アヴァロン・サンセット」で思い出したけど、ロキシー・ミュージックの「アヴロン」にも鳥が写っていたし、フリートウッド・マックはアメリカに活動の場を移した後も、アルバム・ジャケットにペンギンや鳥を使用していた。716dnb6fozl__sl1050_
 今のはブリティッシュ・ロックだったが、アメリカン・ロックではバンド名からしてイーグルスの数枚のアルバムや、バッファロー・スプリングフィールドのセカンド・アルバム、ニール・ヤングの「ズマ」、スティーヴィー・ニックスの「ベラ・ドンナ」、AORの代表選手だったクリストファー・クロスのアルバムなど、これまた数限りない。

 クリストファー・クロスなどは、デビュー・アルバムやセカンド・アルバムにはフラミンゴのイラストが使われていて、本人の姿が見られなかったので、どんな顔かたちをしているのか興味津々だった。51k5gpuipol
 ハード・ロックの分野では、カナダのバンド、ラッシュのセカンド・アルバム「夜間飛行」、イギリスのバッジーの「イン・フォー・ザ・キル」、ジューダス・プリーストの「復讐の叫び」など、いくつかあるようだ。ちなみに、バッジーは“セキセインコ”という意味で、彼らのアルバムには必ずセキセインコ(のようなもの)が描かれている。614dvwg0rkl
 また、ジューダス・プリーストの「復讐の叫び」のジャケットでは、動物の鳥ではなくて、金属製のロボット的な鳥が描かれていた。まさに、メタル・ゴッドの乗り物に相応しいイラストであろう。91vdbajzv2l__sl1500_
 プログレッシヴ・ロックの分野では、イエスの1980年のライヴ・アルバム「イエス・ショウズ」、E,L&Pの1970年のデビュー・アルバム、第2のフォーカスと言われたオランダのトレースの1975年のセカンド・アルバム「鳥人王国」、同年のキャメルの「白雁(スノー・グース)」、エイジアの1983年のセカンド・アルバム「アルファ」、ジェスロ・タルのリーダーであるイアン・アンダーソンが2000年に発表したソロ・アルバム「ザ・シークレット・ラングエッジ・オブ・バーズ」、新しいところではデヴィッド・ギルモアの2006年のソロ・アルバム「オン・アン・アイランド」、2015年の「ラトル・ザット・ロック」など、これまた数えきれないほどだ。61ftjlznsul
 面白いところでは、ジェネシスの1977年のアルバム「静寂の嵐」の裏ジャケットの鳥が飛び立っているもので、表ジャケットに描かれていた大きな木に見えたのは、実は枯れ木に鳥が止まっているというものだった。「静寂の嵐」によって、飛び去って行ったのだろう。Cb243b8fc0a945d1bf6a2440203eba3c_2
 というわけで、“鳥”のジャケットはいっぱいあっても、“酉”のアルバム・ジャケットを見つけるのは難しかった。

 それで最後は、何とかかろうじて見つけたリトル・フィートの再結成後のアルバム「ルースター・ラグ」を紹介しようと思う。81ra0qfjq3l__sl1077_
 このアルバムは2012年に発表されていて、今のところ彼らの最新アルバムである。ローウェル・ジョージやリッチー・ヘイワードは亡くなったけれど、キーボード・プレイヤーのビル・ペインやギタリストのポール・バレアを中心に、今も活動を続けている。

 あとは番外編として、エッグのアルバムや日本のものではフライド・エッグの「ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン」などが挙げられるだろう。

 エッグのアルバムは1970年に発表されたもので、彼らのファースト・アルバムだった。もともとはスティーヴ・ヒレッジをギタリストに、デイヴ・スチュワートをキーボード・プレイヤーとして活動していたバンド、ユリエルを母体としていたが、スティーヴ・ヒレッジが大学進学のために脱退したため、キーボードを中心とした3人組ユニットとして活動を始めたようだ。61kkegouxtl__sl1500_
 彼らは、1972年に一旦解散したが、74年には再結成してサード・アルバムを発表している。

 日本を代表するスーパー・バンドだったフライド・エッグの1972年のアルバム「ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン」について一言いうと、彼らは、ギター、ベース、ドラムスのスリー・ピース・バンドだった。1971年に結成され、73年には惜しくも解散してしまった。

 ギターは成毛滋、ベースには高中正義、ドラムスは角田ヒロだった。当時は四人囃子と並び称されるくらいの日本人離れしたテクニカルでプログレッシヴなバンドだったが、残念ながら商業的には成功しなかった。

 今でこそ、高中正義はギタリストとして成功しているし、角田ヒロは“つのだ☆ひろ”として活躍している。彼は、一時ドゥービー・ブラザーズに誘われたほどの優れたドラマーだった。個人的には日本のジョン・ボーナムだと思っている。

 成毛滋は、ブリジストン株式会社の創業者の孫にあたり、鳩山威一郎の甥で鳩山由紀夫・邦夫兄弟とは従兄弟という毛並みの良さだった。
 高校生の頃から音楽活動を始め、元々素質があったのだろう、左手でギター、右手でキーボードを演奏するなど、天才的な才能を持っていたようだ。

 彼はまた、ピンク・フロイド来日時の箱根アフロディーテのライヴにも前座として出演していたが、そのときに高中正義を臨時ベーシストとしてバンドメンバーにして演奏した。それがフライド・エッグの結成につながったという。51bdrnlns0l
 成毛は、日本のロック黎明期を支えた偉大なる天才ミュージシャンだったが、惜しいことに2007年に大腸がんで亡くなってしまった。まだ60歳という若さだった。もっと評価されてもおかしくないミュージシャン(バンド)だったと思っている。

 “酉”には、“とりこむ”という意味があり、商売繁盛のシンボルにもなっているし、土佐の尾長鳥は長寿の象徴とも言われ、落ちた長い尾を縁起物として大切にするという習慣があるようだ。

 毎年思うことだけど、今年も景気が良くなり、ロックを楽しめるような争いごとのない平和な世の中になってほしいと願っている。


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コメント

 新年の御挨拶有り難うございました。
 今年もよろしくお願いします。
 早速、酉年にちなんで鳥アルバムですか、おっしゃるように鶏(ニワトリ)は私は殆ど思い出せませんでした。この「酉」って、”熟した状態”を表すようで、”頂点に極まった状態”の意味があるとか・・・今年は何がそのように頂点に立つのやら・・・思い当たるものがありません。そんな状態で新しい年のスタートとなりました。
 そうそう、いやはや最近で思い出す鳥ジャケは、Camelの「The Snow Goose」、Jeff Beckの「Emotion & Commotion」位ですかね(情けない)。
 ところで、プログレでなくともJeff Beck のBonesとの共演は結構興奮しました(笑い)。

投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年1月 2日 (月) 19時52分

 コメントありがとうございました。本年もよろしくお願いいたします。

 今年もロックの呪縛から逃れそうもありません。今年はどんなミュージシャンがどんなアルバムを出すのか楽しみです。

 逆に、去年は多くの有名なミュージシャンが亡くなりましたが、おそらく今年も残念ながら、起こり得ると思います。こればかりはしょうがないですね。
 私も健康に気を付けて生きていこうと思います。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2017年1月 3日 (火) 21時53分

あけましておめでとうございます。
本年も、投稿を楽しみにしております。

私もここ数年、年賀状には干支の入ったジャケットを借用していまして、今年はジョン・ポール・ジョーンズらが組んだスーパーバンドThem Clooked Vulturesのアートを使いました。
自己満足ではありますが、音楽好きならではの楽しみと言ったところでしょうか。

投稿: ふぁぶ | 2017年1月 4日 (水) 13時12分

ふぁぶ様、コメントありがとうございました。そういえばありましたね、ゼム・クルックト・ヴァルチャーズ、すっかり忘れていました。思い出させてくれて、ありがとうございました。

 実は、彼らのアルバムは買おうかどうしようか迷っていまして、どうせ恒久的なバンド活動はないだろうと思い、結局、購入しなかったのです。申し訳ありません。

 今後も何かありましたら遠慮なくご指導、コメントなど何でもいいですので、お願いいたします。私自身の勉強になります。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2017年1月 4日 (水) 21時30分

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