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2019年2月

2019年2月25日 (月)

ファイアーバレー

 前回でも同じようなことを言ったが、最近はプログレッシヴ・ロックの分野で、傾聴に値するようなアルバムに、なかなか出会えないでいる。めまぐるしい変化を遂げている現代社会において、1曲10分や20分近くもある曲に耳を傾ける余裕は見いだせないだろうし、ネットからダウンロードしようとも思わないだろう、いくら通信速度が速くなったとしても。

 それでも昔のアルバムで、まだ聞いていないアルバムがあるだろうと思って検索していたら、このアルバムが見つかった。アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドであるファイアーバレーの2枚のアルバムだった。

 1960年代末のアメリカというところは、ハード・ロック不毛の地と言われていて、ハード・ロック・バンドが育たないところだった。確かに、マウンテンやグランド・ファンク・レイルロードなどが売れ始めたのは70年代に入ってからだった。
 同様に、プログレッシヴ・ロックの分野でもまた、アメリカはイギリスやヨーロッパに比べて遅れを取っていた。カンサスやジャーニーなどは、“アメリカン・プログレ・ハード”と呼ばれていて、1970年代後半から人気に火がついたが、その本質は、プログレッシヴ・ロックの要素は含まれていても、本来の姿からは似て非なるものだった。

 自分が知っていた1970年代前半のアメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドと言えば、パブロフス・ドッグ、イーソス、スターキャッスルくらいで、いずれもマイナーな存在で終わった。辛うじて、パブロフス・ドッグぐらいが、そのユニークな歌い方やアルバム・ジャケット、元キング・クリムゾンのビル・ブルーフォードの参加などで、少し話題になったくらいだったと思う。

 それで、ファイアーバレーに話を戻すと、彼らは70年代初期にニュージャージー州北部で結成された。当初はザ・ファイアーボール・キッズと名乗っていたようだ。メンバーは次の5人だった。
・ジム・コモ(ボーカル&ドラムス)
・ブライアン・ハウ(キーボード)
・フランク・ペット(キーボード)
・マーティン・べグリン(ベース・ギター)
・リッチ・シュランダ(ギター)

 2人のキーボード奏者がいるようだが、ブライアンは主にハモンド・オルガン、パイプ・オルガン、チェレステを担当し、フランクの方はそれ以外のピアノやシンセサイザー、メロトロンなどを担当していた。また、名前からわかるようにイタリア系が多くて、そういう意味でもヨーロッパ的な感覚を身につけていたのかもしれない。
 彼らの音楽は、アメリカのバンドとは思えないほどの本格的なプログレッシヴ・ロックをやっていて、初期のジェネシスの影響が強いと思った。

 1975年に「はげ山の一夜」というデビュー・アルバムを発表したが、タイトルを見ればわかるように、クラシックの大家であるムソルグスキーの交響詩をロック風にアレンジしていて、アルバムのメインに置かれていた。18分以上もあるクラシックの大曲を用意していたのも、バンドとしての自信の表れでもあろう。61xstz3xn2l
 しかも、アルバムのプロデューサーは、何と元キング・クリムゾンのイアン・マクドナルドである。これでロックン・ロールやR&Bをやっていたら、全くの詐欺であろう。プログレ・ファンとしては、期待満々で耳を傾けるに違いない。

 冒頭から10分を超える"Les Cathedrales"という曲が始まる。ノリの良さはイエス風であり、転調してスローになると、ジェネシス風になったりする。2分40秒あたりからシンセサイザーとアルト・サックスがリードを取るが、もちろんこのサックスはイアン・マクドナルドが担当している。
 転調が多くて、途中にはドビュッシーの“亜麻色の髪の乙女”の一部も引用されているのだが、個人的には、ギターがもう少し目立ってほしいと思っている。バックで細かく動いているのはわかるのだが、ソロとしてはちょっと弱いのだ。キーボード奏者が2人いるからだろうか。後半の8分過ぎの素早いパッセージは印象的なのだが、もう少し頑張ってほしかったというのが素直な実感である。

 2曲目の"Centurion(Tales of Fireball Kids)"は、彼らが結成間もない頃に作った曲で、最初の曲もそうだが、中世の騎士物語や新世界を求めての旅路のようなものがテーマになっている。まさに、初期ジェネシスの世界観に近いと言えるだろう。エンディングは、E,L&Pの「恐怖の頭脳改革」に収められていた"Jerusalem"に極似していた。

 3曲目は、2曲目を発展させたような曲で、タイトルも"The Fireballet"という。この曲はコーラスがイエスに似ていて、ギターも初代ギタリストであるピーター・バンクスのように、ジャズっぽい早いフレーズを弾いている。4分過ぎからキーボードとストリングスが全体を覆っていて、ソフトなエンディングを迎えている。

 LPレコードではここまでがサイドAで、次の"Atmospheres"からサイドBになる。この曲と次のアルバム・タイトル曲である"Night on Bald Mountain"の曲構成は、ジェネシスのアルバム「フォックストロット」のサイドBを想起させてくれた。つまり、"Horizons"と"Supper's Ready"である。ファイアーバレーもまた意識しながら制作したのではないだろうか。

 "Atmospheres"はアコースティック・ギターのインストゥルメンタルではないので、その点は"Horizons"とは違うのだが、幻想的で耽美で静寂な雰囲気を湛えている点ではよく似ている。何しろイアン・マクドナルドの吹くフルートがフィーチャーされているし、アコースティック・ギターはバックで流れている。そして分厚いキーボードの中から現れるボーカルは、まさにピーター・ガブリエルの世界観だろう。3分40秒と時間的にも短く、次の曲の導入部に当たっている。

 そして、本アルバムのハイライトである"Night on Bald Mountain "が始まるのだが、この曲でもイアンはフルートとサックスを演奏している。もしこのバンドが成功したら、メンバーとして参加して、“第二のクリムゾン”を目指したのではないだろうか。そんなことを考えさせられてしまう曲だった。

 全体は5部に分かれていて、18分55秒という長さを全く感じさせないほどスリリングだ。2分30秒たってからのコーラスは、ユーライア・ヒープの"July Morning"に似ている感じがした。そのあと、イアンのサックス・ソロ、転調しての手数の多いリズム・セクションに絡まるファズ・ギターとシンセサイザーなど、聞きどころは多い。
 中盤の"The Engulfed Cathedrale"でのシンセサイザーやパイプ・オルガンの荘厳な響きやそれを突き破るエレクトリック・ギター、クリムゾンの"The Letters"のようなボーカルと続く緻密なアンサンブルなどは、このバンドでしかできない演奏だろう。キーボード奏者が2人いるということはほんとに心強い。81tdjvjjcll__sl1314_
 国内盤にはボーナス・トラックが3曲ほどついていて、"Robot Salesman"は甘ったるいキーボード・ストリングスが目立つ曲で、かなりポップな曲だ。全くロック的ではない。2曲目は何とクリムゾンの"Pictures of A City"の完璧ライヴ曲だった。1974年のライヴのようで、音質はあまりよくない。
 そして最後のボーナス・トラックは、何と驚くなかれ、日本のロック・バンド、X-ジャパンのカバー曲"Say Anything"だった。しかも、日本語で歌っているのだ。オリジナル制作時には、X-ジャパンの曲はまだ生まれていないわけで、ということはファイアーバレーは、90年代以降再結成して、この曲をレコーディングしたというわけだろうか。

 翌年の1976年には、彼らは2枚目の、そして最後となったスタジオ・アルバム「ツー・ツー」を発表した。一聴した限りでは、ジェネシス風のソング・スタイルから、クリムゾンあるいはジェントル・ジャイアント風に変わっていた。
 前作はイアン・マクドナルドがプロデュースしていたが、2枚目はオールマン・ブラザーズ・バンドやミートローフをプロデュースしていたスティーヴン・ガルファスという人だった。

 変わっていたのは、作風やプロデューサーだけではない。アルバム・ジャケットもまた、違う意味で変わっていた。なぜかメンバー全員がバレリーナのコスプレをしていたのである。
 別に楽曲の内容とは関係ないし、バレエに関するコンセプト・アルバムでもない。強いて言えば、バンド名がファイアーバレーだから、バレリーナの格好をしたのだろうか。

 彼らには申し訳ないが、このアルバム・ジャケットを見ただけで、アルバム・セールスが分かるというものである。よほど内容が優れていない限り、このアルバムは売れないだろう。そんなことは子どもでもわかると思うのだが、なぜこんなふざけたアルバム・ジャケットにしたのだろうか。意味が分からない。これじゃ、コミック・バンドである。51nofo9q7zl
 ところが、肝心の中身の方はというと、これがまあ結構イケるのである。全7曲で、国内盤には2曲のボーナス・トラックがついていた。
 1曲目の"Great Expectations"は、イエス風のコーラスとテンポのよい曲構成が見事で、アルバム冒頭の曲に相応しい。途中で一旦ブレイクして静かになるが、また主題に戻るところが、いかにもプログレッシヴ・ロックしている。

 2曲目の"Chinatown Boulvevards"は2部構成の組曲で、6分余りしかないものの、転調に次ぐ転調と、メインの楽器がキーボードからギター、金管楽器、ストリングス、打楽器と、めまぐるしく変化する点が特徴である。全体的に緊張感が漂っているし、確かにこの曲を聞けば、ジェントル・ジャイアントの再来だと思うだろう。

 "It's About Time"は、イエスの曲をアップテンポにして、スキャットを加えた構成で、これまた疾走感に満ち満ちている。ベース・ギターもイエスを意識したようなアタックの強い音を出している。後半にはベートーベンの“歓喜の歌”が挿入されていて、クラシックとの関連を想起させてくれた。

 "Desiree"は2分45秒と短い曲だが、それなりにテンポもよく、このアルバムからシングルを出すとすれば、まさにこの曲がふさわしいだろう。メロディラインもはっきりしているから、チャートの100位以内には入ると思うのだが、どうだろうか。
 続く"Flash"という曲は、ややスローな出だしから、徐々にテンポがあがり、やがて打楽器とストリングス・キーボードとの応酬が始まる。静~動~静~動という展開で、最後はコーラスで終わる点が興味深い。

 逆に最初から走り出すのは次の曲の"Carrollon"だろう。これもジェントル・ジャイアント風のリズムの変化とコーラス・ワークの見事さを味わえる楽曲で、見事なアンサンブルである。これだけの演奏力があれば、かなりの実力を備えていると言えるだろう。
 当時は、パブロフス・ドッグやイーソス、スターキャッスルなどがアルバムを発表していた時期で、これ以降はボストンやカンサス、フォーリナーなどのバンドの人気が出てきていたが、これらのバンドの中では、かなりのハイレベルな演奏能力を所持していたのではないだろうか。

 最後の曲の"Montage En Filigree"は荘厳なキーボードを主体としたインストルメンタルで、最初と後半のスキャット、中盤のフルートがいい味付けをしている。今まで緊張感のある楽曲が多かったから、この曲を聞いてほっと心が休まる気がした。

 ボーナス・トラックは、ホルストの"火星"とX-Japanの"Tears"である。ホルストはE,L&P(パーマーではなくてパウエルの方)が有名だが、ここではライヴ演奏になっていて、ギターとキーボードのバランスが良い。
 "Tears"という曲は知らなかったので何とも言えないが、ここでも日本語を交えて歌っていた。そんなにX-Japanと親密な関係だったのだろうか。よくわからない。71smdgtydrl__sl1215_
 2枚のアルバムとも商業的には成功せず、バンドは解散してしまった。キーボード奏者のブライアン・ハウとドラムス&ボーカルのジム・コモは、その後も一緒に活動していたようだが、詳細は不明である。
 とにかく、1970年代の前半において、アメリカのプログレッシヴ・ロック・シーンの一角を担っていたバンドだったようだ。日本ではイマイチ知名度が低かったかもしれないが、その実力は折り紙付きだっただろう。

 ただ、音楽的にはギターに頑張ってほしかったと思っている。テクニック的には優れていると思うのだが、耳に残るフレーズや印象的なソロが少ないのである。これがもう少し目立っていれば、もっと多くのファンを獲得できたであろう。
 それから、アルバム・ジャケットの問題も含めて、プロモーションが不足していた。“ロジャー・ディーン”クラスとはいかないまでも、もう少しまともなアルバム・ジャケットに差し替えてもっと宣伝をすれば、まだ寿命は延びたのではないだろうか。再結成は無理でも、再評価は必要なバンドだと思っている。

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2019年2月18日 (月)

ワールド・トレイド

 さて、今年もやってきましたプログレ祭り。今回は2か月間限定ということで紹介することにした。実際、最近はプログレッシヴ・ロックのアルバムをあまり聞かないからだ。なかなか良質のアルバムに出会わないのである。

 さて、第1回目はワールド・トレイドというバンドだ。知っている人は知っていると思うけれど、一時期イエスに在籍した、そして今は再び加入し、ツアーに同行しているビリー・シャーウッドが中心となって結成されたバンドである。Worldtrade17c
 ビリー・シャーウッドといえば、イエスのベーシストだったクリス・スクワイアが、死の床で自分の後継者として指名したと言われるほどのミュージシャンだ。昔からビリーのベース音はクリス・スクワイアのゴリゴリのリッケンバッカーの音とそっくりだった。アタックの効いたそのサウンドは、クリス・スクワイアの代名詞だったのだが、今ではビリー・シャーウッドが見事にその代役をこなしている。

 また、演奏面のみならず声質についてもクリス・スクワイアによく似ていて、高音の伸びや声域の広さもクリスを補って余りあるというものだった。それに、時々ジョン・アンダーソンと聞き違えるかのような歌い方もあって、このビリー、実は昔からのかなりのイエス・ファンではないだろうかと思っている。
 実際、1989年にはジョン・アンダーソンの後任ボーカリストとして白羽の矢が当たって、デモ・テープをレコーディングしている。80年代の終わりからイエスはボーカリスト探しを行っていて、それは今に始まったことではなかったようだ。

 その後、ビリーは1991年の8人編成イエスのアルバム「ユニオン」の中で、クリス・スクワイアと一緒に"The More We Live - Let Go"を共作しているし、1994年夏に行われた「トーク」ツアーで、サポート・ミュージシャンとしてステージに立っている。さらには、1996年の2枚組アルバム「キーズ・トゥ・アセンション」でのスタジオ録音曲を2曲分をミキシングしていた。この時点ですでにイエス加入については、時間の問題といってよかったのだ。

 ビリー・シャーウッドについては、クリス・スクワイアとの共同アルバム「コンスピラシー」やトニー・ケイなどと組んだバンド、サーカなどを通して、何度もこのブログで紹介してきたので、もう詳しく語る必要はないだろう。イエスのオリジナル・メンバーがいずれも70歳代になっているなかで、唯一、彼だけはまだ53歳と若い部類に入るのである。

 ネヴァダ州ラスヴェガス出身のビリー・シャーウッドは、80年代に実の兄であるマイケル・シャーウッドとともに、ロジックというバンドを組んで1985年にアルバムを発表したが、やがて解散して、その後元ストーン・ヒューリーというバンドのギタリストであるブルース・ゴーディとともにバンドを結成した。それがワールド・トレイドだった。1988年頃のお話である。

 彼らは1989年にデビュー・アルバムを発表した。全11曲だが、オープニングの"The Painted Corner"は煌びやかなシンセサイザーが目立つ2分足らずのインストゥルメンタルだった。2曲目の"The Moment is Here"は、ワールド・トレイドを代表する曲だろう。ゆったりとした曲で、先ほどの"The More We Live - Let Go"に雰囲気がよく似ている。適度にプログレッシヴで、適度にポップなのだ。後に3枚目のアルバムのボーナス・トラックとして収録されていたから、彼ら自身も気に入っているのだろう。51vl4nnvll
 "Can't Let You Go"は、どことなく80年代初期に流行ったL.A.メタルのようだ。テンポの速いL.A.メタルの曲をクリス・スクワイアがアレンジしたような感じで、声もクリスに似ているし、高音部はジョン・アンダーソンのようだ。

 "Life-Time"は90年代のイエスの曲のように聞こえてくる。ベース音がまさにリッケンバッカーしているし、声質もイエスの曲に似ている。この曲はビリー・シャーウッドとブルース・ゴウディの共作だが、ギタリストのゴウディがあまり目立っていない。もう少し目立つギター・ソロなりフレーズを聞かせてほしかったのだが、それがない。アルバム通しても、ギターが目立っていないのだ。むしろキーボードの方が目立っていると感じた。

 ブルース・ゴウディは、元はメタル・バンドで活動していたからギター・ソロはお得意のものだと思うのだが、このアルバムではあまり目立っていない。スタジオ・ミュージシャンとしても働いていたし、1987年からは矢沢永吉のツアー・ギタリストとして約10年間活動していたから、決して実力は劣っていないと思うのだが、力の出し惜しみか、あるいは楽曲に合っていないからと削られたのだろうか。

 ブルース・ゴウディ自身は、理想とする音楽とはティアーズ・フォー・フィアーズとレッド・ゼッペリンをミックスしたようなサウンドで、現存するHR/HMとは異なるテクノロジーを大胆に導入したもの、と以前インタビューで答えていたが、ちょっとビリー・シャーウッドの音楽観とは違うようだ。

 唯一、7曲目の"The Revolution Song"ではやや長いソロを聞かせてくれていて、かつて流行った速弾きを披露している。そのあとキーボード・ソロがあるのだが、楽曲自体がイエスのようなプログレッシヴ・ロック風だからだろう。

 とにかくこのアルバムは、“リトル・90年代イエス”といった内容で、90年代のイエスの楽曲をこじんまりさせたような感じがした。あるいは逆に言うと、90年代のイエスの方が70年代のイエスよりも極小化してきたともいえるだろうし、さらには、90年代のイエスの楽曲に占めるビリー・シャーウッドの影響力がいかに強かったかが分かるだろう。

 また、全体的にゆったりとした楽曲が多くて、何となく爽快感が味わえない。複雑な曲展開もなく、印象的なソロも少ない。どの曲も似たように思えてきて、ある意味、単調で面白みがないのである。

 そして、ワールド・トレイドはこの1枚で活動を停止してしまった。ブルース・ゴウディは、ワールド・トレイドのキーボーディストだったガイ・アリソンとともに、アンルーリー・チャイルドというバンドを結成し、ビリー・シャーウッドの方は、ザ・キーというバンドを結成した。
 アンルーリー・チャイルドの方はアルバムを1枚発表したものの、商業的には成功せず解散の憂き目にあってしまった。
 ビリーの方も自分のバンドよりもイエスとともに活動することの方が多くなり、最終的にはアルバムを出すこともなくバンドは消えていった。(その後1997年には「ザ・キー」というアルバムを発表している)

 ところが、1995年にワールド・トレイドがドラマーを代えて復活し、セカンド・アルバム「ユーフォリア」を発表した。このアルバムには、本物のクリス・スクワイアが参加して、2曲で共演を果たしている。たぶん、ビリーをイエスへのヘッド・ハンティングしに来たついでに、アルバムに参加したのだろう。418dv0e078l
 ビリー・シャーウッドは、イエスの1997年のアルバム「オープン・ユア・アイズ」から正式メンバーとしてクレジットされ、1999年のアルバム「ザ・ラダー」に伴うツアーまで在籍していた。(もちろん現在では再び正式メンバーにクレジットされている)

 その後のビリーは、ソロ・アルバムの発表や、他のミュージシャンのアルバムに参加したり、プロデュースしたりと八面六臂の活躍をしていたが、ワールド・トレイドとしては、突如として2017年に約22年振りのアルバム「ユニファイ~統合理論」というアルバムを発表した。

 前作の「ユーフォリア」では、ドラマーがエイジアやイエスのアラン・ホワイトの代役をしていたジェイ・シェレンだったが、このアルバムではオリジナル・メンバーだったマーク・T・ウィリアムズに戻っている。彼は、「スター・ウォーズ」や「ハリー・ポッター」などの映画音楽の巨匠として知られるジョン・ウィリアムズの息子だという。

 基本的にこのアルバムも、ビリー・シャーウッドの個性が発揮されていて、今までのアルバムと大きな変化はない。ただ1曲当たりの楽曲が長くなった分、より複雑でプログレッシヴした雰囲気を味わうことができる。51sx8t6znol
 それに、ブルース・ゴウディのギターもデビュー・アルバムよりは目立っているし、楽曲に貢献している。ただ残念なのは、アコースティック・ギターやスライド・ギターなども披露してほしかったことだ。そうすればもう少し曲に色どりを施すことができたのではないだろうか。

 "Pandora's Box"は疾走感があっていいし、各楽器のバランスもいいが、各人のソロ、特にギターとキーボードに関しては、もっと目立ってもいいのではないか。この辺は本家イエスを見習ってほしいものである。続く、"Gone All The Way"はワールド・トレイドの得意なややゆったりしたタイプの曲で、ブリティッシュ風味の陰鬱な展開を含んでいる。

 アルバム・タイトル曲の"Unify"もまたスピード感があり、やや複雑な曲展開を持っていて、こういう曲を聞くとプログレッシヴ・ロックのアルバムだと実感できる。もう2曲くらいこんな感じの曲があればよかったと思った。
 また、"Same Old Song"という曲には珍しくバンジョーが使われていて、そういう意味ではデビュー・アルバムよりは工夫されているだろう。こういう意欲的な試みをもっと発揮してほしいものだ。だって、プログレッシヴ・ロックのアルバムなのだから。

 現在のビリー・シャーウッドは、イエスに在籍しているのと同時に、サーカ、ワールド・トレイド、その他のソロ活動やプロジェクトとして活動しており、ある意味、スティーヴン・ウィルソン、ロイネ・ストルトと並んで現代のプログレッシヴ・ロック・シーンを牽引していると言えるだろう。
 できれば、その優れた才能を分散させないで、何か一つに集中させて後世に残るような傑作を作ってほしいと願っているのである。

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2019年2月11日 (月)

カンサスのライヴ・アルバム

 “レコードの時はショボかったけど、CD化されてお買い得になったアルバム”のプログレッシヴ・ロック編の第2弾、そして最終回でもある。

 プログレッシヴ・ロックの分野でも、他の分野のロック・バンドと同じように、いわゆるA級からB級、C級とグレイドを分けて語られる場合がある。具体的にどのバンドがどの地位を占めるかは、その人の感性によって違うから固定化はできないが、それでもイエスやピンク・フロイド、ジェネシス、キング・クリムゾンなどは、誰がどう見てもA級プログレッシヴ・ロック・バンドと認定するだろう。

 問題はそれ以外のバンドで、例えばフォーカスなどはどうだろうか。自分としてはA級と認めてもいいと思うのだが、人によっては知名度がイマイチ劣るなどの理由でB級と思うかもしれない。またそれ以外にも、キャラヴァンやキャメル、ジェスロ・タル、ネオ・プログレッシヴ・ロック・シーンから生まれたマリリオンやペンドラゴン等々、数え上げたらきりがない。

 今回取り上げられるアメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドのカンサスは、どうだろうか。一時期は、アメリカを代表するプログレッシヴ・ロック・バンドだったのだが、今ではほとんど話を聞かない。現在でも活動は続けているのだが、若い人にとってはほとんど無名に近いのではないだろうか。6016cf12b0938dd378a5f592aa5eb8c3pro
 彼らの全盛期も前回のスーパートランプと同じように、1970年代の後半から80年代の前半だった。自分としては、1980年の「オーディオ・ヴィジョン」までだと思っているのだが、チャート・アクションで判断すると、1986年のアルバム「パワー」までだろう。このアルバムは、全米アルバム・チャートの35位まで上がっていたからだ。

 カンサスについては以前のブログで述べたので、詳細は省略させてもらうが、このライヴ・アルバムが発表された1978年あたりが人気、実力ともに最盛期だったように思える。このライブも1977年から78年にかけて3回の全米ツアーから録音されていて、だからこのライブ・アルバムには彼らの一番脂の乗った時期の演奏が収められているといっても過言ではないだろう。

 彼らは1974年に「カンサス」でデビューしたのだが、これが鳴かず飛ばずでセールス的にはうまくいかなかった。1stアルバムから7分、9分といった長い曲や、ギターやキーボードだけでなくヴァイオリンも効果的に使用していて、アメリカ人のバンドながらもヨーロッパ風のプログレッシヴ・ロックのテイストも持ち合わせていたのだが、なかなか受け入れられなかったようだ。

 もともと彼らはホワイト・クローバーという名前で、フランク・ザッパに影響を受けてバンド活動を始めている。一時はドアーズの前座としてステージに上がったこともあったという。ただバンドは途中で解散したのだが、そのあとドラマーのフィル・イハートが渡英して、そこでイエスやキング・クリムゾンの音楽に啓発されて帰国し、彼らは新しいメンバーを入れて6人組として再出発した。だからアメリカのバンドでありながら、当初からそこはかとなくヨーロピアン・テイストを持ち合わせていたのである。

 彼らがブレイクしたのは、1975年に発表された2枚目のアルバム「ソング・フォー・アメリカ」のヒットからである。このアルバムは全米57位まであがり、彼らは一気に注目を集めるようになった。
 ただ日本では3枚目のアルバム「仮面劇」が最初のアルバムにあたり、4枚目の「永遠の序曲」のヒットによって1st、2ndと遡って紹介されている。

 当時は“アメリカン・プログレ・ハード”という名称で、カンサスやジャーニー、スティックスにボストンなどが幅を利かせていて、日米ともに人気が高かったが、そういう時流にうまく乗ることができたのも成功の一因だっただろう。

 特に、1976年の4枚目のスタジオ・アルバム「永遠の序曲」、翌年の5枚目「暗黒への曳航」でキャリア・ハイのセールスを記録した。前者はチャートで5位、後者は4位まで上昇し、両方とも400万枚以上売り上げている。

 その全盛期に発表されたのが、彼らの初めてのライヴ・アルバム「偉大なる聴衆へ」だった。1978年のお話だ。
 ただ、この1978年のLPレコードは2枚組全14曲で、約80分間にわたって彼らの全盛期のライヴを堪能することができた。ところが80年代後半に出たこのライヴ盤のCDでは終わりから2曲目の"Closet Chronicles"(6分55秒)が時間の関係でカットされていた。だから、CDになって損をした感じで、むしろLPレコードの方がお得感がしたものだ。そのレコードのトラック・リストを以下に記しておく。
サイド1
01.Song for America
02.Point of Know Return
03.Paradox
04.Icarus-Borne on Wings of Steel
サイド2
05.Portrait
06.Carry on Wayward Son
07.Journey from Mariabronn
サイド3
08.Dust in the Wind
09.Lonely Wind
10.Mysteries And Mayhem
11.Excerpt from Lamplight Symphony
12.The Wall
サイド4
13.Closet Chronicles
14.Magnum OpusKansastwofortheshow4ab
 LPレコードでは全14曲だったのが、それが最初にCD化されたときには13曲になっていたのだ。81dmwksokcl__sl1272_ それが2008年のアルバム発表30周年記念盤では、2枚組の全24曲、時間にして約148分にまで拡大されていたのである。 

 このライヴ・アルバムではそれまでの彼らのキャリアを総括するかのように、1stアルバムから5枚目のアルバム「暗黒への曳航」までの中からほぼ均等に選出され、演奏されている。
①「ファースト」…"Bringin' It Back","Lonely Wind","Belexes","Journey from Mariabronn"
②「ソング・フォー・アメリカ」…"Down the Road","Song for America","Lamplight Symphony","Lonely Street"
③「仮面劇」…"Icarus","Child of Innocence","Mysteries and Mayhem"
④「永遠の序曲」…"Carry on Wayward Son","Miracles out of Nowhere","Cheyenne Anthem","Magnum Opus","The Wall"
⑤「暗黒の曳航」…"Point of Know Return","Paradox","The Spider","Portrait","Closet Chronicles","Dust in the Wind","Sparks of the Tempest","Hopelessly Human"

 上記のように1枚目から5枚目までそれぞれ4曲、4曲、3曲、5曲、8曲収録されているが、さすがに77年当時のニュー・アルバムだった「暗黒の曳航」からは10曲中8曲も収められていた。81evg5kxmtl__sl1500_
 それで2008年版の「偉大なる聴衆へ」のトラック・リストは以下のようなものだった。見ればわかると思うが、ディスク1は、既発の1枚組CDと全く同じ曲と曲順である。
ディスク1
01.Song for America
02.Point of Know Return
03.Paradox
04.Icarus-Borne on Wings of Steel
05.Portrait
06.Carry on Wayward Son
07.Journey from Mariabronn
08.Dust in the Wind
09.Lonely Wind
10.Mysteries And Mayhem
11.Excerpt from Lamplight Symphony
12.The Wall
13.Magnum Opus

ディスク2
01.Hopelessly Human
02.Child of Innocence
03.Belexes
04.Cheyenne Anthem
05.Lonely Street
06.Miracles Out of Nowhere
07.The Spider

08.Closet Chronicles
09.Down the Road
10.Sparks of the Tempest
11.Bringin' It Back
(※赤文字の曲は未発表曲)

 ディスク2の8曲目"Closet Chronicles"はLPレコードに収録されていたが、それ以外の10曲はすべて未発表曲だった。ワインじゃないから別に30年も寝かせなくて、もう少し早く発表してもよかったと思うのだが、ファンにとってはまさに涙もののライヴ・アルバムだと思う。まさに、“レコードの時はショボかったけど、CD化されてお買い得になったアルバム”だと思うのだが、どうだろうか。

 しかも最後の曲の"Bringin' It Back"は、南部のシンガー・ソングライターのJ.J.ケイルの曲だった。カンサスは、自分たちのデビュー・アルバムで取り上げていたもので、7分を超えるロング・ヴァージョンに仕上げられている。

 ひとつだけ注文をつけるとするならば、できれば当時のコンサート順になるように曲の配列をしてほしいと思った。そうするとまさに当時のコンサート会場にいるような気分に浸れたに違いない。記録に残すということと記憶に残ることは違うことなので、もう少しその辺の配慮があれば、このアルバムはもっと多くの人に受け入れられたに違いないと思う。

 現在のカンサスは7人体制で音楽をやっていて、オリジナル・メンバーは、ギタリストのリチャード・ウィリアムスとドラマーのフィル・イハートの2人だけになってしまった。
 そしてこのライブ盤は、タイトル通りのライヴ・アルバムなのだが、偉大なのは聴衆だけでなく、当時の彼らもまたこのタイトルに値するバンドであり、これはその偉大な記録なのである。

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2019年2月 4日 (月)

スーパートランプのライヴ・アルバム

 昨年末に“レコードの時はショボかったけど、CD化されてお買い得になったアルバム”の特集を行ったが、そのまま続けようとは思わなかった。理由は、きりがないからである。
 しかし、ひとつだけ心残りだったのは、アメリカン・ロックとブリティッシュ・ロックだけだったということだ。できれば、プログレッシヴ・ロックのアルバムも入れようとずっと思っていた。

 プログレッシヴ・ロックといっても、イギリスやアメリカ、その他の地域のバンドなど様々だ。その中で探すのも大変だと思って、結局、わかりやすいB級プログレッシヴ・ロック・バンドのアルバムから選ぶようにした。B級といってもイエスやピンク・フロイドまでの知名度はないものの、それなりに名前の売れているバンドである。今回はイギリス代表ということで、70年代後半から80年代初めにかけて活躍したイギリスのバンド、スーパートランプについてである。A1eiwzevirl__sl1500_
 スーパートランプについては、以前にもこのブログで紹介したので重複は避けたいが、彼ら5人は1974年のアルバム「クライム・オブ・ザ・センチュリー」が全英4位、全米38位になったことから注目を集めるようになり、その後、「危機への招待」、「蒼い序曲」とヒット・アルバムを連発し、1979年のアルバム「ブレックファストイン・アメリカ」ではついに、全英3位、全米1位という快挙を達成した。

 もともとは比較的長い曲を得意とするプログレッシヴ・ロック・バンドだったのだが、売れるにつれて徐々にポップ・テイストを強くしていった。例えていうなら、イエスが徐々に10cc化していったといえばわかりやすいだろう。

 「ブレックファスト・イン・アメリカ」が売れた最大の理由は、初期からのプログレッシヴな要素と徐々に芽生えたポップなテイストが、微妙なバランスでうまく成立していたからである。

 その後も1982年には「フェイマス・ラスト・ワーズ」が全英6位、全米5位を記録したが、彼らの全盛期はここまでで、主要メンバーだったロジャー・ホジソンの脱退で、坂道を転げ落ちるように人気を失っていった。

 それで今回のアルバムは、この全盛期の時に発表されたライヴ・アルバム「ライヴ・イン・パリ」(原題:"Paris")である。51zqnj2wsfl
 このコンサートは、1979年の“ブレックファスト・イン・アメリカ”ワールド・ツアーでフランスのパリを訪れた時のもので、まさに脂の乗った全盛期の彼らのライヴを堪能することができる内容だった。1980年の9月に発表されたレコードでは、次のような曲順だった。
サイドA
1.School
2.Ain't Nobody But Me
3.The Logical Song
4.Bloody Well Right
サイドB
5.Breakfast in America
6.You Started Laughing
7.Hide in Your Shell
8.From Now On
サイドC
9.Dreamer
10.Rudy
11.A Soapbox Opera
12.Asylum
サイドD
13.Take The Long Way Home
14.Fool's Overture
15.Two of Us
16.Crime of The Century71ixmfz8lpl__sl1379_
 御覧のように全16曲、時間にして約94分だった。レコードの各面に4曲ずつ配置されていることから、時間的にほぼ同じになるように計画的に曲が並べられたことが分かる。
 しかも、「クライム・オブ・ザ・センチュリー」から「ブレックファスト・イン・アメリカ」までのアルバムからほぼ万遍なく収録されていることから、それまでの彼らの集大成的なライヴ・アルバムになっていた。
 商業的には、全英で7位、全米でも8位と成功している。この時期の彼らは何を出しても売れたのではないかと思わせるような人気を博していたのではないだろうか。

 ところが、2006年にこの時のライヴの模様を記録したビデオが見つかったことから、この時のライヴ・アルバムを編集し直す機会に恵まれたのである。
 時は既にCDの時代。それなら実際のライヴに近いアルバムを出そうということで、2011年に2枚組CD+DVDが発表された。その時のタイトルは「ライヴ・イン・パリ'79」(原題:"Live in Paris'79")に変更され、アルバム・ジャケットも差し替えられたのである。71ehdkfyvpl__sl1200_
CD1
01.School
02.Ain't Nobody But Me
03.The Logical Song
04.Goodbye Stranger
05.Breakfast in America
06.Bloody Well Right
07.Hide in Your Shell
08.From Now On
09.Child of Vision
10.Even in The Quietest Moments
11.You Started Laughing
CD2
01.A Soapbox Opera
02.Asylum
03.Downstream
04.Give A Little Bit

05.Dreamer
06.Rudy
07.Take The Long Way Home
08.Another Man's Woman
09.Fool's Overture
10.Two of Us
11.Crime of The Century

 全22曲、2時間を超える内容になっていて、これはもうマスト・バイ・アイテムだと思っている。それで上記の赤い文字の曲が追加された曲だが、こうやって全22曲を眺めてみても、70年代後半のアルバムからほぼ均等に収録されていた。61a3wwx0bpl
 ちなみに、DVDの方はというと、全18曲で、CDから除外された曲は次の4曲だった。"Ain't Nobody But Me"、"You Started Laughing"、"A Soapbox Opera"、"Downstream"である。リック・デイヴィスの歌う"Downstream"は見てみたかった。ピアノ一台で切々と歌っているからだ。

 DVDを見ると、リック・デイヴィスとロジャー・ホジソンだけではなくて、実はサックス奏者のジョン・ヘリウェルの役割も意外に大きいということが分かる。ステージ上ではMCも担当していて、サックスやクラリネットだけでなく、キーボードやボーカルも担当していた。

 また、リック・デイヴィスのピアノ演奏はリリカルで、かつテクニカルでもある。ピアノでリードする場面ではリックがほとんど担当していた。意外とロジャーは目立っていなくて、確かにハイトーンのボーカルは目立つものの、ギターとキーボードの演奏に関しては、そんなに特筆すべきものはないように見えた。もちろん、上手なのは当然なのだが、際立ってスリリングな演奏をするというわけではなかった。819qqn4we2l__sl1500_
 スーパートランプが解散した理由は、もちろんリックとロジャーの仲たがいが原因なのだが、リックはよりプログレッシヴで長い曲を要求し、一方のロジャーは、よりポップで短い曲を求めるようになったからだそうだが、バンド脱退後のロジャーのアルバムは、決してポップで短いものではなく、むしろ彼流のプログレッシヴ・ロックを追及しているようにも見えた。要するにロジャーは、単純に自分のやりたい音楽を追及したかったのだろう。

 その後のバンドは、解散と再結成を繰り返しながら今に至っている。現在ではリックとジョンとドラマーのボブ・シーベンバーグを中心に活動を続けているようだが、残念ながらかつての栄光は望むすべもない。リックの白血病のせいもあるが、新作アルバムも2002年以来発表されていないので、ほぼ解散状態だろう。

 元相棒のロジャー・ホジソンの方は、2000年以降ニュー・アルバムを発表していないものの、ツアーは続けていて、昨年も“ブレックファスト・イン・アメリカ40周年ツアー”を行っている。彼はまだ68歳だから、もう少し続けることができるのではないだろうか。

 いずれにしても、このライヴ・アルバム「ライヴ・イン・パリ'79」は、“レコードの時はショボかったけど、CD化されてお買い得になったアルバム”に相応しいと思っているし、イギリスのB級プログレッシヴ・ロック・バンドを代表するアルバムの1枚だとも言えるだろう。

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